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それよりも、もしあそこで必死でなかったら、もう後がないという状況でなかったら、結果は出なかったと思う。

起業して約10年。起業して10年やっていけるのは、一握り、らしいので、なんとか生き残れたと思ってる。(いまのところ)

生き残れたのはなぜかというと、お客さん、お世話になった人たち、支えてくれた友人などなど、それはそれは、あげればキリがないけれど、そこに胸を張って必死で頑張ってきた自分がいるから、と自信を持っていえる。

いまでは、生徒さんから、「 加藤先生はいつもマイペースに淡々とスマートにやりますよね〜 」と言ってもらえることがある。もちろん、お世辞だということは重々承知しながらも、それでも、泥臭くやるようなイメージはない様子。

勘違いしちゃいけない。実は、私はとっても不器用で要領が悪いタイプ。会社員だった頃は、「 ほんといつになったら仕事を覚えるの!? 」と上司に呆れられたことは、何度もある。

そんな要領が悪い私が何の計画性もなく、準備もなく起業したのだから、さあ大変。見事に集客ができない。

困り果てた私は同業者の友人に相談すると、友人から「 マーケティングを学ぶべし! 」とアドバイスをもらう。(その友人は私よりも一回り近く若かったが、1000万円プレイヤーだった)

マーケティング!? 市場調査のこと!? といった、認識ぐらいしかなかった私。それでも、友人のアドバイスは素直に聞くタイプなので、言われるがままに、マーケティングスクールの門を叩く。

そのスクールは東京で開講されており、費用も高額。名古屋からの交通費や宿泊費を考えると、私にとっては、それはそれはとても大きな出費。(宿はカプセルホテルかネットカフェ)

ましてや、そもそもマーケティングがなにかさえよくわかっていないのに、そのわからないものに高いお金を支払おうとしている・・自暴自棄とまではいかないけれど、藁をすがる思いで受講を決断。

結論、もしこのときの決断がなかったらいまの私はなかった、というほど、人生で何度しかないだろう、それは大きな大きな出会いが「マーケティング」だった。

ここでマーケティングがなにかということについては割愛するけれど、マーケティングスクールに通っていた当時の私は必死も必死。

なぜなら、ほぼ全財産をこの講座の受講費用に当てたのだから、回収しなければ、もう私には後がない。

授業中は先生のいうことをすべてメモにとり、誰よりも発言をし、講座の前後には必ず、先生に質問に行き、先生とのランチでは、なるべく先生の近くに座った。出される課題もすぐに取り組んだ。

スクールの後半になると、先生から、笑いながら「 加藤くんもう勘弁してよ〜、もう私のストーカーだよね 」と言われるぐらい。(ほんとうに面倒見のよい先生だった。いまでも感謝している)

そのスクールには私を含めて15名ほどの生徒がいたが、スクールの開始から終了までの約半年間、必死さランキングは堂々の1位だったと思う。

これは、私が真面目とか、エネルギッシュだとか、そういう意味を伝えたいのではない。ほんとうに後がなかった。(むしろ私は内向的で控えめなタイプ)

ほんとうに全財産をはたいて受けたスクールだったので、私にとっては、ここで何とかしなければ、サロンを畳むことだって考えていた。それぐらい必死だったのだ。

※とはいえ、何百万円もするような講座ではなく、約40万円の講座だったのだけれど、当時の私にはそれが全財産だった。

学びながら行動していったので、おかげですぐに結果がついてきた。スクール終了後から、数ヶ月後には、売上は何倍にもアップした。

もしあそこでマーケティングスクールを受講していなかったら、と思うこともあるが、それよりも、もしあそこで必死でなかったら、もう後がないという状況でなかったら、結果は出なかったと思う。

あの必死さを経験したおかげで、その後のピンチもなんとか乗り越えることができるようなタフさを身につけることができた。

そして、現在。

ひょんなきっかけで私も、「 起業したい 」「 集客に悩んでいる 」という人をサポートする立場になった。堅苦しいかも表現かもしれないけれど、いわばコンサルタントだ。

マーケティングを学んでもらい、ぜひ、自分の仕事に活かして、売り上げのアップにつなげてほしい、そう心から思いながらサポートしている。講座費用も当時の私が通っていたスクール料金と同じぐらいに設定した。

が、当時の私のように必死な生徒さんにはまだ会ったことはない。もちろん、みんな真面目に真剣に受けてくれているのはよくわかるのだけれど、必死さ、という言葉はマッチしない。

そういう時代なのか、当時の私があまりにも必死すぎたのか、生徒さんの必死さに気づけていないだけなのか、よくわからないけれど。

当時の先生に感謝するとともに、人生で必死になれる経験を積むことができてほんとうに良かったと思っている。

「必死さ」を経験することで得たのは、売上よりも自分の人生を生きているという充足感と自己肯定感がまったくなかった私が自信をもつきっかけとなったこと

が何よりも大きい。

これから必死で学びたい、という生徒さんや必死で学ぶことの大切さを少しずつ伝えていけたらと思っている。



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