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ロスジェネはなぜこだわりすぎるのか

買い物自体が好きだ

私は買い物が大好きです。
どれを買おうか悩むのも好きですし、買うものを決めた後にどこが一番安いか探すのも楽しい。

何かが必要になっていざ買おうとなると、それまで全く興味がなかった分野のものでも、ある程度調べてスペックや評判についての情報を集め比較考量してから決めます。間違っても衝動買いはありません。

「時は金なり」が真理であることは重々承知しておりますが、それでも時間を湯水のように使って買い物を楽しんじゃいます。

「いや、そんなの当たり前じゃん」という方は同志です。でも、案外これをやらずに実に鷹揚に買い物をする方も多いものです。正直うらやましい。

なんでこんなにいちいちこだわってしまうのか。

単にケチなだけじゃん、という説が最も有力ですが、自分の行動パターンを考えた時に「結局ロスジェネの悲しさだよなぁ」と思いました。

以下、ロスジェネがこだわってしまう理由をその行動パターンを紐解きながら考えてみます。

そもそもみんな割と貧乏

・少しでも安く買いたい
・そのためいったん家に帰ってネットで価格相場を確認してしまう(そして次に行くと売り切れで悔しい思いをする)
・その反面、大人買いをしたがる

これは完全に幼い頃の経済状況が原因です。もちろん個人差はありますが、総じてロスジェネは子供の時にあまりお金を持っていませんでした。
当時、一般の家庭はまだそれほど豊かではなかったように思います。外食は贅沢。国内旅行はビッグイベント。海外旅行なんてほとんどのクラスメートはしたことがない。そんな時代でした。

総務省家計調査の可処分所得を見てみると、ここ15年ほどはずっと40万円台前半で推移しています。ロスジェネ世代が小学校入学当時の1980年ごろはちょうど30万円。中学校入学当時の1986年で38万円ほど。高校生ぐらいの1990年にようやく近年と同水準の40万円台前半に初めて到達しています。

もちろん物価も違うので単純な比較はできませんが、少なくとも小中学生の頃は慎ましやかな生活をしている家庭が多かったように思います。

だから大人になり自由になるお金ができてからも安さにこだわります。しかし、その反動で逆に大人買いもしたくなります。マンガを全巻揃えるのなんて自分の幼いころは夢でしたが、今は一気に買えちゃいます。一種の復讐ですね笑

当時の究極の憧れは横山光輝『三國志』全60巻一気買いだったなあ…

余談:マンガは試合の巻に限る

マンガで思い出したんですが、全巻揃えられない私がどういう買い方をしていたかというと「ずっと試合をやってる巻を買う」でした。

『プレイボール』や『ドカベン』『キャプテン翼』あたりのスポーツマンガが好きでした。
一番盛り上がるのはもちろん試合のシーンですよね。日常とか練習や合宿の描写なんて小学生の読者からすれば無駄な時間。「いいからさっさと試合しろよ!」ってなもんです。そこに伏線やキャラクター同士の関係性が描かれていることに気づくのは10代も半ばを過ぎてからのことです。

となると一番いいのは1巻まるまる試合の巻。

それを狙って買う私。コスパに対する意識が凄い笑
お金が無ければ知恵を絞る。しかし残念ながら小学生なので浅知恵なのです…

今でも憶えているのが『プレイボール』の17巻を買った時のこと。
作中屈指の名勝負である専修館戦がまるまる続く1冊です。

…残念ながらその巻のうちに決着しませんでした。
それどころか9回裏ツーアウトまで追い込まれた一番いいところで「つづく」というオチ。今にして思えば18巻を買うべきでしたね…専修館戦の決着と谷口2年の夏の終わりですから。

その意味では最高峰は『ドカベン』の31巻ですよね。2年春の選抜甲子園決勝、土佐丸高校戦。1巻通して試合でちゃんと決着まで描かれているし、ページ数も超絶ボリューム。
まあこれは語りだすと余裕でひと記事できてしまうのでこの辺にしておきましょう。

やむをえず一点豪華主義

・趣味など自分の好きなものにはお金を惜しまない

これも幼い頃にお金がなかったからですね。
手持ちの総額が少ないから、幅広く色んなものを押さえることは不可能であり、どこかに集中投下せざるをえません。
となると自分が一番好きなものにドカンといく、これが最も後悔が少ない経済活動になります。

そう、ロスジェネは幼い時からすでに選択と集中の原則を身に着けているのです!

