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丁寧な暮らしを心がける

妻が出産のために里帰りをして、早いもので5か月が経過した。既に子供は無事に生まれているのだけれど、かなり遠方なため首が座って落ち着くまでは、そのまま滞在することを決めた。結果、図らずも私の一人暮らし期間がずいぶんと長くなってきた。

1人暮らしになると、生活の中で自分に干渉する要素が劇的に少なくなった。これはよくも悪くも。

100%自分のペース、自分の時間。
なんて書くと、とても贅沢な響きがあるのだけれど、誰かと一緒に暮らしていたところから、自分ひとりの生活になると、締まりやメリハリが無くなってくる。悪く言うと、生活がたるむというかダラしがなくなるというか。

私の場合は、食事に顕著な影響があった。
妻と二人で暮らしていた時は、食事はほぼ私が作っていた。妻がリモートで在宅の時は、3食。出社時は朝夜の2食、栄養バランスとか、食感とか、彩りとか、季節とか、好みとか。けっこう色々なことを考えて献立の工夫をしていた。もともと料理を作るのは好きだったので、自分でも楽しく出来ていたことだった。


しかし、1人暮らしになると、自分のために料理を頑張る気力が全く湧いてこない。
妻がいれば、主食、主菜、副菜、汁物など、複数品目作ることが当たり前だったけれど、自分ひとりのために、そこまで頑張れない。もしそんなに作ってしまったら、3~4日は同じメニューが続く。(私は一食分だけ作るのが苦手で、どうにも作り過ぎてしまう)

だんだんと作る品数が減り、しまいにはカレーを大量に作って、毎食カレーなんてことにも。
カレーは、色々な野菜と肉を一緒にとれるし、冷凍でも保存が出来る。そして作るのが簡単と、身体に優しい手抜き料理の代表格だと思っている(こだわりまくって丁寧に作ることもできるけれど、とことん手を抜けば15分で出来る)

昼パスタ、夜カレー、昼パスタ、夜カレー。たまにカレーうどん。
季節感もない、彩りも変わらない。ただ空腹を満たすだけの食事。

こんなことを繰り返していると、料理を作ることの楽しみが減っていって、食事をすることの楽しみが減っていって、生活の中から彩りが抜け落ちて行って、味気ないものになってしまった気がする。


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そんなことを思いながら散歩をしていたら、街中だというのに、トンビの鳴き声が聞こえてきた。ふと足を止めて、もう1度よく耳を澄ましてみると、やはりトンビの声が聞こえる。まさかと思ったけれど、よく見るとビルのひさしのところに1羽のトンビが止まっているのを見つけた。

どうして街中にトンビが降りていたのかは分からないけれど、そのふとした光景を見て、心の中に余白を作る重要性を思い出した。
季節を感じたり、自然を愛でたり、自分のために一杯のお茶をいれたり。

意識をして丁寧な暮らしをすることは、健全な心身を作り維持するために重要なことを改めて思い出した。

私にとって、丁寧な食事をすることがとても大事なことを思い出した。
帰宅後、器を選ぶところから、丁寧にパスタを作った。ワンパンだけれど、ニンニクを丁寧にみじん切りにして、タコとナスを加えたアラビアータ。
たまたま買い置きしていたフォカッチャと白ワインを添えた、イタリアンなランチ。

なんか、ちょっと満たされた気分。
自分ひとりだから、まぁいいや、ではなく自分ひとりだからこそ丁寧に。ちゃんと自分のことも大切にしてあげないとなー。


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