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しょっちゅうやってしまうミーティング中のポカ 集中できない

僕はアメリカの製薬会社で働く日本人研究者です。仕事柄、さまざまな会議に出るのは重要な仕事のひとつです。しかし、僕には大変苦手とする部類の会議があります。自分がオーガナイズするミーティングや自分がプレゼンするミーティングは超真剣モードで臨みますし、それなりに成果を出し、貢献する自信はあります。しかし、自分の仕事とは少しかけ離れたアジェンダで開催される部門間のミーティングなど、ほとんど発言する機会はないが、一応部門の代表として参加しなければならないというような状況の希釈されたミーティングはめっちゃ苦手です。自分の関心が薄いこととなると全然集中できないのです。

集中できないミーティング

自分が貢献できないとあらかじめ予測できるミーティングには極力出ないようにしていますが、発言の場は殆どなくても部門の代表として出なければならないミーティングもどうしても発生します。僕はそのようなミーティングがとても苦手で、参加するのは未だに憂鬱です。ミーティングに出なければならないとなれば、一応、自分の仕事とは直接関係ないけど、他の部署での課題や活動を聞いて、自分の見識を広げようと、一生懸命話を聞く覚悟で臨みます。一応は。。。しかし、ミーティングが始まってみると、トピックが自分の関心事からは離れているため、全然集中できず。その内、自分の心ここにあらずの状態になります。すぐに自分の頭の中は違う場所へ飛んでいってしまうのです。「いかん、いかん、真面目にミーティングに参加しよう」と我に返っても、1分後にはまたどこかに行ってしまっていることに気づく始末。どうしても直らない!

よくある失態

その日もいつもようにプロジェクトミーティングに参加していました。自分の担当した仕事は大きな一区切りを終え、ミーティングのトピックは僕の仕事とは直接関係のないものばかり。ミーティングのトピックに関心が持てないと僕の頭の中はミーティングから飛び出して自分の空想の世界に入っていってしまいます。「いかん、いかん、ちゃんと真面目にミーティングに参加しよう」と思い直します。しかし、誰かが発したある言葉を弾みとして、また僕の空想が発展していってしまいます。「いかん、いかん」と空想の世界を何度も繰り返します。何度目かの空想の世界に浸り中、ふっと気づくと、ミーティングの会話が止まり、会議室のみんなが僕をじっと見つめていました。運の悪いことにミーティングの話題が、予想に反して僕の仕事と関わる部分に展開し、議論の展開上、僕が発言すべき状況になっていたのです。それにも関わらず、僕は誰かが数分前に発したある言葉をキーワードとして自分の空想の世界に入り込み、ミーティングの話は聞こえず、ミーティング参加者の状況を見えていない状態になっていたのでした。「うわ!またやってしまった!」と口では言わないけど、焦っている表情で、みんなには僕が、議論についていっておらず、上の空であったことはバレバレでした。少し沈黙の後、みんなにどっと笑われ、めっちゃ恥ずかしい思いをしました。さらに笑われながら、「あの~、質問内容は何でしたっけ?」と聞く始末です。
実はこれ、一回限りの失態ではなく、かなりの頻度で繰り返しており、常習犯化しています。少しは改善していきたいと思いつつ、今のところ何の特効薬もない状態。リモートミーティングでも同様の失態は繰り返され、「また今日のZoom meetingでもWhat is your question?って言ってたね」と妻にもバレている。
ただ、話を聞き逃したのだったら、笑われながらも、「質問は何でしたっけ?」と聴き直せばいいだけですし、その方が自分のペースでコメントできるので、「まあいっか!」と超無責任にポジティブに開き直ってます。不謹慎ですが、「Katsu、またか!」とみんなも分かり始めたので、自分のキャラにしてしまった方が、少々人間味もあり、手も抜けてストレスかからないなと、生存戦略化しています(失笑)。

不謹慎なミーティングの使い方

実はこのような自分の貢献の場がとても限られている希釈されたミーティングを、僕は不謹慎な方法で悪用しています。デフォルトモードネットワーク(DMW, Default Mode Network)の状態になるのにもってこいなんです。DMWとは青砥瑞人さん著の「BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは」(下記リンク参照)などで詳しく説明されていますが、簡単に言うと意識して何も考え込んでいない、ぼ~っとリラックスした状態です。ところが、そんな状態の時の方が、ストレスをかけてひねり出したアイディアとは全く異なる角度・視点からの創造的なアイディアが出やすいのです。僕にとって最もDMWの状態が得られやすいのが、週末にリラックスしてお風呂に入っている時、毎日の朝散歩の時です。リラックスしているとは言え、頭の中では何かは考えているので、潜在意識の中にある自分の関心事と結びついて、ふっと創造的なアイディアが出てくるのです。僕はアイディアを忘れないうちに、すかさず自分のメールに送るようにしています。それらは新しい研究・実験のアイディアだったり、プロジェクトの新提案だったり、Noteに書くネタだったり、プライベートの遊びや旅行のアイディアだったりします。
そして、不謹慎なんですが、僕にとってお風呂、朝散歩に次いでDMN状態が得られるのが、この希釈されたミーティングなのです。一応、最初はとりあえず、何か自分に得られるものはないかと期待を込めてミーティングに参加します。しかし、一旦、このミーティングから自分が得るものはないと悟ると、そのミーティングをDMN状態を楽しむものに転用します。意識してなるというより、集中できないので、勝手にミーティングの声がBGMとなり、空想の世界に上っていく感じです。お風呂や朝散歩には無い利点は、ミーティングで参加者が発する言葉の中から、アイディアに発展するヒントとなるキーワードがたくさん出てくることです。ミーティングの話題には全くついて行っていませんが、参加者の誰かが発したひとつの言葉がたまたま自分の潜在意識の関心事と繋がると、思いもよらなかった面白いアイディアが出てくることがあるのです。この悪用をミーティング主催者にはとても話せませんが、この時出たアイディアでプロジェクトや会社に貢献することもあるだろうと、不謹慎なポジティブさで自分を許してます。

自分の欠点を認識し、少しは改善しつつ、でもほとんど開き直ってポジティブに

自分の関心事以外は、見えない、聞こえない、集中できないというとんでもない欠点を持っている自分。
現時点で自分の関心事でない話題にもしっかり耳を傾けて見識を広めようという向上心は必要と思いつつ、しかし、自分の気質はそう簡単には直らない。少しは改善する努力はしつつ、でもこれからも失態はしつづけるでしょう。その時は、開き直ってポジティブに笑われよう! 不謹慎ながらミーティングの悪用をこっそり続けさせてもらおう! と自分の直らない気質は半分諦めて受け入れています。

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