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VARKが生まれたときに考えていたこと

こんにちは。加藤です。VARKという世界で最も収容人数が入るVRライブプラットフォームをやっています。

ご存知でしょうか?
ご存知ではない方はこちらのレポートなど大変参考になるかと思いますので、ご覧いただければ幸いです。


さて、VARKはなぜ生まれたのか。


その答えは「市場の予測をしたときに、【VRならでは】【不可逆の進化性を持ったスタンドアローン】【1:N のコミュニケーション】この3つのキーワードの交差点がOculus goでVRライブプラットフォームをするという選択に帰結したからです。


◎目次

・目的
・2017年のVR市場
・2017年末のVtuberブーム
・2018年の頭くらいに考えていたこと。
・不可逆の進化
・1:Nのコミュニケーション
・N:Nのコミュニケーションに移り変わる兆し
・最後に

◎目的

できるだけ技術的な話は抜きにして、どうやって考えていったらVARKにたどり着いたのかというところがわかればいいかなと。ちなみに初期の概要書みたら精度70%位あり、かなりぶれてないなwと思っています。

◎2017年のVR市場~寒かった市場~

長くこの業界にいた方ならわかると思いますが、
2017年は冬でした。
2015~16年にVR元年ともてはやされ、多くのインディーゲームデベロッパーが立ち上がりました。そして、みな去っていきました。今も積極的な活動をしているところは少ないです。

ちなみにこの冬というのは市場的な冬です。
1社だけ元気みたいな感じではないです。
2016~2017年に調子がよかったのは、受託系のVR製作会社さんでしたね。は○らすさんは元気でした。

・2017年末、vtuberブーム
この辺は割愛。皆さんにの方が詳しい。
僕も周りに、カバーさんとかいらっしゃったんで、そのインパクトは肌で感じておりました。


これが5月の終わりくらいにしらべていた実際のデータとその予測。7000までは届かなかったですね。サントリーのようにもっと企業のHPページ的な役割を担うVtuberが増える予測をしていたんですが、そこまでは行かなかったです。


◎2018年5月。決断の時。

決断は突如として訪れました。
2018年3月くらいからMirageの試験機を使って色々コンテンツを作っていた我々が「スタンドアローンもこんなもんか~」と思っていた矢先のインパクト
Oculus Goの登場です。
これは後述しますが、不可逆の進化です。なので舵を切らなければいけない場所です。
ここからは早かった。
goでできること→コントローラー、CPU、GPUが弱い、ゲームじゃないな→何かを見ることorコミュニケーションが優れている。バーチャルタレント、その先にあるアバター文化に張ろう。

ここまではサクッと行きました。
ただ、コンサートに行き着くまでが紆余曲折ありました。

○不可逆の進化

世の中の進化には分岐の進化と不可逆の進化があると思っています。その中でもOculus goは不可逆の進化の変換点だと思っています。

分岐の進化:
「遊園地」と「テレビゲーム」に近いかなと。
最初は同じ娯楽として始まったけど、早い段階で別々の道をたどり、
ぜんぜん違う体験を提供し始める分岐をしていく。
不可逆の進化:
「ゲームセンター」と「テレビゲーム」だと思っていて、
ゲームセンターは今後テレビゲームを追い抜く市場にはならないだろうなと。残り続けるとは思いますが。
ゲームという体験に差分はなく、その中でゲームセンターに行くという面倒くささが取れたのが「テレビゲーム」

スタンドアローンVRとPC向けのVRは結構悩んだんですが、不可逆の進化になりうると思いました。

SAOの世界のナーブギアみたいに、個人のPCとつなげる未来も考えつつも、

VR+PC→スタンドアローン→クラウドコンピューティング+VR

が適正な進化かなと踏みました。
そうなるとこのスタンドアローン技術というものは長く、VRを席巻するであろうと踏んでいます。

いち早くスタンドアローン路線に舵を切ることがVRの進化を早くするだろうなと思っております。

○VRならでは

Oculusの共同創業者のパルマラッキーは言いました「習慣的にVRをつけるようにならなければVRは広まらない(意訳)」

僕もそう思います。

今、VRコンテンツの中で一体何本が「わざわざVRをつけてまでやる意味があるのでしょうか?」

「本当にそのコンテンツはVRをつけないと体験できないものなのでしょうか?」

この問は多くのVR企業に突き刺さります。

「本当にそのSNSはVRつけないとだめ?LINEやDiscordで代替できない?」
「本当にそのゲームってVRでやらないとだめ?PS4でもっと面白いものあるよ?」

