お久しぶりですワ！長い原稿期間が終わってへとへとHAPPYのペチカです。今回はパーソナル相談からのお記事です。

※LOVEの表現方法は多種多様！今回はハート喘ぎについてあらためて考え、解説し、そして背中を押す内容になっております。
※途中で官能小説の引用スクショがあります。もろＲ１８なのでご注意ください。
※通常は1100～2200字程度で書きますが、一家言ある内容なので長くなりました。

■相談要旨

あ、あああ～……「これがしたい」について、先にマイナスの意見を目にしてしまうと、キツイですわよね；；

まずは信頼して相談依頼をくださり、ありがとうございます！
うんうん、たしかにたしかに……「磯野～！　♡喘ぎしようぜ！」という記事や書き込みはわたくしもあまり見たことがないわネ……；

わたくしのメイン戦場であるBLお二次界隈ではもはや当たり前になっている♡喘ぎについて、あらためてよくよく考えてみますわネ。

■アンチ意見は参考になるか

ぶっちゃけカスです。聞く必要はありません！！
…………ちょっと待って？一応ちゃんとした理由があるので、ここだけ切り取って燃やさないでちょうだいね？？？？？

人格否定とか反対意見が問題とかではなくて、「創作や成長に必要か、参考になるか」という有用性という指標でのおカスね。
「したいことについてのアンチ意見はまず参考にならない」という意味です。

こういうの、昔はよくおラノベやおなろうの世界で聞きました。
「ライトノベルは小説じゃない」
「挿絵に頼ってる。挿絵が可愛いだけ」
「なろうは都合のいいことしか起きない。ポルノでしょ」
「文章力がない。こんなの読んでも低レベルな日本語しかない」
……みたいな。

では、おラノベは劣っているのでしょうか？
たしかに万人がターゲットではありません。文学的な言葉よりも、口語的な文のほうが圧倒的に多数です。

……でも、売れてますよね？
客観的なデータはいくらでもあげられます。書店の売り上げランキング、中高生の読書ランキング、アニメ・映画にしめるラノベなろう作品の比率など。
ですから、資本主義の尺度でいえば、ラノベという媒体は今すごく「優れている」ジャンルなのです。

しかしながら、「ラノベ」というだけで読まない人、馬鹿にする人は悲しいながらもいるのはたしかです。
――が、その方々はただのターゲット外。売り上げにはまったく関係のない存在なので、ぶっちゃけ無視してOK牧場。

歴史をたどれば、新しい表現方法は常に保守派から否定されてきたのものです。「小説（娯楽）」だって元々「大説（四書五経）」とは区別されたジャンルで、明治時代は「小説なんか読んでいると馬鹿になる」といわれていました。

♡喘ぎも今、ネットの世界で拡がり始めた新しい表現方法のひとつにすぎません。
意見を調べるときの注意点だけれど、「書いてあるものしか見えない」のよね。
…………当たり前かしらん？
ただ、人は満足していると、何も思っていないと、無関心だと、知らないと何もいいません。
そして、殊更行動を起こすエネルギーは、たいてい正の感情よりも負の感情由来のほうが多いです。

つまり、♡喘ぎを知っていて、なおかつなんとも思わない・好きな人は、わざわざネットに「うおおお～！俺は♡喘ぎが好きだ～～！！」と書くことはそうありません。
逆に、好きでない人は「流行っててムカつく。ズルだよね」などとわざわざ愚痴を書きたくなるのです。

…………わたくし、十代の頃の趣味の一つに２ちゃんねる閲覧という最低最悪な時期があったのでよく知っているのですが、わざわざスレをたてる・書き込む行動力のある人はアンチが圧倒的に多いです。しかしながら、たいていはその何倍も、無関心または好きだから（現状に満足しているからこそ）何も言わない・行動しないサイレントマジョリティーがたくさんいるのです。

「Aを好きな奴集まれ」というスレと「Aを嫌いな奴集まれ」というスレを同時に立てたら後者の方が数倍人があつまる……そんなイヤな習性が人間にはあるのですワ。
ですから、♡喘ぎにあたってインターネット掲示板の意見を参考にするのは、オススメしません。
マーケティング調査をするなら、ターゲット層にする方が効果的よ。
すなわち、メッセジお嬢様が小説を読ませたい界隈の人々です。後述しますね。

■ハート喘ぎの否定的側面

これはハート喘ぎを応援する記事ですが、反対意見も取り上げておきます。
まあ、たしかに……気持ちは分からないこともないというか、わたくしも以前は苦手でした。転向したのは数年前です。

