見出し画像

尺八界あんな人こんな人☆『貴風会』の演奏を聴きにいくの巻

井の中の蛙、尺八海しゃくはちかいならぬ、尺八界しゃくはちかいという大海を覗いてみる。

『尺八界あんな人こんな人』シリーズ其の五、今回は三橋貴風氏の巻。

先日、貴風会の演奏会に行ってきたのです。


三橋貴風氏といえば、尺八界の重鎮といったイメージ。近所の図書館にも貸出CDの邦楽コーナーに、彼のアルバムが置いてあったりします。


この「貴風会」を知ったのは、尺八愛好家の中国の知人から。

彼に尺八を手放したいという私の知人を紹介して、さらに中国人の彼がその尺八を彼の知人に紹介した、という経緯で、彼の知人が貴風会の人であったということです。

ということで、8月6日の築地本願寺のホールで貴風会の演奏会に彼が出演されるので、私と私が紹介した知人が招待されたのです。

ちょっとややこしいですが、中国からやってくる彼と、彼の先生である三橋貴風氏の演奏を聞きに行きました。


この演奏会の内容は、貴風会の生徒さんの演奏を披露する内々の発表会といった感じ。「おさらい会」ですね。

皆さん、バッチリ紋付袴で赤毛氈にスポットライトを浴びての演奏。さすが三橋貴風氏の門下の演奏会だけあるなぁと、それだけでも感服。

いつもの公民館でやっているうちの古典尺八楽愛好会の内々の発表会とは…
くらべないくらべない笑 



なによりも、

その中国人の方の演奏がとても素晴らしかった。
よほど鍛錬されただろうなと思わせる演奏。


その他3名ほどの中国人の方々の演奏も、全員素晴らしかった。

衣装も中国の民族衣装を着ている方が二名ほど。
カッコいいんですわ、それがまた。

特に虚無僧尺八には絶対、紋付袴よりこっちのほうが断然いいと内心思いました。


今、中国で尺八流行ってるって聞きますが、こうして実力派もどんどん生まれているわけですね。

そうかー、そういうことかー。



そして、

ここからがいい話なんです。

終演間近になり、中国人の彼から私のスマホに連絡が入りました。

今回演奏された、その知人の知人の中国人の方は日本語が話せないので、翻訳機能のあるWeChatという中国のSNSで連絡を取り合っていたのです。(私も勿論中国語は話せません💦)


「帰らないで待ってください。まだ仏前献奏があります。」

ステージ演奏終演後、築地本願寺の本堂にて献奏があるとのこと。


それは、私も献奏を聞かせてもらわねば。



さらに、

三橋貴風氏が演奏後ステージで話したお話が心に刺さりました。

刺さったということだけが鮮明に記憶に残っているだけで詳しいことがうろ覚え…。


虚無僧は供養のために尺八を吹いたのだ、というお話。
うーん、これでは刺さらない...。



と、

HPにちゃんと書いてありました。


古くから、尺八の存在性とは世の中すべてのものに対する 御供養の精神に立脚していると考えております。 この心こそが尺八の普遍(不変・不偏)性なのでしょう。



世の中のすべてのものに対するご供養の精神に立脚。


偶然にもこの日は8月6日。
供養のために尺八を吹く日ではないですか。

そりゃ参加せねばです。

貴風会の皆さんと一緒に、本堂の方へゾロゾロと移動。


3曲ほど献奏がありました。

皆さんの献奏を聞いていて、またさらに感動したのは、ここに中国人の方々が参加しているということです。


なんと、

こんな日がやってきているんですね。



別に若者である当人たちはそんなに深いことは考えてもいないかも知れませんが、私はとてもとても感慨深かった。


献奏してくれてありがとうと心から感謝しました。

そして、三橋貴風氏の偉大さを改めて思い知ったのでした。

まさに日本と中国の架けはしというやつですね。

さすが、三はしさんなだけある。



そんな貴風氏は6月の虚無僧研究会にも出席されておりました。

右端の方です↗


きっと気さくな方なんだろうと想像します。



今後も日本、中国と、尺八の世界をますます広げていってくださることを井戸の中からこっそり眺めております。



そして私も御供養の精神を改めて心に刻み、虚無僧活動に精を出したいと思ったのでした。感謝です🙏


〈おわり〉



★尺八界、あんな人こんな人シリーズは、私が見たり聞いたりしたことを、ただ勝手気ままに書いているだけですので、細かい事はご容赦下さいませ🙏


古典本曲普及の為に、日々尺八史探究と地道な虚無僧活動をしております。サポートしていただけたら嬉しいです🙇