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2021 J2リーグ 第6節 モンテディオ山形vsギラヴァンツ北九州 感想文Light

1.はじめに

オッス!オラ僕!
今シーズン開幕以降目下大苦戦中の我が軍は、第3節の松本山雅戦に続き、同じく先シーズンダブルされている難敵・ギラヴァンツ北九州との試合。前節までの課題をどう修正してこの試合に臨んでいるのかに注目していたが、内容は上向いてはいたものの結果が出るまでに至らず。結果はスコアレスドローの痛み分けとなった。

2.試合結果

モンテディオ山形 0 - 0 ギラヴァンツ北九州

得点者:なし

スタメン

交代選手
山形:73分 岡崎→林  加藤→小松
   83分 南→松本(幹)
   94分 松本(幹)→吉田

北九州:45分 富山→平山
    66分 西村→前川
    78分 永野→六平
    84分 新垣→野口  永田→藤谷

3.感想

 ボールサイドに密集を作り、ショートパス主体で相手陣内深い所に侵入しチャンスを作るという、言わば我が軍の軸となる攻撃。しかし、これはあくまでゴールを奪う為の手段であって、相手陣内深い所に侵入するのが目的ではない。だが、開幕から前節までの試合では、どうもその手段が目的化している様に思えた。事実、ボランチ2人共がボールサイドの崩しに加わり、SBやSHよりも大外でボールを受けるという、バランスが極端にサイドに偏っている場面も多く見られた。
それが意味するものは、
・折角相手陣内深くまで侵入出来ても、肝心のゴール前の人数が足りない
・ボールロストした際、相手にその密集を抜けられてしまうと中央〜逆サイドには広大なスペースがある
という事でもある。実際、今季ここまでサイド密集による崩しから得点に至ったのは松本山雅戦の1点のみであり、またミスによるボールロストで密集を抜けられ、カウンターであわやという場面を作られることもしばしば。今節はその点がどう修正されているのかに注目した。

 山形が自陣からビルドアップする際、北九州は2トップの片方が山形CBにプレスを掛けつつサイドへ誘導、もう片方がボールサイドへ寄る山形ボランチのケア、SHがボールサイドの山形SBへのコースを消しつつ山形CBの挟み込みを狙うという形を取ってきた。それに対し、山形はSBをボランチと同じ位の高さで留まらせ、ボランチの片方はボールサイドへ、もう片方は中央寄りにステイする2−4(GKも含めれば1−2−4)の形でプレスを掻い潜る。南が北九州ボランチの間に立つことでピン止めを狙った事も功を奏し、ビルドアップの出口として中央で岡崎がボールを引き出す場面が多く見られた。

山形ビルドアップと北九州

 その後、これまで同様ボールサイドに密集を作り、ショートパス主体で相手陣内へと前進していくのだが、ここで前節までと異なるのは、
①ボランチ2人の内1人がボールサイドの崩しに加わり、もう1人はボールサイドに近寄り過ぎず、中央寄りのポジションを取っていた点
 中央寄りにステイしているボランチは、逆サイドのSBと共に、ペナルティエリア中央手前付近でのこぼれ球への対応役、ボールサイドで詰まった際にサイドを変える為の中継役、更にボールロストで相手にボールが渡り密集を抜けられた際のプレス役、と攻守において重要な役割を果たし、相手に傾きかけた流れを引き寄せる一因となった。

加えて、
②これまで中央に留まる事の多かったヴィニシウスが、南と立ち位置を入れ替えてサイドに流れたりサイドでの崩しに加わったりする事で、相手マークに歪みやミスマッチを生じさせ、クロス供給のチャンスを増やす
③最終ラインから2列目の選手に1列飛ばしの縦パスをつけ、相手のベクトルをひっくり返す
④大外でSBがボールを持った際、縦ばかりでなく内側に持ち出し、パスコースを作り出す
といった点もこれまであまり見られなかった事であり、偏ったバランスを修正してゴールを奪う確率を上げるという意味では、これまでの試合と比べて進歩した部分と言える。

しかしながら、決定機は作れどゴールを奪うまでに至っていないのも事実。そのあと一歩の部分をどの様な形でクリアしてくるのか。崩しの精度と回数を突き詰め、完璧に崩し切って得点を狙うのか、最後は個の力で捩じ伏せる方向に持っていくのか。はたまたシンプルな思い切りの良いプレーで強襲する方向に持っていくのか。状況に応じて全て繰り出せるのが理想ではあるが、石丸監督がどういう手を打ってくるか、次節を楽しみに待ちたいと思う。

4.最後に

次節は現在首位をひた走る新潟との一戦。前半戦の山場と言っても過言ではないこの一戦で、我が軍はどれだけのパフォーマンスを見せ、そして勝利を手中に収められるのか。そしてヴィニシウスのアミーゴ・新加入ルリーニャは救世主となれるのか。いずれにせよ、新潟の独走に待ったを掛けるゲームを期待したい。

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