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Euro Basketball Academy LEAGUEの歴史。担当者は詩人。

【Euro Basketball Academy LEAGUEの歴史】

3、Euro Basketball Academyについて

◇誕生の経緯

世代別、レベル別のリーグ戦は、エルトラック代表の鈴木良和氏が欧州各国(スペイン、イタリアなど)へ視察をした経験や、現地のコーチと情報交換をする中で着想したアイデアであるという。日本の育成世代を取り巻く環境を語る中、育成世代の試合がトーナメント形式である事に疑問を持たれる事が多かったという。少ないチームは、年間での公式戦は3試合。また、学校単位での大会参加がほとんどである為、下級生時代には観客席で応援をしたり、ベンチで時間を過ごす事も多い。

欧州では、競技レベルに関わらず、リーグ戦を通じたある程度の試合数が保証される文化がある。また、場合によってはU-13、U-14、U-15と年代別のチームがあり、かつ、各チームで定員を12名を定めて運営している国や地域もあったという。各選手が競技レベルや本人の意欲に応じたチームに所属してバスケットボールに励む為、様々な競技キャリアに対応できることも可能である。

仮に、小学5年生のシーズンからバスケットボールを始めた選手がいるとする。ミニバス、中学、高校3年生までの部活動の中、いわゆる「自分たちの代」は限られる。特別に上手い選手で無い場合、試合出場に絡めるのは小6、中3、高校3年シーズンの3年間のみだ。

勿論、応援や、下積み時代を通じて学ぶ事もある。規律を学ぶ事や、チームを応援する事、事がある事も理解をしている。少ないチャンスのモノにして、活躍の場を広げていく為のハングリー精神も磨くこともできるかもしれない。しかし、欧州の競技環境と比べた場合、チームの中心としてバスケットボールの練習や公式戦に関わった絶対的な時間数に大きな差が出る。

そのような中、従来であれば試合出場の機会を得られない選手に対し、対外試合の経験を積める環境創りを着想するようになった。

発足時から数年前までは、リーグ戦文化の重要性」の理念に賛同する方々と共に、力を合わせて運営をされていたという。参加チームの中で理事を決め、参加チームを募り、会場などを調整して運営されてきた。

◇Euro Basketball Academy LEAGUEの名称について

Euro Basketball Academy LEAGUEという名称は、日本バスケット界とも関係の深いトーステン・ロイブル氏に由来する。同氏は、日本や欧州(ドイツ、チェコ、欧州各国)で展開するバスケットボール指導についてEuro Basketball Academyというプロジェクト名を掲げている。エルトラック社でも、Euro Basketball Academy TOURや、Euro Basketball Academy Campという名称で過去にも同氏と共にプロジェクトで協働していた背景があった。

欧州の競技環境を参考にしたリーグ戦に取り組む構想について話し合う中で、Euro Basketball Academy Leagueという名称でプロジェクトを進める事となった。過去には、リーグ戦参加者を対象としてロイブル氏のクリニックを行った事もある。近年では、より多くの選手に競技機会を提供する為のツールとして3x3の活用についても意見交換を行っているという。

また、会議中に何度も強調された事も追記しておく。この取り組みは、これまでの既存のトーナメント制度や、そこで勝利を掴まれているチームやコーチを否定する意味合いやメッセージは全くない。また、各都道府県で新しく展開されているリーグ戦についても同様だ。規模や競技レベルを競い合って混乱を招くことも意図に無い。あくまでも、埋もれている選手に競技機会を創出するものだ。

<過去のプロジェクトなど>

チェコ遠征、エルトラ内のサイト
https://basketballtutor.com/euro-bba/index.html

海外プロジェクト
https://www.basketballtutor.com/overseas-project/



◇Euro Basketball Academy Coaching Clinic

埼玉県さいたま市を中心に不定期で開催されているEuro Basketball Academy Coaching Clinicと同じプロジェクト名であることは上記の背景がある為である。

4、運営担当

・飯塚祐貴さんの背景

Euro Basketball Academy LEAGUE 2019の運営スタッフとして奮闘するのは飯塚祐貴さん(エルトラック指導員)だ。静岡県三島市で育ち、高校卒業後は大東文化大学に進学。同バスケットボール部にも所属し、Aチームマネージャーなどを経て、BチームHC、AチームのACなどを兼任した経験を持つ。

大学生世代のトップ選手層や、トップを目指す選手と共に多くの時間を過ごしたからこそ、Euro Basketball Academy LEAGUE 2019への取り組みには人一倍の情熱を注いでいる。

