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時代は変わる、みんな泣

こんなものを見てしまった

J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(字幕版)

ジャニー喜多川氏が創設した男性のみのタレント事務所「ジャニーズ事務所」は、日本の芸能界を圧倒的な影響力で支配してきた。一方で、喜多川氏には、所属する少年たちに対する性的搾取の疑惑がつきまとってきた。この番組では、ジャーナリストのモビーン・アザーが日本を訪れ、喜多川氏から性的虐待を受けたという人たちに話を聞き、社会が見て見ぬふりをすることの残酷な結果を明らかにする。
47分 2023 PG12 ドキュメンタリー  BBC World News対象作

ジャニーズはカルトのようなものだ。皆搾取されているのに入信し、我慢を強いられている。

BBCのドキュメンタリー番組で、モビーンという記者とデートするように真相を追う。ジャニー喜多川をみな「神」とあがめる。日本において男性の性被害を法制化に組み込んだのは2017だという。
ただその性搾取については確かに、われわれ国民は「知っていた」。日本では波風を立てず摩擦を避けようとする。しかしそうすることで自己検閲を起こして問題への警鐘を鳴らせなくなる。確かにその通りだ。
だから私たちは失望を起こし子供を作らなくなった。

 文春に向かうと資料庫で元文春記者・中村竜太郎と記者に会う。圧力のすごさに報道できない現実に記者たちは絶望しているという。

 ひとり目の証言者はマスクにサングラスのハヤシ(仮名)。当時めそめそと泣いていたハヤシ、とてもかわいそうだった。なんかイケメンの人生っていうより、ただのかわいそうな性被害者だった。彼だけは、乗り越えられていない被害者だったのかもしれない。みんな我慢してみんな黙っている、そんな世界。

 二人目「少年愛の館」を書いた淳也。ジャニー喜多川の自宅兼合宿所そして事件の現場まで、二代目改良型トヨタ・アルファードを走らせる。多分だが、映ったのは、神宮前6丁目31−15 マンション31ではないだろうか。淳也は懐かしいと言う。喜多川氏は、少年たちを必要以上のかわいがり方をしていた。だがそれは受け入れられていた。初体験はジャニーさんと冗談で言えるレベルだし、親はホモセクシャルだと知っていてもジャニーズ事務所に入れたいという。彼を受け入れたこと、は日本そのものだという。
 その肯定的にとらえる態度の淳也を、事態を理解していない、と否定するモビーン。
 三人目、食事処「りゅう」で働くジュニアに10年いたリュウ。社長がマッサージするのではなく社長に、ならいい、と考えるリュウに対し、モビーンはどっちも一線を越えてると考える。リュウは今でもジャニーさんが大好きだという。お世話になった。大きな問題ではないという。ある日、自分の番になった時、「これ以上はダメだよっ」というと引き下がったという。それで彼はデビューできなかったのだろうか。
 取材を通して異様に感じるモビーン。リュウは自覚なくグルーミングされる被害に遭っている。そして加害者に、敬意も愛情も持っている。

 巷の人々は言う。死んだ人のことを蒸し返すのはやめたい。性マイノリティーなのに頑張っててすごいなど。しかし問題は、子供への搾取だ。ジュニアだけじゃない、日本人が皆でジャニー喜多川を守っている。果たしてこれは文化の違いなのか。

 最後のジュニア 現在大阪でホストをしているいわゆる辞めジュの吉岡廉。母親の影響でジャニーズに入ったという。セクハラについては、正直めっちゃ悪いとは思わん。両者とも責めれんかなあという。そして、もし求められれば受け入れると思う、らしい。
 あれほど前向きにキャスティングカウチの話をされたのは初めてだと驚くモビーン。彼が正直すぎて、なんか引いたようだ。

 そして本丸ジャニーズ本社に乗り込む。ほぼ誰とも、喋れず怒り心頭のモビーン。日本人ならば、そうだろうなと理解する対応だ。神や王の扱いなのだから。
 ドキュメンタリーはここまで、恥ずべきだ無責任だというまでだった。
この程度か、これまでの裁判や書籍で何度か見た風景だった。だが、不思議と何かが変わっていくような予感がしている。

私は日本人論が好きだ。ジャニー喜多川を受け入れたことは日本そのものという淳也の言葉が気になっている。


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