見出し画像

見えない魅力の引き出し方 - CXO Night #4 イベントレポート

見えない魅力の引き出し方 - CXO Night #4 」 に参加しました。イベントレポートnote枠で参加したということもあり、責任を持ってレポートを書きたいと思います。

実は、過去開催されたCXO NightをSNS経由で拝見していて、いつか行ってみたいと思って名古屋から参加しました。この4月から自社で制作しているWebプロダクト専属のデザイナーへ職種変更し、私としてはビジュアルデザインではなくユーザー体験の向上やそのための設計をどのように行われているのか気になったため参加しました。

当日のイベントの様子がわかる動画が公開されておりますので、会場に来られなかった方はこちらを。

すでにたくさんの詳細なレポート記事が書かれているため、このレポートでは私が興味のあるところにフォーカスしてピックアップしていきます。

コスメアプリ 「LIPS」 の誕生からリニューアルまで

登壇者
・AppBrew 松井 友里さん
・TKY+N LAB & DESIGN タカヤ・オオタさん
・Tondemo Design 池田 大季さん
・FOLIO 広野 萌さん(モデレート)

まずリニューアルのお話しを聞いたLIPSとは、AppBrew 松井 友里さんが運営しているコスメクチコミサービスのことです。池田さんがUIデザインを担当し、分担としてはタカヤさんがVIに関わるロゴやテーマカラーなどを担当されています。

LIPSのリニューアルについては、松井さんが記事も書かれています。

この対談では、事前に募集されていた質問を答えていく形で進んでいきました。

Q. コンセプトメイク段階からリニューアルまでどういった思想で作ったのか?
松井さんは自分の体験から、好きな人たちがTwitterやInstagramでオススメしているコスメを欲しくなったけれど、ちょっと不便なところを感じていたんだそう。そこで、コスメの分野ではパソコンではなくスマホで更新するサービス枠が空いていたに気づきサービスを作ったんだそうです。

LIPSでは、若い人をターゲットにデザインしていたけれど、現状はおもちゃみたいな色を採用していたけれどマネタイズを考えたときにターゲットを広めようと考え、リニューアルに踏み切ったとか。

Q. CIでデザイン時に最重視した事やタカヤさんとの仕事の進め方を聞きたいです
A. 担当する前からファンがいた。既存ユーザーが「これは嫌いだ」と思うのではなく「もっと好きになってもらう」「新しい層(20代)も開拓していく」事を意識した。
最初から洗練させすぎると、10代の子達が離れていってしまう。

タカヤさん:ロゴ制作時にはどうファンを大事にするのか?を考えた。自信がなかったので、1点だけ鹿以外のモチーフも見せて反応をみた。「鹿がいい」となってからは、次の打ち合わせでいろんな顔の鹿を作って決まった。

タカヤさんのロゴ制作については以下の記事にまとめられています。

Q. 愛されるサービスに成長させるために社内で工夫していること、やらないと決めていること
A. スタートアップで再現性を見つけて何か進めているところはないんじゃないかなと思う。データを取るのも時間がかかるし、コストがかかる。毎週データ分析するのもリソースが取りくい。
特定のペルソナのために機能を作っていない。行動を見るのが一番正確だと思っている。
ユーザーインタビューを一時期やっていたけれど、どう生かすかが難しい。実際にやったことは、退会するときにインタビューしたり、1時間くらいもらって実際に触ってるところを見せてもらって謝礼をあげる。参考程度に行なっている。

Q. なぜ有料モニターとYouTuberを広報手段として選んだのか?
A. Facebook広告やInstagramerなどにもお願いしていた。コスパが良くなかった。スタートアップだったので、めちゃくちゃコスパのいい経路を探して、試した。当時はコスパが良かった。

Q. 自分のデザインの寿命を考えたことはありますか?
A. CIなどはそのサービスが生きているうちの事を意識する。サービスに関してはユーザーが変わる、ブランドイメージが変わるまではしっかり持つように作るようにしている。生き残れるような軸を持って作る。
全く新しくするとブランドの資産がなくなってしまう。時代によって使えなくなってしまったと思う部分があれば、その部分だけ削ぎ落とす。

見えない魅力の引き出し方

登壇者
・ウツワ 代表取締役 ハヤカワ五味さん
・HOTEL SHE, プロデューサー 龍崎翔子さん
・Basecamp CEO 坪田 朋さん(モデレート)

