先祖が住んでいた土地に初めて行って来た話

GW終わり、新潟に帰省していました。

最近は新潟駅がどんどん新しくなっていて、少し寂しくもありますが、正直助かる面も多いですね。
昔の新潟駅はやけに階段が多くて、バリアフリーも何もあったものじゃなかったのですが、今の新潟駅なら多分大丈夫。



帰省2日目。
午前中、父とお墓参りに出掛けました。

いやあ、墓地の草がボーボー祭り。


お花など供えてあるお墓は少なく、本当に数える程度。
まあ、我々も普段からGWに必ずお墓参りするかと言われると、正直そんな事はないと返さざるを得ないのですが。

ただ、我が家絡みのお墓をいくつか回ったのですが、80%のお墓にここ最近供えた様子のお花があり、お花率10%切ってそうな周囲とのギャップが不思議でした。
さては我が家、結構真面目人間ばかりだな?

私の曽祖父・政四郎さん(父父父)や、曽祖母・スズヰさん(父父母)はお寺の活動を熱心にやっていたらしいので、その名残みたいなものかも知れません。
もっと言えば、どうもスズヰさんの系統がそもそもお寺の活動に熱心な一族だった様子。
小さい頃からの環境は多少なりともあるのでしょう。

今回のお墓参りでは、ようやくと言いますか、父がこれまで訪れる機会がなかったという父方祖母実家のお墓にも訪問しました。
私は2回行っていたので案内係。
まあこちらの方が草ボーボー大祭でしたね。
お寺の墓地ではないというのも関係あるのかなと思います。

どちらにしろ、夏にはある程度除草が済んでいるという事は、暑い時期にどなたかが相当な苦労をしてくださってるんだなぁ……と。
暇なら、軽く用事があるお墓の周囲だけでも除草作業をやった方がいいかもですね。
今回はタイミングが合いませんでしたが、覚えておこう。


そして午後、父と別れ、ちょっとまとまった時間が出来ました。
いくつか考えていたプランがあったのですが、私の中でどうしてもやりたい気持ちが大きかった事を実行。

タイトルの通り「先祖が住んでいた土地に行く」というものです。

こう書くと仰々しいですが、今回行った土地、実は少しだけ知っている場所でした。
何しろ、私が通っていた小中学校の校区の、すぐ隣の地域なのです。
私が住んでいた所からは少し遠く、歩けば結構時間が掛かってしまうエリアだったので、たまに車で近くを通るかなという程度でした。

そこにお住まいだったと推測されるのは(少なくとも、本籍地と、やや珍しい苗字の分布からすると、完全に間違っているとは思えない)、高祖母クヨさん。

↓の記事でもちょっと触れています。

クヨさんは父母母母、つまり、私から見たおばあちゃんのおばあちゃんです。
祖母の祖母がその辺りに住んでいたというのは、戸籍を見るまで知らなかったと思います。
父も知らなかったですし、亡くなった祖母は知っていたのかどうか……知らなければ教えてあげたかったな。

私がこの場所をどうしても訪れたかった理由は、単に土地勘があって比較的気軽に行けるから、というものではありませんでした。



2、3回かな?
繰り返し見た不思議な夢がありました。



私は中学時代の友達数人と、とある場所を歩いています。
とある場所というのは、その友人達の住んでいたエリアです。
この友人達は、同じ学校に通ってはいましたが、お互い校区の端と端に住んでおり、私が実際にその辺りを訪れた事はほんの数回でした。

しばらく歩いていると、段々と見覚えの無い、緑豊かな景色が広がり始めます。
山が見えます。
生き生きとした草を、風が揺らします。
その頃にはもう、友人達の姿が見えません。

「え? 多分あの場所の近くにこんな所は無いと思うんだけどな——」
と戸惑う頃には、残念ながら目が覚めているのです。


この夢を繰り返し見た時は、まだ高祖母の事など知らなかったので、変わった夢を何度か見たなあというだけの話でした。
正直、そんな夢を見たという事すら忘れかけていました。

はっとしたのは、高祖母の戸籍の記述を読み解いて、昔の地名から現在の地名を割り出し、地図で見てみた時です。
高祖母が住んでいたと推測される場所のすぐ近くには、見覚えのある地名があったのです。
まさに、夢で見たあの友人達の住んでいた場所。

友人達の住んでいたエリアをA、高祖母の住んでいたエリアをBとしましょうか。
AとBはお隣の町内だったのです。

AもBも、今現在ではよくある住宅地という感じです。
ただ思い返してみると、AやBのあるエリアは、私が住んでいたエリアと少し雰囲気が違いました。
古い神社があったり、緑豊かな公園があったり、たまに畑があったりしたのです。
新潟市史という本に、昔のAやB付近については、歴史のある農村であったとありました。
それにあの辺り、山は近くにありませんが、遠くになら見えます。
(どの山だか知らないくらい遠くに見える……)

