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【蓮ノ空感想文】「蓮ノ空」が持つ”引力”について

 「蓮ノ空」はnoteに公式アカウントがあるんですね。しかもちょうど今こんな企画をやってる。なら私も一枚嚙ませて貰おうじゃないか、ということで本記事を書いています。

 最初に言っておくと、私は熱量や知識量には自信が無いながらも10年以上アイマスのPをやっている者です。今となっては、こういう前置きをするだけで「なぜ自分がラブライブの世界に足を踏み入れたか」の説明を省略することすら可能ではないでしょうか。そう、多くの方と同じように異次元フェス「アイラブ歌合戦」をきっかけとしてラブライブに引き込まれてしまったのです。

 ラブライブとしては5タイトルが参加していたそのライブで、その中でも特に「蓮ノ空」のどこに魅力を感じ、感銘を受けたのか。まだリンクラをプレイし始めて2ヶ月程度という新参にして外様であり、ストーリーや生配信、アーカイブなどはまだほとんど摂取できていない状態のため、そういう「コンテンツのより深部に踏み入るために知る要素」は一旦置いておきます。「蓮ノ空」が持つコンテンツを知らない人を引き込む力、言うならば"引力"について、自分の体験をベースにしつつできるだけ客観的な視点を持って記載していきたいと思います。


1.きっかけ

 そのためにはある程度順を追って説明する必要があるでしょう。前述の通り、きっかけとしては「アイラブ歌合戦」。私はアイマス勢として両日現地参戦しました。参戦直後の感想は別記事に記載していますので詳細はここでは避けますが、要は、

  • ラブライブの曲はほぼ知らない(μ'sだけは辛うじて数曲だけ知ってる)

  • キャストも知らない、数名は別作品のキャストとして知っていて、「この人ラブライブにも出てたんだ」とその時初めて知った有り様

  • 各タイトル自体知らない、「蓮ノ空」に至っては存在すら知らない

  • ライブ前の予習すらしていなかったのでアイラブ歌合戦で浴びたのが完全初見

 この状態から、ライブ数日後には蓮ノ空のリリース済み楽曲を聴き漁り、その後アプリもダウンロードしてリセマラし始め、あのキャストは誰だったんだ、どんな人なんだと調べ始める。そのくらい一気に引き込まれてしまいました。


2.ある1ユニットの強さ

 では、具体的にアイラブ歌合戦ではどの楽曲が私に刺さったのか。蓮ノ空の曲に絞って上位5曲を挙げると以下のとおり。分析するまでもなくひとつの事実が見えます。

  1. 『眩耀夜行』

  2. 『Holiday∞Holiday』

  3. 『Mix Shake!!』

  4. 『永遠のEuphoria』

  5. 『フォーチュンムービー』

 オリメンではない編成で披露された曲もありますが、明らかにスリーズブーケの曲に惹かれています。当日はどのタイトルの楽曲か知らない、個人のキャラクター性や設定など全く知らない、当然ユニット曲なのか個人曲なのか全体曲なのかも、そもそもユニットの存在自体知らない状態でこれだけハッキリと1ユニットに惹きつけられたのは自分でも不思議です。いや、1点だけライブ中に明確に感じたことがあります。「花宮さんの歌唱と表情がものすごく良い」。
 ともかく、私はスリーズブーケに吸い込まれるようにして蓮ノ空の楽曲を聴き始め、リンクラに手を伸ばした。そう言って過言ではありません。

 私に限らず、noteその他のSNS、youtubeのアイマスchで実施された感想会配信などでも『Holiday∞Holiday』が刺さったという発言が圧倒的に多いようです。アイマスPに特有の何かがあるのか、それとも普遍的な強さがあるのか。ここまで明確な傾向があるからには何らかの理由があるはずですが、言語化できるものでは無いかも知れません。
 「スリーズブーケは強い」。アイラブ歌合戦後の蓮ノ空に対する印象はこれに尽きます。


