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「礼儀作法を科学する」マナー講師が派遣社員になったらどうなるか<失敗談>

「礼儀作法を科学する」礼儀作法・マナー講師の葛西美雪です。

今回で最終回となります。

礼儀作法とマナー講師として長年活動する中で
「ビジネスマナーが本当に役に立つのか検証したい。」と
6年間大手企業の派遣社員を渡り歩きました。

その期間のうち、約5年は同じグループ会社の
いくつかの部門を渡り歩いたのですが
一つ、失敗談がありますので皆様に共有いたします。
ご活用ください。


高速道路会社勤務のあと、Rグループという大手IT企業に
短期派遣で就職したというのが前回までのお話でした。

その数か月後に、同じグループ会社の
別部署に派遣されたのですが、そこでの失敗談です。

1,面接時に失敗を犯していた

職場見学を名目にした、派遣先担当者との面談をいたしました。
仕事のできる女性二人といった感じで、
細やかに面談をしてくれたのですが、

お二人が美人さんだったことに、内心尻込みしてしまったのか
いつもより過剰に謙遜してしまいました。

例えば、英語を使わない部署だと言われているのに
「英語は自信がないのです。」と自分から言ってみたり

パソコンはどの程度できますか?には
「Word・Excelの初級程度でしょうか?」と、
分かっていない風に回答したり

「高速道路会社での就業経験とのことですが、具体的にどのような業務でしたか?」
にいたっては、
「一人もくもくと長靴を洗っていました」と回答する始末。

この、「長靴を洗っていた」という返答は
先方でパワーワードだったらしく
「この人に務まるのか?」という
面接担当者の怪訝な表情を見逃しませんでした。

言ってしまった言葉は簡単にひっくり返せる訳なく、ましてや
「私が長靴を洗うことを選んだのは、大学で研究をうんぬん」まで
言い訳するほどかっこ悪いことはできませんので、
そのままその面談は終了しました。

2,晴れて採用されるも・・・

採用されてから、就業している間は
面接担当者だけでなく、部内でも
「前職は工事現場で長靴を洗っていた主婦の方」
という肩書きは払拭できず
事ある毎に、全ての雑用は「まずは葛西さんへ声掛け」
という雰囲気になっておりました。

(もちろん普通に事務仕事もありました・・・)

とても良い方々ばかりだったので、
依頼の仕方も嫌な感じはしませんが
他の派遣の方は声をかけず、
私にばかり重い・汚い・服が汚れそうな仕事を
「やってくれない?」と
声をかけられるのはどうしてかと考えると、

「第一印象で自分が損するような印象付けをしてしまったから」
と、気が付きました。

・私は仕事に自信が無いから何でも雑務はいたします。
・事務の経験はあまりありません。是非お教えください。
・一人で長靴を洗う仕事をしていました。

これらの情報を自らが相手に印象付けたのです。
このことから、第一印象での「謙遜」は不要である。と実体験しました。

3,印象操作は積極的に行うべきだった

謙遜とは、自分のことを知ってもらってからするものであって、
まず最初に謙遜してしまうと、
その言葉通りに受け取られてしまう、と
今更になって初体験しました。

それからも、電話対応は最初からスキルがあるにも関わらず
「最近、電話の応対がうまくなってきたね」と、
自分にとって的外れなお褒めの言葉をいただくこともありました。

やはり、随分とマイナスイメージからスタートしてしまったんだな、と反省する出来事は多くありました。

4,自分を矮小化しなくていい

こちらの配属先では3年半ぐらいお世話になり、
声をかけられたら「はい喜んで!」となんでも対応したので、
結局のところ、多くの人に頼りにされ、
自らも勉強になり、大変充実した期間でした。

しかしながら、最初の一歩を間違えていなかったら、
進路が変わっていたかも・・・と思えてなりません。

さて、ビジネスマナーは役に立つか、の問いに関して
三社目の検証は以下の通りです。

【とても重要】
第一印象で謙遜しすぎない。
 第一印象での謙遜は、その情報がそのまま相手へ印象づけられ
 過小評価されてしまうことがある。

皆さまも、最初の一歩を踏む際
スタート位置を自ら後方に設定しないように、
経験や自信は素直にお話して構わない
と思っていただけれたら幸いです。

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