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【かすみを食べて生きる 12 一般病棟⑧ 】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録

脳梗塞 発症10日目:一般病棟8日目
・食事:飲み込みができないため絶飲食。鼻からの経管栄養と点滴での水分栄養を併用。
・状態:日中、車いすで看護師付き添いでトイレ可。嚥下訓練は難航中。

昨日経鼻栄養がスタート。久々に胃が満たされる感覚を得るもひどい眠気に襲われた。
入院して10日経過。疲れがきた。

<発症9日目:一般病棟⑦   
発症11日目:一般病棟⑨>


まだ飲めない

経鼻栄養による満腹感で、昨晩は入院後一番よく眠れた。
しかし朝から微熱。
経鼻栄養が始まれば元気になると思っていたのに、身体がシャキッとしない。
ここまで何とかしなければとテンションを上げ続けてきたが、今日はひどく疲れを感じる。
朝食後、熱が38度まで上がったので、今日のリハビリは言語聴覚士さんだけ。
入院して10日。水くらいは飲めるようになっていたかった。
飲んではむせて、むせては飲んでの嚥下訓練はしんどい。
ここまでくると思うことは、子どものことではなくなり、ただひとつとなってきた。
「お水が飲みたい。ごくごく飲みたい。好きなだけ飲みたい」
嚥下中枢、頼むから仕事をしてほしい。

友人に送ったLINE

テレビ、スマホは見れない

一般的に入院でベッド上安静の際、何をするか。
テレビを見たり、スマホを見たりが多いのではなかろうか。
でもそれは私の現状では大きな落とし穴がある。
テレビ、スマホは「食べ物の情報」が多すぎる。
この状況になるまで気づかなかった。
テレビではすぐにグルメ情報やピザのCMが流れるし、SNSではおいしそうなスイーツの画像が流れてくる。
ラジオまでも食べものの話をしてくる。
食べることができないものにとっては苦痛でしかない。
友人が癒されるパンダ動画を見てみたらと言ってくれたが、丁重に断った。
パンダ、あいつら笹をバリバリ食ってふくふくとしている。
今ならパンダにも嫉妬できる。

ただひとつNHKの大河ドラマだけは、始まる時間にテレビをつけて終わると同時に切れば、ダメージを受けるほどの食べ物の情報には会わない。
この年の大河は好きな脚本家さんの作品で、入院時の数少ない楽しみの一つだった。

仕事はできない

脳梗塞発症当時、私は以前働いていた職場から仕事をもらっていて、手元に受注中の仕事があった。
パソコン作業だったのでなんとかベッド上で対応できないかと考えてきたが、ぎりぎり生きている状況で仕事をするのは無理があった。
発症翌日に夫から上司に状況連絡をしておいてもらい、メールをできるようになった段階でこのまま仕事を引き受け続けることが難しいという、謝罪の連絡を入れた。
「気にせず今は回復に力を注いでください」
との返事をいただいた。
やりたくて自分から提案した仕事を、なすすべなくお返しする形となった。申し訳ない。くやしい。
今はまた仕事ができるイメージは全くわかないけど、やりかけていた仕事の落とし前はいつかつけに行きたい。


ーーー振り返って

完全に「一回休み」のマスにとまった感じの一日でした。
胃腸で消化するということが、思っていた以上にパワーを使うようでした。
ぐったりして、気持ちも少し落ち込みました。

栄養剤を経腸栄養ポンプでゆっくりと入れているおかげで、腹痛は回避できていた気がします。
この経鼻栄養ポンプにつながれた状態は身動きがとりにくく、時間もかかるので、食事中の過ごし方を考えていきたいなと思っていました。


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