対外試合を経験する事を通じたモチベーションアップや、選手としての成長を強く実感している事が主な理由。実際、大東文化大学バスケ部時代には、BチームのHCとしても、社会人チームのコーチや選手とも積極的に交流。その縁が重なり、社会人チームが主催する交流戦などにも積極的に参加。コーチングは勿論ながら、環境整備、関係構築の部分からも選手の成長に寄与できるように行動されていた。

Euro Basketball Academy LEAGUE 2019から新しく導入される「3x3の活用」についても尽力している。「同一チームでの複数ユニットの奨励など、少人数での試合出場をEuroBBAリーグでは推奨しています。しかし、それでも試合出場時間が少なくなってしまう選手もいます。3x3であれば、より多くの選手が中心選手としてにゲームに関われる事に魅力を感じています」と3x3の魅力を語る。

「実際、自分が指導を担当する教室でも、時期や、習得させたいスキルの状況に応じ、積極的に3x3を活用しています。ハーフコート4面を使えるコートであれば、3人一組でチーム編成をしたとして、同時に4試合を実施可能。3人x8チームで、24名の選手が積極的にゲームを経験できます。オフェンスでは、その日に練習したスキルを使ってドライブに挑戦したり、キックアウトパスの実践が出来る。DFでも、on ball DFやclose outの練習が沢山出来ます。トランジションも非常に速いので、攻守の切り替え時のコミュニケーションや、試合と試合の合間のコミュニケーションも経験になるはずです」と効率性の部分からも意義を語る。

勿論、コーチとしては、練習の中で基本的なスペーシングやスキルを入念に教えている。同時に、何よりも、選手が自由にアイデアを持ち、それを誰の邪魔や指示をされずに表現できることに強い魅力を感じている。

「何度も練習で3x3を取り入れる中で、『あるがままの姿になれる』という事に強く魅力を感じています。鬼ごっこや、缶蹴りをするような自然の流れで『プレーしたい子が集まって、純粋に楽しむ』という風景が拡がっています。EuroBBAリーグでも、一人でも多くの選手がバスケットを楽しんでくれたら嬉しい。その為の適切な導入方法を検討しています」。

さて、飯塚氏は1993年生まれの若者だ。

トルネード投法で一世風靡した野茂英雄の近鉄バファローズ時代の活躍や、西武ライオンズの最強外国人選手として活躍したデストラーデ選手の活躍をリアルタイムで見た事がない。

幼い事にはゲーム機器が発達し、子供の外遊びの減少などが懸念された時代でもある。そんな世代の人物が「缶蹴り」や「鬼ごっこ」という極めて牧歌的で、昭和の日本文化の象徴のようなワードを語る事に僅かながら違和感を覚えた。が、その表情からは嘘や創作をしている様子は皆無。

飯塚氏の少年期の原風景として缶蹴りや鬼ごっこは大きな体験の1つなのだろう。もしかすると、初恋の女の子と共に缶蹴りで遊んだ甘酸っぱい想い出もあるのかもしれない。

前回、友人が勤務する理髪店(LOCAL BARBER HIRAKAWA(草加市))に通い続けている事から、「友情や愛情を行動で示すタイプ」と書いた。現代バスケットの権化ともいえる3x3を郷愁感を漂わせる絶妙なワーディングで表現する能力も持つ感性の持ち主だ。ロマンチストであり、詩人なのかもしれない。

LOCAL BARBER HIRAKAWAは、通常のカットに加え、アイロンパーマなど、本格的な髪形にも対応する骨太の理髪店である。飯塚氏も、清潔感や、爽やかさを醸しつつも、見ようによっては非常に本格派の髪形にも見て取れる。

飯塚氏は、実際には平成生まれであるが、古き良き昭和の日本文化を継承する人物である。「1人でも多くの選手に対外試合の機会を創出する」理念は、いわば、新しい時代の価値観ともいえる。古き良き時代の日本社会を知る人物が運営するとあって、頼もしさを感じている。

LOCAL BARBER HIRAKAWA
https://local-barber.jp/

Euro Basketball Academy LEAGUE
https://www.basketballtutor.com/service/euro-basketball-academy-league

「DFのツールを持つ事は重要だ。しかし、勝利へのコンセプトは安易に変えるべきではない」Euro Basketball Academy coaching clinic(2018年6月)レポート
http://goldstandardlabo.com/blog/2019/04/07/post-4089/

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