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歌詞語彙辞典 #7

『東京の空』

●カウント数 1117
●最多出現ワード
★1位 「ああ」  40カウント
前作に続き。


★2位 「こと」 合計 18カウント
・「ことが」6カウント
・「ことも」3カウント
・「こと」「ことさえ」各2カウント
・「こともある」「ことから」「ことなど」「ことばかり」「ことほど」各1カウント


★3位 「大将」 合計 17カウント
・「大将」16カウント
・「大将も」1カウント


★4位 「この世」 合計 15カウント
・「この世は」11カウント
・「この世が」「この世の」各2カウント


★4位 「歩こうぜ」 合計 15カウント


★6位 「何処」 合計 14カウント
・「何処へ」「何處へ」各4カウント
・「何処かの」「何處まで」各2カウント
・「何処までも」「何処にいたって」各1カウント


★6位 「街」 合計 14カウント
・「街の」9カウント
・「街へ」2カウント
・「街で」「街まで」「街かどの」各1カウント


★6位 「極楽」  14カウント
プラス「極楽浄土」1カウント


★9位 「俺」 合計 13カウント
・「俺には」3カウント
・「俺たちは」「おれたちゃ」「俺も」各2カウント
・「俺でも」「俺など」「俺を」「俺たちには」各1カウント

その後に、
・12カウント 「そう」

・同じく12カウント 「聞」
 内訳:
 ・「聞こえて」4カウント
 ・「聞き覚えが」「聞こえるよ」各3カウント
 ・「聞こえない」 2カウント


・11カウント 「そうさ」

・同じく11カウント 「最高」
 内訳:
 ・「最高さ」「最高最高」各 4カウント
 ・「最高」 2カウント


・10カウント 「いい」「来る」

・同じく10カウント 「みんな」
 内訳:
 ・「みんなで」8カウント
 ・「みんな」2カウント
  プラス「皆が」(読み:「みなが」)1カウント


・9カウント 「空」「誰か」「だろう」「晴れ」「解る/わかる」
 各内訳:
 ・「空」7カウント
 ・「空は」2カウント

 ・「誰かの」3カウント
 ・「誰も」 2カウント
 ・「誰か」「誰かが」「誰でも」「誰にも」 各1カウント

 ・「だろう」7カウント
 ・「だろ」「だろうか」各1カウント


 ・「晴れて」 5カウント
 ・「晴れず」 3カウント
 ・「晴れた」 1カウント

 ・「解らない」4カウント
 ・「解るぜ」「解るぜ」
 ・「わからないだろ」「わからないだろう」「わかりはしないさ」 各1カウント
他に「賛歌」「生活」「なんか」

・8カウント 「行く」「心」「全部」「前」「夕」「夢」
 各内訳
 ・「行く」 3カウント
 ・「行ける」 2カウント
 ・「行くと」「行けるか」「行こうぜ」 各1カウント

 ・「心」 3カウント
 ・「心は」「心も」 各2カウント
 ・「心に」 1カウント

 ・「全部」 6カウント
 ・「全部が」 2カウント

 ・「前に」6カウント
 ・「前へ」「前へと」各1カウント

 ・「夕べの」 3カウント
 ・「夕方の」 2カウント
 ・「夕陽が」「夕陽の」「夕べ」 各1カウント

 ・「夢」 5カウント
 ・「夢が」「夢で」「夢を」 各1カウント
他に「もう」


・7カウント
「朝」「明日」「今日」「こうなりゃ」「昇天」「中」

・6カウント
「男」「悲」「涙」「願い/願いごと」「笑う」他

●一人称:俺/俺たち/おれたち
●二人称:お前/おめえ
●三人称:あいつ

「オレ」「オマエ」はここでもまだ出てきませんでした。
「僕」もまだでした。
「あいつ」初出。

●その他の気づきポイント
・カウント数1位の「ああ」は、24/40 がアルバムタイトル曲の “東京の空”。
・歌詞カード 横書きに戻る。
・繰り返し多用「この世はこの世はこの世は」「最高最高この世は最高」(“この世は最高”)、「まだ見ぬ知らない知らない」(“もしも願いが叶うなら”)、「聞こえるよ誰かの声が誰かの声が」(“誰かのささやき”)など。
・東京弁が耳に残る。「〜ちまったぜ」「俺たちゃ」「夢だきゃ」など。

・三人称「あいつ」初登場。
・これまで「町」だったのが「街」に。


まず目に付くのは、繰り返しが多いこと。「この世はこの世はこの世は」「最高最高この世は最高」(“この世は最高”)、「まだ見ぬ知らない知らない街へ」(“もしも願いが叶うなら”)、「聞こえるよ誰かの声が誰かの声が」(“誰かのささやき”)など。
歌詞だけではなく曲のつくりもコーラスが輪唱で追いかけてきて、「そう明日が、そう明日が」(“明日があるのさ”)、「それから、それから」「暮れゆく夕べ、夕べの空」(“暮れゆく夕べの空”)などのリフレインが印象的。エコーがかかったかのような奥行き感のあるサウンドが、高らかに東京の空へと広がっていく。

レコーディング中に契約が切れることが決まったそうだが、切迫感やあがきは全く感じられない。むしろ「自分のやりたいことを意識的にはっきりやった第1作」という言い切る宮本の述懐を裏付けるような爽快感が、世間に迎合することなく己の道を突き進むことを宣言する狼煙のよう。
収録曲のタイトルも、心の内なる衝動を吐き出そうとする言葉群とは一線を画している。ベクトルは内省よりも励ましの色が強くなり、これまで上位に入ることが多かった「俺」がここでは鳴りを潜めている。
このアルバムが一つの岐路であることは、語彙からも明らかと言っていいだろうと思う。


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