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こころの時代『185頭と1人』がよかった

NHKの『こころの時代』は好きな番組だけど、今回のは印象的だった。

『185頭と1人 生きる意味を探して 吉沢正巳』

福島の原発事故で出荷できなくなった肉牛を飼い続けている吉沢さん。自分の牛だけでなく、周囲の牧場から頼まれた牛も一緒に飼っている。行政から殺処分を要求されても、周りから意味がないと言われても、1人で牛飼いを続けている。

基本1人なので365日休みはなく、ずっと働き続けている。全くお金にはならないし、それどころか餌代など出費が多く、国からの保証金と年金、寄付などでやりくりしている。

大抵こころの時代に出てくる人は聖人のような見るからにいい人だが、この吉沢さんは随分雰囲気が違う。酒好きでぶっきらぼうで、いかにも頑固オヤジって感じ。でもやってることがすごい。

自分のやってることに疑問を抱きながら、でもやらずにはいられない。宗教的な教義や既成の価値観ではなく、自分自身も分からない何かに突き動かされている。矛盾と向き合いながら、意味を問い続けている。

「牛と共に生き、やがて俺も牛と共にいなくなるんだろう。それでいいと思う。そういう牧場があったということで俺はいいと思う。」

かっこいい生き方だな。絶対真似できないけど。

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