全体的にハヤカワさんと龍崎さんの仲が良く、二人がカフェで行なっている雑談を聞いている感覚でした。坪田さんの穏やかな進行もとてもよかったです。伝えるためのコツを難しそうなところまで言語化されていて、実際に参考にしていきたいところがいくつかありました。

ハヤカワ五味さんは23歳の経営者で、女性向けランジェリーブランドやワンピースブランドを持つ。高校生3万円のお年玉でタイツを作ったことから資金を得て、今年年商6500万になるんだそう。どんなことをされているのか気になる方はハヤカワさんのTwitterのモーメントをみるとわかりやすいと思います。

龍崎翔子さんも23歳の経営者でHOTEL SHE,を経営する。最近ではセブンルールという番組に出演されたそう。テレビ番組出演後に書かれている龍崎さんの記事はこちら。

・ホテルを利用しても「よかった」ってなかなか人には言わない。「豪華なプール」、「豪華な食事」みたいに人に言いたくなる仕掛けを作る。意外性と分かりやすさが大事。いいところに直結しなくても、説明するものがあると広まりやすい(例:「いいホテルだったよ。全部の部屋にレコードプレーヤーがあってね」)。お客さんが他の人に説明しやすいようにするのがブランドマネジメントのミソ。
1回見ても、10回見ても面白いものを。ディテールを読み解いていく楽しさ、気づきにくい人にもわかりやすいもの、初めての人もわかりやすい良さ。間口が広くて、かつ深く。
・ホテルに泊まるならその土地の雰囲気を味わいたい。なので、地元の人にも通ってもらえるように建物には「ホテル」って書いてない。泊まるって人以外にホテルってわかってもらわなくていい。ホテルのカフェは入りにくいので、地元の人も入りやすいように。
・ホテルの完成ではないけど、イメージとして有名なモデルさんを起用して未完成前に広告を行なった。
・日本人は「遊びに行く」って言いにくい。会社の方達にも言えるように。

動線作りについて
・宿泊だけじゃなくて飲食店・宴会・お土産。ホテル的に利益が上がっても街がどんどん枯れていくと、エリア的に価値が下がっていく
・「一通りみたからいいかな」って思うとリピーターが少なくなる。お客さんが掘りたくなるように
・ホテル経営者としてホテルに帰ってから外に出て欲しいけど、なかなか難しい。そこで、「服」に問題があると仮説し、パジャマは外に出ても恥ずかしくないようなものを開発した。

一緒に働くメンバーについて
メンバーのバイブスを合わせておくと、少しのチューニングで済む。
・同じ感覚値の会う人を採用する。

Q.今実現したいことはなんですか?
A.
龍崎さん:ホテルを始めたきっかけは「いっぱいあるけど選択肢がない」から。これはホテル以外にも当てはまること。選択肢が増えるようなきっかけ作り。人のアイデンティティは選ぶときに決まるので、自分自身を形作る上で大切。

ハヤカワさん:
コンプレックスを薄くしていきたい。社会からこうあった方がいいと思われてることとのギャップがコンプレックスを生む

Q. インサイトなどの情報を得るときの「ここまで」っていう限度は?
A.
龍崎さん:そのエリアに住んでいる方にきく。たまに行く人にも聞く。大阪の人にも聞く。絞らず、多面的に聞く。
Twitterはいい。早い。Twitterの人たちはわがままで本当に本音。
Pinterestはお客さんが考える理想像。理想像を知って、どう落とし込んで行くかを考える。
誰かに刺さればOKじゃない?っていう考え方でいる。独自の考え方している人ってなかなかいない。

ハヤカワさん:
私のTwitterのフォロワーは質が高い。これあってるかな?って思ったことはレスが早く入ってくる場所で反応を見てみる。

TechPlayの会場

これがお話にも出されていた、「ディテールを読み解いていく楽しさ」というか、つい人に言いたくなる仕掛けの1つなのかなと思いました。

実はすごく会場の天井が気になっていて。中には白いタイルもあるのに換気扇の羽まで緑に塗る必要があったのかと見ていたら、自分の席から離れた時に気づいたのですが天井に「TP」って書かれていたんですね。

CXO Night楽しかったです!関係者のみなさま、当日お話していただいた方々、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?