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セックスレスに悩む自分はいやらしい、けがらわしいと思っていた私を変えてくれた言葉

私は夫とはセックスレスだ。
子どもが3人いるし、夫の見た目がワイルドなので夫婦関係はお盛んと思われることもある。
でも、実は、3人とも不妊治療。
性的行為なく、医療の力を借りて授かった。

この子たちに出会うのに何百万円使っただろう。
なんてコスパが悪い!!
でも仕方がない。

ものすごくシンプルに、私たち夫婦は相性が悪いのだ。
たぶん、夫は私のことを「不感症のマグロ」だと思っている。

私もそれなりに経験があったし、正直、そういう行為は好きだ。
老人になっても、手を繋いでラブホテルに行く夫婦が夢だった。

それでも、夫の前では不感症のマグロになってしまう。
これはもうどうしようもない、相性の問題なのだ。


結婚して「そろそろ子どもが欲しいね」となってから。
何度もトライしたがマグロはマグロのまま。
その反応を見て、夫もできなくなってしまった。

薬の力を借りたり夫も努力してくれたが、これ以上続けたら日常の夫婦の愛情にも影響が出そうなギリギリだった。
だから、医療の力を借りるのは、なんとなく自然なことだった。


それからはもう、一度も性的関係はない。

夫とはしたくない。
「私はもう、一生誰にも抱かれることはないのだろうか」
深夜、子どもたちがすやすや眠るふとんの中で、ひとりぼっち。
ふとそんなことを考えてしまう。そうすると、じわっと涙が出る。

泣くほどつらい。
でも、誰にも言えない。
解決策もない。

何しろ、夫とはしたくないのだ。
もちろん、それを望む相手が他にいるわけもない。

私は「女」としては終わったんだな。
命が尽きるまであと何十年、誰にも抱かれずに、死ぬ。

結婚して子どもたちもいて、こんなに幸せなのに性的欲求に悩む自分。
なんて汚らわしいんだ。いやらしい、最低の人間。


そんな気持ちで、毎日を生きていた。
その頃。
とあるコーチングに出会った。
その方はビジネスの世界でも著名な男性で、数々の起業家のビジョン達成をサポートしているらしい。

ひょんなことから、その方に話を1対1で話を聞いてもらう機会があった。

「私は、夫とずっとセックスレスです。
そんな自分のことが汚らしくて嫌いです」

なぜ、そんなことを赤の他人、しかも、ビジネスエリートの男性にいきなり言ったのか自分でもわからない。
相手はドン引きするだろう、嘲笑われるだろう、という恐怖は、言った直後に襲ってきた。

しかし、彼はニコッとしてこう言った。

「いいですね、すごくヘルシーな悩み!」
「へるしー…???」

いっきに世界が変わったような感覚。
そうか、ヘルシー。


「誰かに抱かれたい」
それは、人として恥ずかしい、嫌らしい、隠すべきもので、そんな悩みを持つ自分を化け物のようにさえ感じていた。

だけど、私の悩みは、汚くも嫌らしくもない、隠す必要もない、
人として健康なこと!!

そして彼はまるで一つのビジネスの課題を扱うように、本当に自然体でさらっとこう聞いてくれた。

「本当はどうありたいんですか?」
「夫とは関係を持ちたくないです。
でもこのまま終わりたくない、パートナーが欲しい、そんなの許されないことだけど……」

「許されない?誰が許さないんですか?」
「……周りの人?いや、『私』です。私が許さないんです……」

「許してないのは、自分ですよね?これからどうしたいですか?」
「自分を、許してあげたいです」


このやりとりがきっかけで、私は、当時はまだ知人であった男性と、パートナーとしての関係を築くに至った。

人の悩みを、どの角度、どの切り口から見るか。
あのコーチは本当に見事だった。

私の世界が、人生が変わった。


パートナーとお別れした今、これからどうしたいかはわからない。
彼以上に、心も体も満たされる気持ちにしてくれる人はいないんじゃないか。
でも、そう決めているのも自分自身だ。

自分の未来の幸せを、今、自分で決めつけたくはない。
いつだって自分にとって、ベストな何かが、いつか起こると、そう信じている。


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