そう「VRならでは」でなければ、ただの注目をあびるためにVRを使ったものができる恐れがあります。

☆VRでやる必要性があること×スタンドアローンでできること。この図式が出来上がります。


○N:Nと1:Nのコミュニケーション

N:Nのコミュニケーション
ソーシャルネットワーク
だと思ってください。
コンテンツの生産者と消費者が入れ替わり立ち替わりしていくものです。

→ツイッターだと「つぶやき」を作る生産者と「つぶやき」をみる消費者は一緒ですよね。

おしゃべりしているところを切り取っても
喋っている人(生産者)と聞く人(消費者)というみかたもできます。

対して1:Nのコミュニケーションはネットフリックスとか想像すると簡単かもです。

メディア型の用に、生産者と消費者が完全に別れている。

あくまで個人の考えですが、
VRのコンテンツは作るのが難しいので、
「わざわざVRに入って、楽しみたい」と思えるコンテンツは、
個人で作るのは難しい
です。

なので最初は1:N型かな~と思っています。

もちろん他の仮説を立ててN:Nを攻めているチームもいますね。
あれはあれで楽しそう。

○1:N コミュニケーションの王道【音楽ライブ】

1:Nって本来コミュニケーションが成り立たないはずです。ネットフリックスでコミュニケーション成り立ないですよね。ただ、音楽ライブならコールアンドレスポンス、フリ、ギフティングと成り立つ手段がいっぱいあります。

そして、何より、VRならではを演出しやすい。「観客は常に一方向を見ている。(演出の作りやすさ)」「本物のライブを知っている。(現実とVRのギャップを作ることができる)」

一番最初に戻りますが【VRならでは】【不可逆の進化性を持ったスタンドアローン】【1:N のコミュニケーション】の要素を持つコンテンツが必要になります。

これを最速で作ると半年かかる。7月から半年は12月の終わり~1月の頭です。クリスマスライブに勝負をかけよう。となりました。

○その頃のVR chat(余談)

VR chatに日本で100人に満たないようなクリエーターが集い、
多くの作品を作っていました。
こんな状態日本だけみたいな話を聞きました。

しかし、データを見るとVRchatのMAUは100万人。
そのうち95%以上のユーザーがHMDを使わず、
VRchatに入っている。

なんでだろうな?と2週間くらいVRchatに入り浸ってインタビューをしていました。時に女子大生を雇ってインタビューしてみました。(全然アンケートの回答率が変わります。)

結果は
・おしゃべりがしたい。
・アバターはおまけ。
・だからHMDなしで充分
・時々変な人がいるからVRchatに来た
こんな感じでした。
しかし、クリエイターたちは
・アバター文化の圧倒的な可能性
・自分たちで作ったワールド最高、イケてる。

クリエイターとその他一般ユーザーの反応が違うなと。

ここで建てた仮説

・一般人とクリエーターは別物と考える
→同じ環境を与えると、一般人には使いづらく、クリエーターには物足りないに陥るんではないか?※VARKが企業用に尖らせてある理由にいきつきます。

・作り手と受け手が双方向性を持つにはもうちょい時間が必要。


○3D向けにライブプラットフォーム

・これがVARKの原型になります。
・N:Nのコミュニケーションが成立するのは日本でVRが300万台~くらいかなと思っています。
→現状の4~5倍の稼働です。Questの登場ではまだN:Nのコミュニケーションが成り立たないような気がしてます。(もちろんバク売れしたら切り替えて行きます!)


→しかし条件次第で成り立つような気がしています。
限定された 時間、趣味嗜好、目標を共有したときな気がします。
そうです。ライブ待ちの時間に何らかのソーシャルイベントがあったときだと思っています。

↑一番最初の概要書w そうだ~たしかUNIONをやろうとして、
アイマスのイベント走りました。
めっちゃ辛かったwww「寝るのが怖い」「理論的に追いつけない」
とかよくわからないこと言いながら作ってました。

○最後に~絶対来る未来~

これは加藤が勝手に呼んでいるだけのものです。

10年後か100年後かわからないけど、絶対来る未来が存在します。

スマートフォンはメガネ型のデバイスになるのは絶対の未来です。

なぜって?
より大きなディスプレイ、より軽い端末、これは人間の目が2個、手が2つの時点で決まっている未来です。

なので、両手は空いていたほうが良いし、より空間にものを写せるほうが良いですね。

コンピューターの未来から論理を積んでいく方もいらっしゃいますが、
僕は人間の体がこうである限り絶対の未来だと思っています。

なのでVRは絶対来る未来だと思っています。
ただ、100年後か10年後かもしくは3年以内に来るかもしれません。


あとがき

めっちゃ難解な文章になってしまいましたねw

実際はもっと紆余曲折ありました。
こんなにスマートにゴールが出るわけではないです。
自分たちでVtuber作ろうとしたこともありましたし(企画段階でやめた)
VRでキャバクラやろうとしたり。(キャバクラ関係の人に話を聞きに言ってやめた)
VRゲームももちろん作ろうとしたり。(資金力が無くてやめた。)

ただ、僕の中で変わってないのは「日本から新しい産業を起こして、世界を獲れるようなことがしたい」「今くすぶっている人が活躍するようなサービスを展開してこの世の価値観をひっくり返したい」
この2点な気がします。あとは命かけるだけ!!

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