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はじめてのプロボノ 体験記 ~プロジェクト完了編~

最終提案

2019年1月上旬
1月10日の最終提案に向けて、GD(グラフィックデザイナー)がチラシデザインを修正。
修正内容はChatworkでPM(プロジェクトマネージャー)が指示を出し、みんなで確認するという流れ。
細かな言い回しの修正や、ココをもっと目立たせて、文字も少し大きくしてなど微調整をしていきます。
同時にFacebookの作成も進めます。

と、ここで私は身内に不幸があったため、急遽実家へ帰ることになり、最終提案へは参加できませんでした。(気になる方はコチラ「父が遺してくれたもの」をご参照ください。)

2019年1月10日
「制作プラン&ドラフト提案」として最終提案スタート。

1.本提案の位置づけと今後の進め方
 これまでの経過と最終成果物(チラシ)の納品までの流れを確認
2.講習会の目的とメインターゲットの確認
 メインターゲットを障害者の保護者や学校の先生にすることで、障害者水泳の裾野を広げること
3.チラシの構成・基本コンセプトのご提案
 支援先団体の認知度アップのためのチラシと、当初の依頼である講習会の案内チラシの2パターンを作成し、Facebookページも作ること。
 最も伝えたいメッセージ=「水泳はもっと楽しい!」
4.ターゲット別アプローチ方法の確認
 プロボノはチラシを作成するまでのサポートであり、実際にチラシを配るのは支援先団体であるため、ターゲット毎の有効なアプローチ方法をご提案。
 チラシにQRコードを印刷し、Facebookページに誘導するなど。
5.チラシの構成と説明~認知度アップチラシ編~
 支援先団体の想いを知ってもらい、活動に興味を持ってもらう
6.チラシの構成と説明~講習会の案内チラシ編~
 伝えたいメッセージの繰り返しにより想いを届ける

「はじめてのプロボノ体験記~最高のプレゼンとチラシデザイン制作編~」でPMのプレゼンの素晴らしさをお伝えした通り、今回も見事、支援先団体から感謝の言葉をたくさんいただいたようでした。

「ありがとう」、「(こんなに素晴らしい提案をしてくれたんだから)これはやらなきゃね」などのリアクションをいただき、メンバーも感激したようでした。

「(支援先団体のリアクションを目にして)これ程嬉しいものだとは思いませんでした!」
「みんなでやってきたことが認められて嬉しかった」
「私たちが途中で諦めたりせず、中断しない方向で合意形成できたこともいい流れだったと実感した」

ADの離脱!

最終提案も合意していただき、あとは納品に向けてチラシの修正やFacebookページの作成を進めている時でした。
またもや、メンバーに衝撃が走りました!!

これまでプロジェクトの設定からずっと裏で支えてくれていたAD(アカウントディレクター)が会社の人事異動により、大阪へ戻ることになったのです。(単身赴任で東京に来ていたため)

残すは納品のみという段階でしたが、引っ越しの準備などが忙しく、これ以降のプロボノ活動はすべて参加できなくなってしまいました。
本人も最後まで見届けたかったと思いますが、こういう事態が起きることも想定していなければならないということですね。(プロボノに限らずですが)

ADにはメンバー全員が本当に感謝しています。
PMも含めた全メンバーをプロボノ初参加者にするという大決断をし、結果として集まったメンバーがこんなにも素晴らしく、お酒も含めてかなり仲が良くなったのは、ADの「人を見る目」があったという他ありません。
この場を借りて改めて感謝します!

