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子育てと仕事とシナジー効果と

私には、3歳の娘と0歳8ヵ月の息子がいますが、これまで子育てをしてきた中で、頻繁に感じることがあります。
それは「子育てって、仕事のやり方に通じるものがある」ということ。

っていうか、かなりシナジー(相乗)効果があるんじゃないか?と感じています。

スポーツや音楽など、他の分野でも同じように感じたことがありますが、子育ては特に感じます。
幸いにして、公務員は民間企業に比べれば、子育てしやすい環境にあると思いますし、これだけ「子どもを増やそう!」とか「子育て環境の充実を!」とか言われている中で、行政が率先して実現しようとしないようでは、到底民間企業には波及しないのではないでしょうか?
クールビズもかつて、導入当初は半袖やノーネクタイ姿の公務員が笑いものにされていたような記憶がありますが(記憶違いでしたらごめんなさい)、今では当たり前になっています。

私は娘が生まれた時に、1ヵ月程、育休を取得しました。
その時にまず感じたことがあります。

子どもが何を求めて、泣いたり怒ったり声を出したりしているのかが分かるのは、親だから分かるのではなく、一緒にいて何度も聞いているうちに分かるようになるのだ、ということ。

まだ私に子どもがいなかった頃に、窓口に1歳くらいの子どもを連れたお母さんが来ました。
その子が何かを見て「ギギヂャ、ギギヂャ」と言っていました。(私にはそう聞こえました)
しかし、お母さんはにっこり笑って「ホントだ、キティちゃんがいるねぇ」と言ったのです。
私は「キティちゃんだったのかー!?お母さんスゲー!」と心の中で叫びました。
しかし、きっとそのお母さんだって最初は「?」だったと思うのです。
その「?」を何度も繰り返すうちに少しずつ分かるようになったはずなのです。

つまり、「観察→分析→仮説→検証→考察」そしてまた観察・・・というループを何度も繰り返すことによって、子どもの求めているものが分かるようになったということです。
これは、まさにOODAループですよね。

Observe (観察)
Orient (状況判断、方向づけ)
Decide(意思決定)
Act (行動)

行政に限らずですが、世の中の多くの人は購入した商品や受けているサービスなどに対して、特に不満が無ければ文句も言わないし、わざわざ感謝の言葉を言ったりもしません。
いわゆるサイレントマジョリティと呼ばれる人たちです。
そういう人たちのニーズや意見を把握するためには、ニュースやSNSあるいは現場に行くなどして情報を収集してみたり、利用状況を調べたりアンケートを取ったりなど、普段からよく観察・分析するしかないと思います。
それによって、仮説(状況判断、方向づけ)が生まれ、それを検証するために意思決定し行動し、その結果をまた観察・分析するという流れになります。

言葉をしゃべれない赤ちゃんやうまく自分の意思を伝えられない幼児などの気持ちを察することは、サイレントマジョリティの想いを汲み取る訓練になるのではないでしょうか。


また、最近いろいろな場面で「なんで?なんで?」攻撃をしてくるようになった3歳の娘に対して、すべての質問に回答をするのではなく、「なんでだと思う?」と聞き返すようにしています。
ただし、こちらの心と時間に余裕がある時に限りますが(苦笑)
すると、「う~ん、○○○だからじゃない?」と自分なりに考えて答えてきます。
もちろん、すぐに「わかんない」と言ってくる時もありますが、意外と考えていて的を得たことを言う時もあるし、想定外の答えが返ってくることもあったりして面白いのです。

これって、何かに似ていると思いませんか?

メンタルヘルスやマネジメント力向上の研修などで上司が部下に接する際の注意点として、「質問力を高めて、オープンクエスチョンで対話しましょう」と言われたことを私は思い出しました。

「できる?」や「した?」というようなYesかNoで答えるクローズドクエスチョンではなく、「どう思う?」や「どうしたらいいと思う?」といった、相手が自由に考え答えることのできるオープンクエスチョンの方がやる気や気づきを与えられる、という人材育成の視点です。

こんなことからも、子育てと仕事の共通点を感じています。

他にも、子どもといると不測の事態が同時多発することもしばしばです。
子どもが複数人いれば尚更です。
そういう状況に効率よく、臨機応変に対処することは、多動力を鍛える訓練にもなっていたりします。

仕事で学んだ知識やスキルを仕事で活用するのはもちろんですが、子育てのようにプライベートでも応用できることは意外とあると気づきました。
逆に、プライベートでの経験や学びが、仕事にも活かせることだってたくさんあります。
子育てに限らず、冒頭で述べたスポーツや音楽なども私の経験上、かなり仕事に通じる点が多いと感じています。

したがって、私はあまり仕事とプライベートをきっちり線引きして考える必要はないと思っています。

私という人間は、仕事だけで成り立っている訳でもなければプライベートだけでもない、コインの表と裏のようにどちらも重なり合った、同じ一人の人間なのだと思っていた方が、よりシナジー効果を得やすいと考えています。

以上、何かのご参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。かたじけない。

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