見出し画像

“都会と地方、どっちも良い”という価値観

1年半ほど前から、人のくらしを追うくらしてんという風変わりなサイトを運営している。
私は普通の会社員なので(しかも結構堅めの会社で)、サイトでやっていることとのギャップがすごいなと思いつつ、この2足の草鞋感が自分としてはちょうどいい。

もともと学生の時も、研究に、バイト、ボランティア、イベント運営と何足か草鞋を履くのが好きだったが、それは自分のしたいことを全部やりたい、というある種のエゴからきていた。
それに対して、今の2足の草鞋に対する心地よさは、自分のカードを1つではなく、いくつか持っていたいという意識からきていると思う。
終身雇用で1つの会社にずっと属するのではなく、転職をしながらスキルを身につけてキャリアを磨いていく働き方を選んだ自分としては、会社で管理職ということよりも、何と何ができてどういう人間であるか、という生き方がしっくりくる。
仕事でもプライベートでも、できるものやしていることが増えて、最終的に手持ちのカードがたくさんある、そういう状態がいい。


“都会と地方、どっちが悪い、良いではなく、どっちも良い”という価値観

そういう意識にちょっと似ているなと思うのは、くらしてんでも取材をさせていただくことが多くなった、千葉県いすみ市の人々。
取材でも、どう地域に入り込むのか、まちの人とはどうか、というような地域へのベクトルを感じさせるエリアが多い中で、首都圏に近いこのエリアは、都会と地方のハイブリッドなくらしをしていて、どちらかというとベクトルが個人の生き方にあるような気がする(取り上げているのにそういう人が多いからなのかもしれないけれども…)。
地域をないがしろにしているわけではなく、この地域でしかできないことや地域の人との濃い繋がりの中で成立しているのだが、いすみにも居場所があり、都会にも居場所がある、そういう生き方ができる場所になっているように思う。

都会にいるときのもやもや感からいすみに移住したミツホシさんも、都会と地方のそれぞれのメリットを認め、都会でもいすみでも仕事を持っている。
いすみと世田谷で二拠点生活のフクシマさんも、都会といすみそれぞれのメリットを語っていた。
“都会と地方、どっちが悪い、良いではなく、どっちも良い”という価値観、その上で自分が追求したいくらしをする。

ワークスタイルが変わっていく世の中的なことを考えると、特に働き方に関しては場所性が希薄になっていくかもしれない。
それゆえに、これまで以上に住む場所にとらわれなくなってくるだろうし、
都会で仕事をするだけはなく、地方でも何かをしたいと思う人には、それがしやすいというエリアが重要になってくる。
今くらしてんの中でもそういうエリアはいすみだけなのだが、他にもないか、ちょっと探したい(まずは協力者探しから)。

私のこの話は、子なし・既婚の身分でのくらしの優先度ではあるが、ライフステージの変化でそれは全然変わってくるはず。
そこについてはちょっと思うところをまとめたいと思っているので、また別の機会に触れたいと思う。


くらしてん 千葉県いすみ市の記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?