わたくし個人の経験ですが、小説本文に顔文字とか記号とかあるの……苦手だったんです。「(^^;)」とか「おいしいっ♪」とか「えへへ////」とか。
あと、２ちゃんＳＳならセリフの前に人の名前があるシナリオ調のは読めたけど、それが小説投稿サイトにあると「これは小説ではな～い！」となってました。
やはり、硬い一般商業小説を「お手本」としてみると記号はとても「軟派」に見えてしまって……。
さらに、それで文章力が両立しているケースは稀でした。経験則で、記号を使うのは十代が多い≒腕が未熟≒クオリテイの高い作品が少ない、という図式が刷り込まれていました。
もちろん、全てがそうではないでしょう。でも、経験でＡ＝Ｂが続けば、しだいにそれは印象となり、個人ルールになってしまうのです。つまり、打率が低いので足切りにあう（読まれない）……そんな感じね。
（今も、♡は好きですが他の例は苦手です）

読みだけではなく書く際の話も同じです。♡喘ぎも、地の文に一語以上の擬音を入れるのも、昔は忌避していました。「正しい小説」を「立派」に書こうとしてたんです。

では、

なぜ、

♡喘ぎも擬音も賛成派になったか？

あれは忘れもしない六年前……………………。
推し君のみだらな二次創作小説を読んでいた日のこと。

あの、原作では強く気高く気丈で偉そうで高飛車でプライドの塊のような推し君が、推し君が……あんなところをメタメタのみょんみょんにされて、は、ハートを…………ハートをつけて、ハートをつけて、お喘ぎになっていて、わたくし、

わたくし…………………………

不思議と、胸が…………

ムズムズしてまいりましたの……………………。

それで目覚めました。
つまるところ、クッソスケベな小説を読んで目覚めました。おわり。
それから、♡も擬音も使うようになりました。♡は多めに、擬音は……効果的なときだけ。

まあでも……合わなかったら読まなきゃいいんです。それだけ。
流行りはすぎましたが、「ちゃんねる小説」もありますわよね。ああいうのも厳密な「正しい小説」ではなくても、面白かったら読みましたわ。

結局、「〇〇なら絶対に読まない」「〇〇なら勧められたら読む」「〇〇でも面白そうなら読む」「〇〇かどうかに興味はない」「むしろ〇〇を進んで読む、大好き」みたいな様々な層がシームレスに存在するだけなんですわね。
そして、読まない人は何しても読まないので、ターゲット外は考慮の外でＯＫですわ。

余談ですが、最近はライン風小説なんてありますわよね。

これはお記事だけど、わたくしの大好きなおオモコロもこんな感じです。

色々なターゲットに向けて、よりわかりやすく、より読んでもらえるような表現方法が色々ある。そういうコト……ね。

ちなみに「硬派」なものは狭く高い階層にしか届かず、「軟派」なものは広く低い階層に届きます。
つまり、難しい論文のような記事は少ない学者しか読めないけれど、おオモコロくらい読みやすければ文字が苦手な人や子供も読める。
難しい小説と、ライトなノベルにも同じことが言えますわネ。

ちなみに、わたくし男性向けも女性向けも見ますが、結構今時は♡喘ぎって当たり前ですよ。もちろん苦手な方もいらっしゃいますが、全体的な数や割合からして、特殊な性癖とは思いません。
一応、もし配慮をしたいのであれば、キャプションやタグで「♡喘ぎあり」と分かるようにしていればＯＫよ。

■ハート喘ぎは技量不足か

いいえ、違います。
♡があって上手い人もいるし、♡がなくても下手は下手です。

「ズルイ」「技量不足」は負け犬の遠吠え、嫉妬なので気にしなくてもＯＫよ！わざわざアンチ意見をそう書き込むということは「♡を使わず"真面目"にやっているこの私より評価されていて悔しい」ということです。もし♡喘ぎよりも評価され、チヤホヤされて、完璧に勝って視界に入っていなかったら、そういう負のモチベは湧きません。
結局のところ、「嫌いなものの特徴の一つに♡喘ぎが入っていた」というだけで、もしそれが♡喘ぎ作品ではなかったら、別の特徴Ｂについて恨めしやと書き込むだけですヨ。

とはいえ……まあ、少しは気持ちは分かります。
お支部の小説ランキングを好きでないジャンルが席巻していたとき、わたくしも「皆さんそれがいいんですのね！」とひがみっぽい気持ちになることがあるので……。でも、数＝質ではないのを知っているから、悔しくはありません。

そして……うう～ん……支部でのお数がすごいものほど、たしかに……うん……まあ……いわゆる「硬派」な小説とはかけ離れたものが多いです。

代表的なのは、地の文がほぼなく、セリフと擬音だけで進むやつですね。これがたくさん万ブクマとかいってたりするので、そういうものばかり見て「キーッ！わたくしの硬派な小説の方がすごいはずなのにキィーッ！！」とハンカチを噛む方も少なくはないのでしょう。