3.一歩踏み込んで見えた楽曲の豊富さ

 ライブ後にセトリを確認し、こんなにスリーズブーケの曲が良いのかと知り、それなら他の曲も…と思ってまずリリース済みの楽曲をすべて聴いてみるところから始めた私ですが、驚いたのが開始から1年も経っていないのに何曲リリースしてるんだという圧倒的供給量。この時点で既に1ユニットあたり10曲前後、全体曲も10曲程度というのは異常といって差し支えないでしょう。アイマスの各ブランドで開始1年以内にリリースされた楽曲数と比較してみます。

  • シンデレラ:ソロ10曲

  • ミリオン:全体1曲、ソロ50曲、ユニット13曲

  • シャニマス:全体4曲、ユニット8曲(4ユニット×2曲)

 数だけ見ればミリオンもなかなか異常ですが、アイドルが50人いる(現在は52人)ということと、765AS(いわゆる本家『アイドルマスター』)の流れを引き継いでいることを念頭に置かねばなりません。6人で約50曲というのは驚異的なペースです。かといって粗製濫造ということにはまったく当たらない。アイラブ歌合戦未披露曲でも、DOLLCHESTRAとみらくらぱーく!も楽曲に特色があり、キャラクターやシナリオを深く知っていれば味わいが変わりそうだと思える曲が多数見つかりました。

 この楽曲の豊富さというのはタイトルとして強い。全ブランド合計で楽曲数が1,600を超えるアイマスにも同じことが言えますが、どれか1曲でも誰かに刺されば、それをきっかけとしてコンテンツに入ってこれる。それだけの入口があるという意味で、そのような「数」による引力も持っているのだということが言えます。


4.もう一歩踏み込むためのハードルの低さ

 このように、私は楽曲によってかなり意識が蓮ノ空に向いたところで、ついにリンクラをインストールしてプレイを開始しました。実はここに至るまでに数日間、逡巡というか躊躇いがありました。楽曲が良いのは分かった、しかしアプリを入れてゲームをやるとなると……ただでさえ『デレステ』『ミリシタ』『シャニマス』『シャニソン』更に別のアプリも導入し手一杯感のある現状で、本当に手が回るのか。キャラクターやシナリオなどが覚えられるのか。

 ここでもう1点の蓮ノ空の強みが背中を押してくれました。それは、「キャラクターが(現時点では)少ない」こと。ゲームに触れる中で、必然的に登場人物への理解を深めていくこととなります。人物が多ければそれだけ覚えることも多く、それを考えただけで尻込みする人もいることでしょう。
 現在、シンデレラガールズは190人、ミリオンライブは52人、シャイニーカラーズでも28人のアイドルがいます。もちろん、その全員を覚える必要はありませんし、楽曲なりキャストなり入口となったきっかけのアイドルをまず覚え、ゲームをやるうちに徐々に他のアイドルのことも知っていくという流れで問題ないわけですが、知識があればあるほど楽しめるのは言うまでもありません。アイドル数の多さという強みが逆に「楽しむために全員覚えなければ」という心理的ハードルにもなり得るのです。また、「どこから入ればいいか分からない」という行動経済学における選択麻痺・分析麻痺・決定麻痺の要因になる可能性も大いにあります。

 そういう意味で、現状の6人というのはひとまず顔・名前・声・キャストを一致させ基本的な設定を覚えるのに全く問題はありません。少数精鋭であるからこそ新規が参入するハードルも低い、逆説的にそのような引力も持っていると言えるでしょう。


5.もう一歩踏み込むともう抜け出せない

 ということで、参入するためのハードルが低いと感じられたことに後押しされ、リンクラをインストールしゲーム本編を始めました。すると、そこで見たものは……オリジナル楽曲だけでなく、カバー曲も多数実装されているゲーム環境。どうなってるのこのコンテンツ……ほんとに開始1年未満なの?
 アイマス勢としては、とりあえずオリジナル曲より先に『CHANGE!!!!』を選択してプレイしてみたのは言うまでもありません。

 そして「スクールアイドルコネクト」。キャストによる生配信ではなく、各キャラクターが生配信を、そしてライブをしている。実際の時間軸と同期してゲーム内の時間も進行し、行動している。