もしかしたら、と私は気付いたのです。

緑豊かなあの謎の場所は、高祖母が見ていた、昔のBの景色ではないか。

高祖母は、故郷新潟市とは違う場所で亡くなったと思われます(亡くなった時の届けが今の長岡市で出されている為)。
また、高祖母が嫁いだ家は、本籍地が何度か変更されていました。
子の出生届の住所などからしても、恐らく引っ越しを繰り返しており、嫁いでから故郷近くに住んでいた時期は一度も無かったと思われます。
クヨさんの親も早くに亡くなった様子でした。
よって、故郷に帰るきっかけもあまり無かったのではと推測されます。

ですから、私は「クヨさんは、故郷に帰りたいと願っていたのではないか」と感じたのです。

たかが夢ではありますが、偶然にしては気になると言いますか……。


そんな訳で、ずっと行きたいという気持ちはあったのです。
けれど他にもやる事、やりたい事はありましたし、何しろ半端に遠いので、まとまった時間が無ければ実行に移せなかったのですね。

大体の行き方は当然分かっていました。
新潟市の中心部からバスに乗り、数十分。
近くのバス停からはちょっとだけ歩く。

歩いている最中、疲れからなのか、それとも別の理由なのか、急に落ち着かなくなって来ました。
そこに行きたい様な、行きたくない様な、期待と不安で破裂しそうな心境が襲って来たのです。
近くまで行った事は何度もあるのに、と私は思い直そうとしますが、でも同時に思い出してしまいました。

思えば昔から、このエリアに来ると、戸惑いの様な懐かしさの様な、奇妙な感覚があったのです。

あんまり行かないからよく知らない土地だけど、それでも一応小さい頃から知っているからなのかな? と以前は思っていたのですが……。

そんな情緒不安定な私の前に、驚くべきものが見えて来ました。

山。
遠くに山が見える。

何年も前に見た夢の光景が一瞬、目の前でよみがえった様な気がしました。

相当動揺していたのだと思います。
もうちょっとでガチ泣きするところでした。

訳も分からず涙を堪えながら、ようやく目的のエリアに辿り着きました。
まあ、とりあえず普通の住宅街です。
ただ、歩き回ってみると、昔からの家なのかなと感じさせられるお宅が時々見受けられました。
広くはありませんが、畑もあります。
結構坂の多いエリア。
お寺があったので少しだけ墓地にも立ち寄りましたが、いやあ、以前訪れた母方祖母実家の墓地を少し思い出す斜面の連続でした。

↓母方祖母実家のお墓の話が少しあります。

新潟のお墓には基本的に墓誌が無い為、お墓をチェックするメリットは他地域に比べると少ないのですが、今回の墓地ではひとつだけ墓誌のあるお墓がありました。
無論先祖の墓ではありませんでしたが、稀にそういう事もあるという気付きはあったので、まぁ……。

他、この墓地では高祖母実家の同姓さんのお墓を発見しました。
前述の通り、やや珍しい苗字ですので、何らかの繋がりがある方々と推測されます。
時間があればもっと同姓さんのお墓探しを出来た気もしますが、空が薄暗くなり始めるタイミングでもあったので、ざっくり見ただけで退散しました。

この日は夜が近くなるにつれて、徐々に雲行きが怪しくなりました。
暗くなってから歩き回っても収穫は少ないでしょうし、この段階で私は午前中のお墓参りもあって体力が厳しい状態です。
今回はこの辺りで切り上げようと歩いていた時、不思議な事が起きました。

知らない女の子から声を掛けられたのです。
「おはよう」と。


ここまで順を追って読んでくださった方はご存知かと思いますが、夕方の出来事です。

頭フル回転。
確実にパニックを起こしていました。
ほんの僅かではありましたが、悩みに悩んだ私が出した結論がこれです。

「おはよう」


それが似合うのは結局皇族の方々くらいだろうと思われる様なお手振りまでセットです。
変な事案になっていないと良いのですが。
高祖母の故郷の人々に不審者扱いされたら悲し過ぎるよなぁ……。


という、ある意味終始不思議体験だらけの訪問話でした。
また行きたいけど、次に行くならもうちょっと余裕がある時にしたいですね。
坂道のアップダウンよりメンタルのアップダウンが激しいなんて想像も出来ませんでした。

でも、楽しかったんですよ!
古い神社を見れば「先祖が遊んでいたかも」なんて想像出来て興味深いですし、元々散歩が好きなので、普段縁の無い土地を訪れるには良いきっかけでした。


余談ですが、この日の某位置情報ゲームの歩数がまあまあでした。

歩数は過去最高かも
柏崎行った時は充電がスレスレで泣く泣く諦めたところもあり確かここまで伸びなかったんですよね


バス移動などもカウントしているかもですが、だとしても2万5千歩くらいは歩けたかと思います。
貧弱な身体ですが、それでも少しは足腰を鍛えられているのかな。
他にも行きたい「かつて先祖が住んでいた土地」はまだあるので、もっと日々鍛えておきたいところです。

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