繰り返しますが、数と質はイコールではありません。
「軟派」なものが広い階層に届いた結果、数が増えた。それは当然のことなのです。

また、お二次だと「キャラ崩壊問題」があります。たとえば男らしい口調のキャラＡが喘ぎで「ぉ゛ほっ♡　いっちゃうよお♡　やめてよおお♡　ああ～～～～ん♡」と言ってたら、さすがにキャラ崩壊の注意書きが必要ですわ～！
でもそれ、悪いのは♡じゃありませんわ！それは口調とか崩し方の問題ですわ～～！なので、♡喘ぎ問題の範疇ではありませんね。元の口調を保った♡喘ぎも十分ありますから。

閑話休題。では、わたくしたちはどうすべきか!?
………………好きなものを書けばよろしい。

セリフと擬音だけで軟派の極みにいってもいいし、あえてカチカチのすっごい地の文を重ねた文学に、喘ぎだけ♡をつけてみてもいいのです。

仮に、「感じている様子を文章力でうまく表現できないから『♡』という記号に頼った」として、それで何がいけないというのでしょう？
わたくしたちは日本語力検定コンテストに出るのではなく、推しの作品を書きたい！というだけのオタクなので、好きにやればいいんですわヨ！
よって……ぶっちゃけ「チープ」でもいいと思います。素人の二次創作作品なんて、もともと誰に恥じるものでもありません。

ただ、メッセジお嬢様が「チープ」がイヤならば、地の文を硬めに、セリフも硬めにするというのが素早い小手先テクニックとなります。
本格的な小説を読んで、真似するということね。♡を抜いても違和感のない硬派な作品に、あえて少ない数、本当に感じたところにだけ控えめに「ああっ……♡」など入れるだけ。これが直接的なチープ対策です。

本質的なチープ対策。それは、誰も♡なんて細かいところに文句を言う気が起きないくらい、素敵で面白くえちえちな、純粋にハイクオリティの作品を作ることです。圧倒的良作では細部は二の次というか、全体の質や読書体験には響きません。逆に、「あなたのおかげで♡に目覚めました！とてもえっちでした！」と言わせてやりましょう。
良さには色々な指標があります。「ヌキモノ」としてのレベル１００と「ストーリーが面白い作品」のレベル１００では大きく違うわね。もちろん、どちらもレベル５０ずつ両取りしちゃう戦法もアリです。
これも結局はおゴール次第。最終的にどんな方向の素晴らしい作品を書きたいですか？

小説そのものの技量を上げる方法は……ひたすら読んで書いての繰り返しね！語彙力、読みやすさ、情報の取捨選択、演出、自然なセリフ、えちえちさ、ストーリー展開、どのパラメータも少しずつ上げていきましょう。
媒体問わず良い作品をたくさん摂取して、「いい！」と思ったところを自分なりに分析して取り込んで、ちょっとずつ上達するのだわ～！

■ターゲット層を考えよう

大事なのはターゲッティング！
今まで複数回使ったたとえだけど、クレープの店を竹下通りで出すか限界集落で出すかで、同じクオリテイでも売り上げは全然違ってきます。

「♡喘ぎ」のターゲットは、主に若め＆エロければエロいほどよし！って感じかしらん。
逆に合わないのは、硬派で、文学絶対主義！みたいなタイプ。だから、たとえば「正しい日本語しか認めません」「明治の文豪しか認めません」みたいなのはダメね。もし、そういう人の集まりにどうしても認められたいなら……♡喘ぎは諦めたほうがよさそう。

逆に、そうでければぶっちゃけ無関心、どっちでもいいと思います。
結論、「♡」の有無よりかは内容次第ね。

ちなみにソースがほしいので商業でも見てみましょうか。

サネアツいちおしのおフランス書院の肛虐メインの官能小説は、手持ちすべてに記号はないそうです。
……まあ、ターゲットがおそらく五十代以上なので、むべなるかなね。
「うむ……たまんないわ」とか「いやよ、けだものっ！」「もうかんにんしてえ……」などセリフにだいぶ時代を感じますわね。

結城彩雨先生がお気にいりだそうなので、浣腸（大スカあり）と人妻が好きならおすすめしておきますわ。https://amzn.asia/d/iiL4BY5

しかしながら、もっと下の年代向けの……おそらくエロライトノベルの二次元ドリーム文庫だと、当たり前のように♡がありました。

※以下、官能小説の１Pを引用します

擬音が特徴的で、みさくら＆伸ばし喘ぎがすごかったわ……。
その反面、ハートの数は控えめでした。

こちらは文章力が圧倒的にすごかったのでイチオシの作家さんよ。官能小説の「ちゃんとした地の文」の勉強がしたかったらすごくオススメよ！あと創作エロ単語の語彙が豊富すぎる。
最初から♡がたくさん入っていたわけでなく、調教からの完堕ちで♡がつきました。ねっとりとした調教が見事。

