携帯電話をスワロフスキーなどで「デコる」のが流行った年。
 
　当時は、盆が明けるとバレンタインチョコの商談が始まりだすルーティングでした。
　手作りチョコレート界でも、アラザンなどをデコるようなオススメレシピが登場、しかしながら
「取扱い商品として、ピンセットが無いので探してみてほしい」と仕事の依頼を受けました。
 
　商品として調理用のピンセットが有るにはありましたが、ステンレス製になると高価で、バレンタインの一時の事では、売れそうにありません。
 
　そんなおり、使い捨てマスクにデコるためのシールを付けた「デコりマスク」のメーカーと商談する機会がありました。
 
　元々、ちゃんとした医療品メーカーさんなので、医療品にもピンセットがあるはず。
　「ピンセット、安価なモノってないですか？」
と、ダメもとで尋ねてみたところ、
 
 
「業務用ですが…」
と、なんと、手術用のプラスチック製ピンセットを紹介してもらえました。
　ひとつずつ滅菌で包装されていて衛生的だし、上代も　一本200円位で設定出来ました。

　さて、頼まれていた雑貨のお店に、このピンセットを納品に行った時のこと。
　そんな事情を知らない、たまたまその時、商品を検品してくれた　店のスタッフの子が、内箱に入っていた『注意書』を発見、
 
・体内への留置に注意してください
 
・使用後は必ず破棄してください
 
『注意書』の内容を見て、スタッフの子は　

　　…　…ン？　

と、5秒ほど固まっていました。