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歌詞語彙辞典 #22

『RAINBOW』

●カウント数 1072
●最多出現ワード
★1位 「行く/ゆく」 合計 32カウント
・「ゆくぜ」16カウント/「行くぜ」1カウント
・「ゆかなきゃあ」5カウント
・「ゆこう」3カウント
・「行っても」2カウント
・「行ったら…。」「行く」「行くしかねえ」「行くよ」「行け」各1カウント


★2位 「心」 合計24カウント
・「心」9カウント
・「心の」3カウント/「こころの」1カウント
・「心を」4カウント
・「心に」3カウント
・「心よ!」2カウント/「心よ」1カウント
・「心じゃあ」1カウント


★3位 「俺/オレ」 合計23カウント
・「俺は」10カウント/「俺は、」2カウント
・「俺の」4カウント/「オレの」1カウント
・「俺を」2カウント
・「俺が」「俺さ」「俺って」「俺に」各1カウント


★4位 「時/とき」 合計16カウント
・「時も」5カウント/「ときも」1カウント
・「時が」2カウント/「瞬間(とき)が」1カウント
・「時の」3カウント
・「とき」1カウント/「時」1カウント
・「時は」「時よ」各1カウント


★5位 「ああ」 15カウント

★5位 「あなた」 合計15カウント
・「あなたが」「あなたの」「あなたを」各3カウント
・「あなたに」2カウント/「アナタニ」1カウント
・「あなたへ」2カウント
・「あなたと」1カウント


★7位 「日」 合計14カウント
・「日も」9カウント
・「日に」1カウント/「日に、」1カウント
・「日」「日の」「日を」各1カウント


★8位 「輝く」 合計13カウント
・「輝いて」「輝く」各4カウント
・「輝き」2カウント
・「輝いた」「輝け!」「輝ける」各1カウント

★8位 「わたし」 合計13カウント
・「わたしの」7カウント
・「わたしが」「わたしは」各2カウント
・「わたし」「わたしを」各1カウント


★10位 「悲しみ」 合計11カウント
・「悲しみの」4カウント
・「悲しみ」「悲しみも」各2カウント
・「「悲しき」「悲しそうな」「悲しみに」各1カウント

★10位 「光」 合計11カウント
・「光」4カウント
・「光へ」2カウント
・「光が」「光で」「光に」「光の」「光を、」各1カウント


その後に
・10カウント 「この」

・10カウント「中」
 内訳
 ・「中」「中に」各4カウント
 ・「中で」「中を」各1カウント


・9カウント 「全部/ぜんぶ」「日々」
 各内訳
 ・「全部」5カウント
 ・「ぜんぶ」4カウント

 ・「日々」3カウント
 ・「日々に」「日々よ」各2カウント
 ・「日々が」「日々を」各1カウント


・8カウント「もっと」

・8カウント 「愛」「歩く」「いい」「旅」「どこ」「何」「街」「見」
各内訳
 ・「愛して」「愛の」「愛を」各2カウント
 ・「愛されて居た」「愛すべき」

 ・「歩みを」2カウント
 ・「歩いています」「歩いてゆく」「歩き出せ」「歩くのさ」「歩みを」「歩んでた」各1カウント

 ・「いい」6カウント
 ・「いいさ」「いいのさ」各1カウント

 ・「旅人よ」5カウント
 ・「旅立とう」2カウント
 ・「旅の」1カウント

 ・「どこまで」2カウント/「何処まで」1カウント
 ・「どこかへと」「どこへ?」各2カウント
 ・「何処」1カウント

 ・「なんだい?」2カウント
 ・「何かに」「何かを」「何も」「何を」「何だ?」「何ていこった」各1カウント

 ・「街の」5カウント
 ・「街中が」「街には」「街へ」各1カウント

 ・「見上げれば」2カウント
 ・「見出したので」「見える」「見えるぜ」「見たい」「見ぬ」「見りゃあ」各1カウント


●一人称:俺/オレ/わたし/我ら
●二人称:お前/君/キミ/あなた/アナタ
 ※アナタ 初出
●三人称:あいつら/彼
●その他の気づきポイント
・行数および語数の多寡の差がすごい。
 ex. 1曲あたり8行で29語、28行で123語、40行で127語 etc.
・カタカナ:サガ