成果物の納品

2019年2月9日
いよいよプロジェクトの終わりです。
ここまで半年間、現場見学からステークホルダーのヒアリング、デザイン制作や提案内容のすり合わせなど、悩みながら積み上げてきた成果をチラシやデータ(Facebookページも含む)という形にして支援先団体へ納品する時です。

ギリギリまで校正確認をしてUSBとプリントアウトしたチラシを用意。
さらに、サプライズとしてメンバー一人一人から支援先団体へメッセージを書き、それもUSBに入れることにしました。

プロジェクトが始まる前から、支援先団体は運営体制の確保に苦労しており、このプロジェクト自体も数回、消滅の危機があったことを、今となっては知っているので、少しでも励みになればと思いPMが提案したのです。
プロボノチームによる支援はこれで区切りを迎えるけど、支援先団体の活動はずっと続くわけですから。
むしろ、これからがまた大変な道のりだと私達も分かっているので、成果物を納品したからハイ終わり!という気持ちにはとてもなれませんでした。

いざ納品という時には、珍しく雪の降る日で、しかも予定していた会議室が使えず、急遽近くの喫茶店に移動することになり、最後の最後までトラブル続きでしたが(笑)、納品した時の支援先団体の会長の嬉しそうな、ホッとしたような、でも少し不安もありそうな、そんな表情が忘れられません。
感謝の言葉をたくさんいただけたのは言うまでもありません。
サービスグラントの事務局にもお礼とお褒めの言葉があったそうです。

HAPPYと書いてあるパンダの袋の中に、USBが入っています。
ちなみに、3月6日に「障害者スポーツ×プロボノ」というトークイベントに出演した際も、会長がこの袋をお守りとして持ってきてくれていました。

感想

終わってみれば、あっという間の半年間でしたが、普段の仕事や生活では非常に得難い、とても貴重な経験となりました。
地域で活動する団体の支援という意味では、公務員の仕事に比較的近いと思っていましたが、支援のアプローチ方法や立ち位置が全く違いました。

通常、行政の支援というと補助金・助成金、あるいは運営支援などが一般的ですが、この場合どうしても「支援する側」と「支援される側」という上下関係になってしまう、あるいは支援が一方通行になってしまいがちです。
しかし、プロボノの場合は支援先の団体は下部組織でもなければお客様でもなく“パートナー”であるということ。
スキルや専門知識を持つ者から持たざる者への一方的な支援ではなく、異なる領域のプロフェッショナル同士の対話であるということ。
「はじめてのプロボノ 体験記 ~プロジェクトスタート編~」より)
この認識の有無が最も大きな違いでした。

そして何より、業種も職種も勤務地もバラバラな人達と同じチームでプロジェクトを行うということが新たな気づきの連続で、楽しくて仕方ありませんでした。
GDの話がとても印象的で、私の想いと重なっていたので少しご紹介します。

デザイナーである彼は、普段は営業担当者が聞き取った顧客の要望を基に仕事(デザイン)するという状況でしたが、自分が直接顧客の話を聞けないため営業担当者の話から想像して仕事するしかなかった。
顧客のニーズも見えず、成果物に対する反応も直接見ることができないという状況に悩んでいたそうです。
だから、プロボノを通して現場の(依頼者の)生の反応を見てみたかったと言っていました。

私の場合は、逆に営業担当者に要望する側だったので、彼のようなデザイナーやエンジニアの方がどの様に仕事をするのかを前から知りたかったのです。(あわよくばスキルも覚えたかった)
立場は逆ですが全く同じ想いを持っていたのだと共感したことを覚えています。

他にも、たくさんの人との出会い自分の知らなかった世界を知れること、価値観の違い仕事(プロジェクト)の進め方の違い使ったことのないツールを使う機会など、新たな気づきや経験がたくさんありました。
今まで持つことのなかった新たな視点を持てたことは、これからの仕事や生活にも大きな影響があるでしょう。
その意味でも、今回のプロボノ体験は私のこれからを豊かにしてくれるものと思っています。
「外に出るという効用」にも書いてありますので、ご参照ください。)

以上、拙い文章で恐縮でしたが、私の「はじめてのプロボノ 体験記」は終了です。

もしお時間とご興味のある方は、「渋谷のプロボノ部」もご覧ください。
今回のプロジェクトチームでラジオ出演した際の音声が視聴できます。
前半は緊張気味ですが(笑)、中盤以降はチームメンバーの雰囲気が伝わると思いますので、「プロボノに興味があるけど、どんな人達が参加しているのか不安」という方は参考になるかもしれません。

最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました!

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