というわけで、商業でももちろん♡はありましてよ！
相枝先生お嬢様を見るに、文章力とも多分に両立します。

では、メッセジお嬢様のお界隈に入りますか。
相談文に「自分を含むプレイヤー３人全員ハート喘ぎやちょっと汚い喘ぎが好きだった」とあるので、身内ウケはOK！なのね。
TRPGシステムも少し調べたけれど……元々R18で、男性多め。なるほどなるほど……。

うん、全然いいわ！バンバン使っちゃいましょ!!

これいうのもなんだけど、ぶっちゃけ……男性向け界隈、エロけりゃ何でもいい！派がメチャクチャ多いです。（偏見ですみません）

明治文学研究サークルならともかく、ＴＲＰＧなら……きっと大丈夫！
♡がつくのが当たり前の、えちえち漫画を見慣れている方ほど抵抗はないはずよ。

ただ、ターゲッティングで困りそうなのは……おっしゃる通り、男性向けか、女性向けかかしらん。

相談文を見るに、
①よその子（男）×よその子（女）の男女カプ
②参考にしようと思って調べたのは女オタクの意見
③主お嬢様が好きなえちえち傾向は、過激めの女性向けＲ１８作品
④界隈は男性が多い　なのよね。

男性女性「どちらも見れる」は不可能ではない。だけど、ともすると「両方から嫌われない」と目指すと「両方に刺さらなくなる（好かれなくなる）」可能性もあります。

あくまでステレオタイプな意見ですが、男性向けエロは気持ち不要、濃ゆい過激なプレイがあると高得点。ラブラブもあるにはあるけど、男性側が溺愛されがち。女性向けエロは逆に、男性からの暗い執着があると高得点で、女性側が溺愛されがち、というイメージです。

ターゲットを広くとりたい気持ちはメチャクチャ分かります。
……が、まずは、自分が好きな傾向から書くのはどうでしょう？
はじめの１作ですべてが永久に決まるわけではありません。まずは、自分が好きな、とことんヘキの、納得のいく作品を完成させましょう！
それが好みでない方は、ターゲット外なので、はじめから数にカウントしなくてＯＫです。
自分が好きなものは、自分がいちばん細部をよく理解っています。ニワカが書くよりずっとずっとこだわれる。そして、エロは偏執的なまでのこだわりがよくする！

幸い、メッセジお嬢様が好きなのは女性向け過激エロ。えちえち要素に惹かれる男性もいると思いますよ。

参考

上記では、後々のことを考えてターゲットを広めの「界隈全体」としました。が、そもそものターゲットは……うちよそ界隈に詳しくはないのだけれど、おそらくその「よその子」の作者（他のＰＬ２人？）＋メッセジお嬢様の三人よね。
だからまず、あわよくば全体という気持ちもよく分かるけど、漠然とした需要は結局刺さらないので、迷ったら「この三人に刺さるもの」を書きましょう。
その方々が♡喘ぎが好きならＯＫ！傾向も、自分が好き＋サービス精神で、その方々が好きそうな要素を入れてもいいかもね。

自分の書きたいものを書いて書いて楽しくＥＮＪＯＹして、少し飽きてきた段階で、じゃあ次は〇〇な層をターゲットに書いてみよう！とウケを狙ってみるのはどうかしらん？

とりあえず♡喘ぎ作品をたくさん書いて、飽きたな……ってなったらとってもいいのよ。その逆もしかり。

やりたい要素がいくつかあるとして、一つの作品ですべてをまかなうのは困難です。何作も書いて、少しずつ一つずつ形にしていきましょう！

■さいごに

ちなみにサネアツに「どう思う？」と訊いてみました。

……間違えました。はい次！

はい次！！

…………というわけで、ハート喘ぎについて考え、後押しするお記事でした！
普段当たり前に見すぎていたので、あらためて熟考するいい機会でしたワ。

お声がけ下さり、ありがとうございました！
楽しいみだらな創作活動を応援していますワ～～～～！！！！

参考

■お感想いただきました

パーソナル相談では、任意で140字程度のお感想をお願いしています。

うれしいお言葉、ありがとうございます！
好きなものをガンガン書いて楽しんでいただけたら、とっても嬉しいですワ～～～～！！

■おまけ

おわり。