・漢字ひらがな問題、同音異議字問題
  明日:読み「あした」「あす」
  お陽さま/お陽(ひ)さま/お陽様
  醒めてる/さめる
  すげぇ/すげえ
  すべて/全て
  ぜんぶ/全部
  戦い/闘い
  立ちあがる/立ち上がる
  とき/時/瞬間(とき)
  どこ/何処
  ない/無い
  はざま/間隙(はざま)
  ひとり/一人
  開けてる/ひらけてる
  求めて/もとめて
  やさしさ/優しさ
  ゆく/行く
  わが/我が  

・1曲中の漢字ひらがな問題、読みかた問題
  あなた/アナタ(“Destiny”)
  生命/命 読みはどちらも「いのち」(“あなたへ”)
  俺/オレ(“シナリオどおり”)
  こころ/心(“雨の日も風の日も”)
  とき/時(“愛すべき今日”)
  ひとつの/一つの(“Destiny”)


一見して、今までと異なる語彙が上位に入った印象を受ける。その理由は何だろう。
ユニバ期のここまでの4作は「俺/オレ」の1位が続き、しかも前作と前々作は漢字「俺」のみ。
一人称はここでも「俺」が圧倒的多数で、「オレ」は1箇所のみだが、「わたし」が 3rd『浮世の夢』“珍奇男” 以来の登場。この言葉が、楽曲(“あなたへ”)の内包する普遍性をとてつもなく壮大化させる。
「お前」も1か所のみしかなく(“ズレてる方がいい”)、実に効果的に刺さる。
また、表記揺れも多いが、これも言葉を直感的につかまえたそのままを文字にしていることに加え、明らかな書き分けもあるだろう。

このアルバムでの最多の「ゆく/行く」。
これが3位以内に入っているのは、8『ココロに花を』、9『明日に向かって走れ』、10『愛と夢』、16『風』、17『町を見下ろす丘』、18『STARTING OVER』、21『MASTERPIECE』。この並びを見ると、前進ベクトルの旗手たる言葉ではあるが、その時の心境をそのまま表出させているだけでなく、内省したがる己を鼓舞するためにも頻出するとも考えられるか。

その他の常連の言葉は11位以降にひしめく。だが、上位語彙ラインナップが他と異なる印象をもたらす決定打は「悲しみ」だろう。休養を経て活動再開を期した作品であるがゆえに、その間の懊悩が透けて見える。


これまで思い悩んできた人生の大命題。
思いっきりぶつけ、至った答えを明快に叫ぶ。

 「いったいなんだい?この世ってヤツは?
  いったいなんだい?俺ってヤツは? baby」

 結論は出ない、いや、むしろ出さない
 答えはこうして、生きてることさ

そして

 遠回りでいい
 (18『STARTING OVER』“FLYER”)

だったのが

 輝く時は今 遠回りしてた昨日を越えて
 過去を 未来を 自分を 遠回りしてた昨日を越えて
 (19『昇れる太陽』“桜の花、舞い上がる道を”)

から

 遠回り どこまで行っても baby 一瞬が永遠
 (20『悪魔のささやき~そして心に火を灯す旅~』“旅”)

を経て、ここで

 遠回りはもうやめた
 (“Destiny”)

そして、絶対的な揺るぎないものにその問答をゆだねる。
太陽に対して「なぜキミは昇る?」と問いかけ、「いずれにせよゆかなきゃあならぬ」と自ら答えるのだ。

生きるとは、喜びと悲しみ、栄光と挫折、光と闇、生と死…、相反する二極のでかい渦巻の中をすげぇスピードで行き来すること。そうするとどうしてもスパークが発生する。
その火花こそ《Rainbow》。
その火花で心の灯を燃え立たせるヒーロー、それが宮本浩次だ。


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