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”かわいい子にはスタジアムへ旅をさせよ”のススメ

 J1リーグ2019シーズン全日程のうち、第3節までを消化。シーズンはHOME&AWAYで34試合、ルヴァンカップや天皇杯も合わせれば34+αの試合を年間で見ることが出来ます。DAZNが放映権を獲得して以来、従来よりもお手軽に、どこでもいつでも試合観戦ができる環境は急速に整いました。You TubeやSNSなどの発展により、自分が幼いころに比べ圧倒的にサッカーへのアクセスが容易になったのは間違いないのですが、だからこそ、”スタジアムへ行くこと”という体験の持つ意義を訴えていきたいのです。
 北海道コンサドーレ札幌の1人のサポーターとしても、今シーズンのコンサドーレやJリーグは現地参戦する新規勢を増やすチャンスだと思っています。特に、親子サポの数はもっと増やしたい。サッカー少年&少女は午前に練習して午後は札幌ドームに来たら良い。半ば感情的な文章になりますが、少しでも伝えられるように書いていきます。

スタジアム観戦のメリット

 少年&少女にスタジアム観戦を勧めるのは、大きく分けて以下2点のメリットを享受できるからです。

①ディスプレイ上で捉えるよりもサッカーという競技・スポーツを知ることが出来ます。
②スタジアム観戦では社会性を育む経験を得ることが出来ます。

 上記のことについてあるべき論を絡めながら堅苦しく語る気はありません。本当は、メリットという単語すら使いたくはないんです。スタジアムはいつだって思ったとき気楽に来れるところですし、サッカーは元より自由です。とはいえ、スマホやタブレット上で完結させるには勿体ないなあ、とは常々思います。

試合前練習はお手本の宝庫

 DAZNやTV中継では通常放送開始しておりませんので観ることが叶いません。おすすめ筆頭は小野伸二のトラップ&ロングパス。ジェイのシュート練習も、フォームと軌道がとても美しい。試合中でも見られるじゃん!という意見はごもっともです。しかし、試合中のプレーはその多くが基礎の応用です。再現性のある技術の基礎は、試合前の慣らしのタイミングの方が真似をしやすい形でインプット可能です。”止めて、蹴る”が大事。小学生くらいの時に小野伸二の練習が見たかったなあ……。

ピッチ全体俯瞰でオフザボールを学べる

 カメラには視野に限界があるので、どうしてもボールを中心にピッチを捉えることになります。しかしスタジアムで観戦すれば、カメラでは追えないところでどんな駆け引きがなされているか見ることが出来ます。GKがサイドへ給水に行って監督の指示聞く様子もばっちりです。
 加えて、ジュニア世代で発生する団子サッカーが攻める上で如何に効率悪いのか。ピッチを広く使うとはどういうことなのか、聞くよりもずっとわかりやすいです。札幌ドームは傾斜もあってかなり俯瞰した見え方になります。普段主観視点でピッチを眺めることでは得られない気付きに満ちています。

観衆の拍手や沸く様子にも気付きはあり

 得点シーンや決定的チャンスはリプレイ動画を見れば繰り返し見ることが出来ます。最近のハイライトはクオリティが高く、その手前段階のパスや動きにも焦点を当てて解説が入ることもあります。ゴールやアシストを決めた選手にどうしてもスポットライトは当たりがちです。
 しかしスタジアムではそれだけではなく、結構地味なプレーにも拍手や歓声が沸くことがあります。クソンユンが相手FWのプレッシャーをかわしたプレー、荒野がカウンターを食い止めてバックパスさせたシーンなどなど。特に今シーズンの荒野&深井は地味ながら拍手を受けるシーン多いように感じます。ストライカーだけでなく11人それぞれの局面でスターになっている。それがプロの舞台で起こっていることを知って欲しいです。守備的なポジションをやっている少年&少女には特に。本当にこれは、現場にこそある気付きなのではないかと思います。

練習のモチベーションが跳ね上がる

 両チームのチャントの応酬、若干こもった熱気、スピーディな展開、上手くいかないときのもどかしさと期待、勝利の喜び、負けたときの悔しさ等々。スタジアムに来ると、日常とは異なった空間と周囲から様々なものを感じ取れたり、もっと入り込むと自分の中からそうした感情が湧き出てきます。それは日々のエネルギーになったり、生活の一部になったり、人によりそれぞれです。
 少年&少女からすると、そんな非日常な高揚感と、まずはいろいろ試してみたい、早くボールを蹴りたい。そんな感情が浮かんでくるんじゃないでしょうか。スタジアム観戦にはそんな魔力が潜んでいます。

社会性について

 スタジアム観戦のメリット②で社会性を育むことをあげました。2万にものぼる人々が一所に集うのですから、それはもう社会です。
 例えば入場時、トイレ、スタグルを買うとき、列に並びます。通路側から座席に向かうとき、前を通れるように道を開けてもらえたらお礼を言います。点が入れば周囲の人とハイタッチしたり、会話したりもします。ごみの分別だってします。これらを、ほとんどが初対面の人々の中でやります。初対面ですが、サッカー観戦という目的を同じくする人間同士なので難易度はそう高くないはずです。幼い頃のコミュニケーションとしてはちょうどよい強度ではないでしょうか。そして家に帰れば、今日の試合がどうだったとか、あの選手がいまいちだったとか、順番に話してくれるかもしれません。

少年&少女が、また来たいと思ってくれるために

 選手は一生懸命プレーしてくれると確信していますので、サポーターの皆様にはどうか、審判や相手選手への小汚いヤジはやめて欲しいですね。自チームの選手への叱咤激励はあって良いと思いますが、特に多い審判への不平不満を大声で発するのは良くない。何の得にもなりませんし。
 これからクラブやリーグが成長していくために、既存サポーターだけではどうしようもありません。老若男女、多くの人が楽しめる空間を全員で作っていければ良いなと思います。

最後に

 少年&少女という括りでスタジアム観戦の良さを論じていきましたが、自分は29歳のアラサーです。さすがにすべてが同じということはありません。しかし、やはりスタジアムには気付きがありますそしてスタジアムには素敵な非日常が流れています。このエネルギッシュな空間を今後ももっと多くの人と共有していけるように、今後もスタジアム観戦の醍醐味を周囲に広めながら楽しんでいければと思います。




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