 これはアイマスでは考えられないことです。アイマスはいわゆる”サザエさん時空”で、年齢は変化せず経験が蓄積されていく。ゲーム・アニメ・コミックなどの各メディアで展開する物語はパラレルワールドでありながら、その経験を矛盾しない程度に緩やかに共有する。多少設定が変わることがありつつも、基本的には全ブランドこの形式です。
 アイマスもARライブを実施し始めていますが、1コンテンツとして成立する頻度ではなく、まだ実験段階の感があります。『va-liv』というものもありますが、アイドルデビューを目指して活動するというコンセプトはありつつもシナリオが立てられているわけではなく、アイマスブランドのVtuberというような立ち位置。『シャニソン』内ではアイドルが生配信をすることありますが、それはあくまで「生配信しているアイドルを見守る」のがコンセプトであり、本質的に異なります。

 それらとは一線を画す、リアルタイムで進行していく物語性。リアルタイムだからこその緊張感、With×MEETSへの参加意欲、世界観への没入。そして時間に限りがあるから今の活動が貴重なものとなるという価値の付加。「蓮ノ空」の世界を体現したシステムであり、そのリアルタイム性ゆえに見逃せないというコンテンツに踏み込んだ人を捕らえて離さない引力を有しているのです。


まとめ

 以上、「蓮ノ空」の強みと魅力、それらによるコンテンツの持つ引力について、私の体験をベースにアイマスと比較しつつ長々と書いてきたわけですが、まとめると以下の通り。

  • スリーズブーケの対外訴求力の強さ

  • オリジナル曲が多く、様々な層に刺さるポテンシャルがある

  • 登場人物が少ないため、新規にとって心理的ハードルが低い

  • リアルタイムに進行し展開していくので目が離せない

 もちろん、私自身としてはいまだにアイマスのPの方が本業だという意識は揺らぎませんし、軸足を移すようなこともありません。しかし「できるだけスクコネは生で観たい」「楽曲はリリースされ次第すぐに聴きたい」などと思っているのも事実。
 気づいたら蓮の沼に1歩2歩と踏み込んでいるのではないか……蓮華の美しさをより近くで楽しもうと、抜け出せないところまで踏み込んでしまうのではないか……このまま蓮ノ空の引力に魂を引かれて戻れなくなってしまうのではないか。私は怖いです。




 マーケティングやシステムの巧みさのようなことばかり書いてしまいましたが、結局のところ、そんなことは本質的な魅力ではありません。キャラクター、楽曲、シナリオはもちろんのこと、それらを一身に纏って1人のスクールアイドルを体現している各キャストの努力と才能。そこから生み出される、生きたスクールアイドル達。それこそが最大にして絶対的な魅力なのです。
 事実、私が「蓮ノ空」に惹かれたのもそれが最大の理由です。それが無ければいくらマーケティングが巧みであろうと意味がないのです。

 残念なことに、私はそれを十分に語れる言葉を持たず、思考もまとまっておらず、現状はコンテンツの表面をなぞった程度の知識しかありません。そのあたりは他の方が大いに語ってくれると思いますので、私もそれを見て学べることを楽しみにしつつ、本稿を終えることとします。


余談

 タイトルの画像は6年前、金沢旅行をした際に主計町・ひがし茶屋町辺りを夜間に散策していて、美しいと思った風景を撮影したものです。アイラブ歌合戦Day2で『眩耀夜行』が披露された際のMVで、この時の光景が蘇りました。完全初見にもかかわらず『眩耀夜行』に涙が出るほどの感動を覚えたのは、ステージ上のパフォーマンスの美しさだけでなく、この現実の体験が頭の中で結びついたからかも知れません。

 青空の下の兼六園や金沢城もいいですが、茶屋町周辺の夜の雰囲気も素晴らしいものです。聖地巡礼される方はぜひご一考ください。
 参考に当時撮影した写真をいくつかご紹介します。


#蓮ノ空感想文

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