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【相談回答】漫画家になりたいあなたへ

このようなマシュマロをいただいた。

こんな大切な相談を140文字で回答してあげられる文章スキルが私にはないので記事にさせていただきました。すみませぬ。

マロ主さん(マシュマロをくださった方をこう呼ぶみたいなので、引用させてもらいますね)のお悩みは
・恥ずかしくてお話が作れない
・考えれば考えるほど迷走する
・引き出しのなさに絶望する
・自分がつまらない人間に思えてくる
ですね

そして春日への質問は
・小説を書くときはどうやっていますか?
・初めて小説書いたときはどんな気持ちで書いてましたか?
ですね

最初にお断りしておきますが、私のアドバイス(?)を見習っても、優れた漫画家になれる保証はありません。同時に優れた小説家にもなれないかもしれません。コミカライズ原作のコンテストで賞をいただけるくらい、になれるかもです(笑)

なので、こんなこと思っている人もいるんだなー、という気持ちで、あくまでご参考に聞いてくださいね。「私はそう思わない」という部分は遠慮なく読み飛ばしてください。

それを踏まえて、私が思うところをお話します。

◆物語を作るとき、どんな気持ちか?

まずこれは漫画、小説に限らず、物語を作る全ての人に言えることですが、物語を作るという行為は、その世界の神になることだと私は考えています。その世界がどんな世界であっても、あなたの作った世界はあなただけのもので、あなたが全て決めた世界なので誰にも否定されないし、誰にも文句を言う権利はないのです。だからこそ、誰のために作るかを明確にして、できればそれは『あなたが自分のために作る世界』であることが望ましいです。(これはのちに同人か商業か、にも関わってきます)

マロ主さんが物語を描くとき、すなわちその世界を作るときに恥ずかしいという感情はどこか来るものでしょうか? 確かに人の目を気にすれば、恥ずかしいという感情は生まれるかもしれませんね。けど最初に書いたとおり、あなたの世界はあなたのものなので、あなたが満足できていればそれで成立しています。誰かが、あなたの物語を否定するとしたら、それはその人には合わなかっただけであって、あなたの物語が悪いわけではありません。(この発想はのちに書き続けていく原動力になるので覚えておいてください)
なので、恥じる必要はないのです。堂々としていましょう。

◆うまく書けないのは、なぜだろうか?

マロ主さんが迷走してしまったり、引き出しが足らないと思うのは、自分の目指している理想の物語、すなわちゴールがちゃんとあるはずなのに、そこに至らない不甲斐なさを感じている。それができない自分がつまらない人間に思えてしまうんですね。結論を言いますと、物語を作る人間は、これがずっと続きます(笑)むしろ、こう考えなくなった人の作品はそこで成長が止まることを意味します。もしくはよほどの感覚を持ち合わせている天才でない限り、ずっと自分は不甲斐ねぇなと思い続けます。
大事なのは、みんなそうだから心配しなくて大丈夫、ではなく、その気持ちとうまく向き合えるかどうかで、物語を作り続けていけるか、が決まっていきます。
迷走する理由はなぜか、それは最初の設定やプロットの詰めが足らないこと、描きたいエピソードが多く詰まっていて取捨選択されていないこと、魅せる順番が良くないこと、など、いくつか原因は考えられるのですが、それも多くの物語を書き、誰かに指摘を受けたり、時間が経過して読み直すと気づいたりするので、解決方法も様々です。
うまくいかないと凹むこともあります。でも逆にいい表現が見つかったり、書き直したらうまくいったりして、そうした小さな積み重ねが自信になるし、楽しさになるのです。
うまく書けないと思うことはマイナスの考えではなく、あくまで現状把握、自分の今を知っただけのことです。じゃあどうすればうまく書けるのか、と考えたときに努力するか、それとも、立ち止まってやめてしまうか、それを選ぶのもあなた自身です。
どんな自分になりたいか、どんな書き手になりたいか、も明確にしておくと、努力する方向性も見えてくると思います。
あと引き出しがない、についてはもっと本を読みましょう、映画やドラマ観ましょう、好きなものだけではなく、あらゆるジャンルのものがいいです。ただ、作品を楽しむだけじゃなくて、分析をしましょう。なぜこの作品が人気なのか、逆になぜ人気がないのか、どうして自分はこの作品が好きなのか、どの部分がよかったのか、なぜイマイチだったのか、どうなれば面白いと感じただろうか。その分析結果があなたの引き出しになります。
引き出しが多いと、自分が描く物語の中で主人公が進む道が多様化し、選択肢が増えます。

そしてうまく書けないからダメな人間ではないのです。むしろ「この程度で満足しない私はすごい。かっこいい」とナルシストな自分になるくらいが、ちょうどいいですよ。

◆目指す姿、目標とする人物は必ず作る

これは日頃から意識した方がいいです。できれば漫画家さんで、コミックを出してる、電子で活躍してる、好きなジャンルで活動している、アニメ化してる、連載してる、とにかく、ああなりたいと思える存在。その目標とする人の活動が同人活動なのか、商業活動なのか、で自分の目指す方向性は変わってきます。

ちなみに
前者は「誰に何かを言われることなく、自分が作りたい物語を描いていきたい」
後者は「出版社の人たちと協力して、多くの人に読まれる物語を描いていきたい」
が目的になると思います。
なりたい自分になるため、自分が満足する作品を作るため、どちらの努力も大変ではあっても、楽しいものでなくてはいけません。続かないから。
これでマロ主さんの悩みは少し解消できたでしょうか。

◆春日すももの場合

私は小説を書くとき、とてもワクワクしています。私が神だ、フハハハハー!っていう気持ちです(いや、本当にw)
どんな世界を作ろうか、どんな人たちを生み出そうか、を考えるのが、楽しくて仕方ないです。設定とプロットの時間はめちゃ長くとります。詰まったら今じゃないと判断して考えるのをやめます。三日くらい放置するとちゃんと浮かぶんで!
これ、初めてオリジナル小説を書いたときと今でも、変わらない感情ですね。あとは自分が満足した世界が、どれだけの人に受け入れてもらえるか、がちょこっと心配になる。それだけです。投稿サイトにアップしても反応がなければ大衆向きじゃなかったと思うだけです。作品が悪いわけじゃありません。なぜなら私がこの作品が好きだから、それでいいのです。

物語を作るときに大事なことは、自分が好きだと思う作品を作ることです。周囲が好きじゃなくても自分が好きであればいい。自分だけがこの作品のファンであればいい。商業作家が大変なのは、自分+大衆向き=売上として現れる作品を作らなければいけないことですね。

◆最後にマロ主さんへ

物語を作ることをもっと楽しんでくださいね。
描きたいもの浮かんだら、忘れないうちにすぐに行動してみましょう。
少なくともマロ主さんの文章は、読む相手を不快にさせない気遣いがあって、お優しい人柄が溢れていました。きっとあなたの作る世界は魅力的な世界のような気がします。応援しています

追伸
有名な漫画家さんになったら「今の私があるのは、春日すももさんのおかげです」と言ってください(笑)

追記:お返事をいただきました(5/14)


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