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徹底解説!腱鞘炎・バネ指を病態から評価、筋膜アプローチまで解説!

年内最後の記事は超ボリュームで腱鞘炎・バネ指を解説します!

腱鞘炎・バネ指の病態


腱鞘炎は指の使い過ぎなどによってMP関節手掌側で生じます。
使い過ぎと言っても、個人差があるのでこれだけが原因では無いと思っています。
腱の通過障害を狭窄性腱鞘炎、腱や腱鞘の肥厚によって腱の通過障害を生じて、さらに手指の屈伸運動で弾発現象が生じるものをばね指といいます。

シンプルに屈筋腱を車、靭帯性腱鞘のトンネルに例えると……
▼正常時


▼屈筋腱が肥大


車が大きくなると、トンネルが通りにくいイメージです。
▼靭帯性腱鞘が肥厚

トンネルが狭くなると、車が通りにくくなるイメージです。
▼屈筋腱が肥大して、靭帯性腱鞘が肥厚


車もでかくなって、トンネルが狭くなればめちゃくちゃ通りにくいですよね。
このように、車で例えた腱が通過障害が起こすと、より腱鞘炎(ばね指)が悪化します。
そして、バネ指はいわゆるA1プーリー(説明はこの後の解剖でします!)の部分でひかっかることが多いですね。

みなさんが普段治療している患者も、言わないだけでバネ指だった、ということはあると思います。
膝の痛みで来店された方が、他の痛みを聞いたらがっつりひっかかるバネ指だったこともあります。
主訴が膝の痛みだったのでこの方は、まず膝から介入しましたが、膝が良くなった後はバネ指にも介入しました。
なので、リハオーダーはでることは少ないけど、悩んでいる人が多い疾患の一つだと思います。
リハオーダーが出ない理由には、簡単にopeができることも影響していると思います。
僕が以前所属していた病院でも、バネ指はほとんど手術になっていてたのでリハオーダーは出ませんでした。

腱鞘炎は手関節掌側で起きる腱の通過障害、屈伸運動で弾発現象が生じのがバネ指

経験上、病院ではリハオーダーが出ることが少ない?(個人談)

腱鞘炎・バネ指に関わる解剖

腱鞘は、内側の滑膜性腱鞘とその外側にある靱帯性腱鞘から構成され、手指の屈曲・伸展運動の際に屈筋腱が骨から浮き上がるのを防止しています。
正常な靱帯性腱鞘に内側は滑走層としての働きがあるため、腱の滑走効率を良くする働きもあります。
靱帯性腱鞘は滑車(プーリー)ともよばれ、示指〜小指の靱帯性腱鞘は比較的厚い4つの輪状靱帯と、比較的薄く線維が交差している3つの十字靱帯から、母指の屈筋腱腱鞘は2つの輪状靱帯と1つの十字靱帯から構成されています。
A1プーリーはちょうどMP関節直上にあります。

さきほど、チラッとお話ししたようにバネ指はこのA1プーリーで引っかかる人が多いです。
A1プーリーの両側には指動脈と指神経が存在するため、患部を施術をする時は注意が必要です。
といっても、腱鞘炎やバネ指の方はA1プーリーに圧痛があることも多く、この部位を治療や施術の第一選択にすることは少ないというのが臨床での印象です。


腱鞘炎・バネ指の有病率

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