…でも小中学生の趣味なんてコロコロ変わるので結果後悔するのですが。

また、交換レートの高いものに投資する強者もいました。
漫画やファミコンのカセットで、人気があり希少価値の高い=貸し借りのカードとして強いものを持っていれば、それを元手に他の色々のものを借りて楽しめるわけです。
だから、敢えて「ドラクエ」や「ファミスタ」ではなく「ヘラクレスの栄光」を買う、なんていう極めて経済合理性の高い選択をする子もいました。

つまり「バリュー」とは何か、使用価値と交換価値があることを肌で知っているのです。ううむ、子供だからと侮れんな、当時の俺たち。

欲しいのは個性

・他人と同じが嫌
・だから素直に「店員のオススメ」を買えない
・マニアック

とにかく人数が多いので、いとも簡単にモブキャラになってしまえた学生時代。
「オンリーワンになればいい」なんて優しい言葉をかけてくれる時代ではなく、かといってナンバーワンは越えなければいけない相手の数がやたらと多いのでもっと無理。

「自分は褒められて伸びるタイプなんで」なんて言おうものなら鼻で笑われた…というかそんな概念が存在しなかった時代。ということで自分で自分の価値を見出すしか方法がありませんでした。

結果、他人と同じが嫌。ファッションや音楽など、人と違うものを好むようになりました。
人と違うものを求めるとどんどんマニアックになっていきます。「オタク」という言葉が出てきたのも私が小学生の頃でした。市民権を得たのはもっとずっと後の話ですが。

特定の分野に凄く詳しいことによって周囲に一目置かれるのはせいぜい小学生の間ぐらいまで。その先は単なる変人として白い目で見られるようになるのですが、そこまでいくともう自分で認められる自分の価値=拠り所がそこにしかないのでどうにも止まれない。

そのため柔らかい表現をすれば「我が道を行く」タイプが多い。行くしかないんです。そこしかストロングポイントがないんだから。
当時の友達も今にして思えばなかなかの変人が多かったなあ。

恐らく現代の日本において最も同調圧力に屈しない世代でしょう。根拠はありません笑
まあ、これもよく言えば独自の視点を持っているってことですね。

まとめ

とにかく子供の頃にお金がなかったのでケチ。
そして人数が多いので自分に個性を求めたがる。

なんだかロスジェネって悲しくて愛おしいですね。

でも見方を変えればコスト意識が高く選択と集中の原則が身に着いており他人と違う発想ができる、優秀なビジネスマンの素養が備わっている気もします笑

あなたの身の回りのロスジェネさんも、きっとこんな一面があると思います。

ポジティブな文脈で語られることの少ないロスジェネですが、なんやかや苦労している分味わいのある人物も多いです。

よかったら優しくしてあげてください笑

あとがき

私はnoteとは別にブログを運営しています。

構想段階では買い物実録ブログにするつもりでした。
私自身、買い物する時に多くの購入レビューブログを参考にしてきたので、色々調べてとことんこだわって買い物する自分の経験をブログにすれば、きっと読者の役に立つに違いない!と。

それで思いついたタイトルが「ロスジェネはえてしてこだわりすぎる」

何のブログかさっぱりわからないという欠点は最初から気づいていましたが、なんかこの響きが気に入ってしまい買い物ブログから乃木坂46ブログに方針変更しても使い続けています。

この記事は買い物実録ブログでスタートする予定だった時に、自己紹介がてらの最初の記事として作成したものです。

実際はスタート時点で乃木坂ブログになったので掲載されずお蔵入りしていたものを今回引っ張り出してきて加筆修正しました。

そのブログも乃木坂46とラーメンをメインとして始めたのに、現在ではなぜか腕時計の記事がアクセスランキング上位を独占しています笑

よろしければブログの方にも遊びに来てください。


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