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【相談】飽き性だけど長編小説を完成させたいです

ペチカお嬢様、ごきげんよう。
楽しく拝読しておりますわ。

わたくしは絵を描くのが好きなオタクお嬢様です。
漫画よりも一枚絵が得意なタイプですわ。

でも、実はずっと、長編小説に憧れがありますの。

導入部分でスーッと心を掴まれて、うんうん頷きながら読み進め、二人の心のしめった秘密を読み手たるわたくしだけが知り、そんなドキドキを大事に抱えたまま修羅場を乗り越え、そしてついにストレスが解放されるクライマックスへ。
そんな素敵小説をお支部で読みながらオタク感性を育ててきました。

短い時間で読める小説も大好きですけれど、長い時間をかけて登場人物たちと一緒にたどりつくクライマックスの"良さ"には、他に代えがたい魅力がありますわ。


でもわたくし、実は小説を書き上げられたことがございませんの。お恥ずかしい話ですけれど。

あれこれと方法論を読んでみたり、一般の小説の文体にならおうとしてみたり、じたばたしてもう何年になるでしょう。
挫折するたびに頭をよぎるのは「向いてない」の一語です。
わたくしが得意なのは、あの要素もこの要素も一つの長方形の内部に配置して、見渡そうと思えば一目で全てを確認できる一枚絵。……幾百もの段落を積み重ね、その全貌を確認するにはたくさんのスクロールと世界への集中が必要になる長編小説は、一枚絵と正反対にあると言っていいだろうと、わたくしは思います。

今、わたくしの手元には新しい小説の卵があります。冒頭から書き始めて、まだ1,000字を少し過ぎたところです。あらすじと見せ場をメモ帳にざっと書いて、テキストツールに一文ずつ書いています。

小説を書くのってとっても大変ですね。
意志が弱くて全然続かないのです。すぐに放り投げたくなるのです。

飽き性なわたくしが、一作でも完成させることができるのだろうかと、今非常に弱気になっています。無理な目標を設定して振り回され、「またできなかった」という思いを深くする…これを繰り返すばかりの現状は、我ながらとても愚かしいです。

でも、物語のアイデアを思いついて「これは絵ではなく小説で欲しいぞ」と思う、あの瞬間の楽しさはこの先も何度もくるのでしょう。そして、懲りずにテキストツールを立ち上げてしまうのでしょう。

ペチカお嬢様に叱咤激励をいただけますとさいわいです。
これからもお嬢様のご活躍を応援しておりますわ。

長くなったので、おnoteで回答します。


あらあらあら、長編のタマゴがあるんですのネ❣いいことですワ〜❣❣❣❣

"わたくしが得意なのは、あの要素もこの要素も一つの長方形の内部に配置して、見渡そうと思えば一目で全てを確認できる一枚絵。"

ち……緻密!
構図の考慮がすごい、書き込みが細かい……そういう絵師さんじゃないと出てこない表現ですワ。真面目なお人柄も拝察しますワ!

長編の完成、難しいですよネ。
長編はずっと潜水するようなもので、とにかく精神力を使うんです。モチベの維持がいちばんの難所。

長編が書けない状態から書けるようになった身から、考えてみますネ!

■困難なことは最小サイズまで分割する

ここで書いた「100回分割」と考え方はほぼ同じです。

ベストが困難ならベターを狙うのはどうでしょう?
ジョジョ、逆に考えるんだ。完成させなくてもいいさと考えるんだ

公募入選でプロ作家になりたいなら別だけど、楽しいご趣味なら、イチから100まで通して全部書かなくてもいいんです❣

多分、慣れの問題もあると思います。たとえば必要以上に完璧に細かく書こうとしすぎて、疲れちゃうとか。

◎1P分だけ切り取る

ご趣味で漫画も書かれていたら分かりやすいと思うのだけど、(長編でない)漫画書きさんのやり方を参考にするのもアリですネ!
たとえばお二次やうちのこ創作とかだと、「本編や想定している時間軸、想定しているこのキャラの長編」があるけど、1Pだけ切り取って漫画にしてます!という作品がいっぱいです。長編作家やプロでないなら、ほぼみんなそのかたちでおSNSに漫画数ページでアップしています。
その、「切り取り方」は非常に参考になりますヨ!

十分にご存知でしょうけど、漫画を描くのはコスト(時間、作業量)がかかる。こうやって「数ページまで」と制限をつけないと、お仕事しながらのご趣味では難しいですよネ。
「完成させるため」の方策としてページ数を4枚以下に抑える!でも萌えは存分にぶち込んで表現する!!みなさん!これがオシカプです!!という方は多いんじゃないでしょうか?
皆が皆単行本数冊以上の長編漫画を描こうとすると…………かかる時間がてえへんですわ!

これを文章でやると、SSになります。
文章は、同じ情報を表現しようとすると、絵に比べると比較的コスト(時間、作業量)が少なくなります。
……でも、逆に「無限に書けてしまう」ので、その観点からすると完成難易度が上がることもあるでしょう。
「漫画数ページ分の情報量を文章にする」など、かける時間や長さに上限を設ける、というのが完成にむけた有効アプローチです。

◎粒度を徐々に埋めるやり方

ゼロから作る場合、まずは「本編」的な全体プロットを考えましょう。いらない方もいるけれど、メッセジお嬢様はあった方がはかどりそうですネ。

とりあえず、最初は荒く荒くで大丈夫です。「シンデレラ」だったら

【粒度の荒いプロット・メモ】
・シンデレラ、いじめられている「これ全部キレイにしなきゃメシ抜きだよ!」
・舞踏会のしらせ
・魔女と出会う
・舞踏会で王子と踊るが12時にかえる「きみみたいな子、絶対に忘れないのに」
・なんやかんや(あとで考える)
・ハピエン

みたいに、超絶荒くて大丈夫!このプロット並みの粒度なら、ストーリー進行度を100で表すと0,20,40……,80,100と、20ずつ刻めますよね?

で、オススメなのは、そのうちねっとり書きたいシーンだけ取り出して、たとえば王子様と踊るシーンだけ「61,62,63」と書いて「一作できあがり!」にする方法です。
つまり、長編のトロの部分、特に萌え萌えなワンシーンだけ切り取ってSSで書くというやり方です。(前述の1P分切り取るも同じ考え)

これを続ければ結構な部分が埋まるでしょうし、何より創作は楽しく書くのが一番ですからネ!「短いSSを完成させる」のはいっぱい経験値が入ってきます!
何事も書くうちに上手くなるもの。なので、最初は最小の階段から登りましょう。

ご安心くださいませ、実は昔のわたくしも、同じ状態でしたワ!
長編に挑んでは諦めてを繰り返し、「まずは最小で完成させる」に方向転換して、何年も続けるうちに、気づけば中編、長編と書けるようになりました!

もし「それでも、部分じゃなくて全体が描きたい」場合は、初めに20刻みで書いたのを、次は10刻みにする……と徐々に全体の粒度を上げていく方法です。
人に寄るけど、やっぱりまずは短編で経験を積んでから……具体的に言うと「何を書き、何を書かなくていいか」を身に着けたあと推奨ですけど、これを繰り返せば最後は完成できますネ!

あとは、人によっては「粒度の分割」ではなく「作業の分割」のほうが合うかも。
メジャーなのは、「まず会話だけ書いて、あとから地の文」ですね。
最初から100%の「完璧」を目指すと大変なので、あっさりあっさり最低限で大丈夫ですヨ!

どんな方法であれ、まずは「最小サイズの成功体験」をやると楽しく続けられると思いますワ。

■モチベの維持は自己管理

とにかく、ビギナーのうちは「まずは完成させて、褒められる」をしましょう。これ大事!!!!絶対必要!!!!
お友達に頼んでもいいし、有料依頼もあります。
この「モチベを保つ」も自己管理の一環ですから、むしろその依頼をできるのは偉いんです!!自己管理できてるできてる!

こちらのお記事にも詳しく書いてます。

幸運を待つより、自ら行動して取りに行く方が確実ですネ!

■もし完成しなかったら

もし完成、できなかったら?

…………実は、「ふつう」です。
大丈夫!!普通です!!!!

このたとえが当てはまるかどうか分からないけど、「ちょっとやってみて、飽きてやめたゲーム」ってたくさんあると思うんです。それについてズドーンと落ち込みますか? たぶん、落ち込まないですよね。

あまり合わなかったでも、脳が他の楽しいことを見つけたでも、理由だってなんでもいい。

むしろ、脳が快感を受けられないことをやり続けるのは相当なストレス。やめるのもまた自己管理ですワ!

完成させなかったお話やキャラはオタクなら誰もが持っているもの。大事に頭の中にしまっておいて、たまに妄想してニヤニヤする……というだけでも素敵で愛おしいと思います♡

他に優先する、やりたいことがある。実にいいじゃないですか!
仕事でないならそのときやりたいことをやるのが一番ですヨ!

楽しいご趣味の助けになれば幸いです。無理のない楽しみを応援してますワ!!

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