「起業家精神」について考えてみた〜アントレプレナーシップの重要性や構成要素を解説〜
皆さん、こんにちは。
スタートアップ界隈と関わりがあれば、耳にタコができるほど効くであろう「起業家精神」という言葉。最近では英訳「アントレプレナーシップ」の方を耳にする人も多いかもしれません。
私も24歳で独立(法人設立)したのですが、当時はいろんな起業スクールに足を運び、各所のでこの言葉を耳にしました。最近では「学問」としても確立されつつあり、武蔵野大学にアントレプレナーシップ学部ができるなど、日本でも裾野が広がっている印象が強いです。
私の見解も含めて「起業家精神」の構成要素や重要性についてまとめてみました。私自身、地元の富山県のニュービジネス協議会で「起業家マインド育成委員会」に所属していおり、副委員長を務めています。中高生にも話している内容も踏まえ、なるべく分かりやすくお伝えできればと思います。
「起業家精神」とは
起業家精神とは、起業(新しく事業を始める)のために必要な考え方やマインドの総称であり、具体的な構成要素にはいろんな解釈があります。間違えられやすいですが、起業する人「だけ」のものではなく、企業で働く人や学生にも該当する言葉です。
「起業」という言葉が付くと、一気に距離感を感じてしまう人が多いかもしれませんが、私の解釈をお伝えするとすれば、自分の人生を「主人公」として生きるために必要な力だと考えています。したがって、すべての人に必要であるということもできます。
ちなみに「起業」に視点を向けてみると、先進国の中でも日本は起業に対する関心が低い国と言われています。中小企業白書によれば、日本の起業に関する無関心の度合いは、アメリカの21.6%よりもはるかに高く75.8%と群を抜いて高いと言われています。
「起業家精神」の重要性
前述した通り、日本は起業に関する関心が低い国ですが、この事実は「国際競争力の低下」を生み出しているとも言われています。IMD(国際経営開発研究所)が作成する「世界競争力年鑑」には、日本企業の国際競争力低下が顕著に示されており、特に起業家精神などを判断する「経営プラクティス」は最下位(63位)という結果です。
国際競争力が低下するとどんな問題があるかというと、一般的には貿易収支が悪化し通貨価値が下落すると言われています。近年はコロナの影響もありますが、日本は元来、エネルギーを外国に依存する国です。貿易するためには日本に所属する私たちが何かしらの価値を生み出していかなければいけません。
日本の技術力は、世界と対等に渡り合うための手段でもあります。現在の技術力は、これまでの先人たちの「知恵と努力」によってもたらされたものであり、戦後の厳しい時代をまさに「起業家精神」で乗り切ってきた結果でもあります。
今の日本は一定の経済圏が成り立っており、一定以上の人が不自由なく暮らすことのできる社会が出来上がっています。それ故に、新しく何かを興す必要性も感じにくくなっているのかもしれません。しかし、エネルギー依存国であることは現在も変わっておらず、さらには技術力の分野でも中国やインドなどの新興国に遅れをとっている部分も出てきました。
なので、これからも日本が高い国力を維持して今の生活水準をキープするためには「起業家精神」には不可欠であり、ひとりでも多くの人が新しい価値を生み出すことが求められるのです。
「起業家精神」の構成要素
起業家精神の構成要素については、様々な見解があるかと思いますが、私自身は下記の要素が必要であると考えています。
もっと複雑な要素が必要と思われるかもしれませんが、基本的には上記の要素さえあれば十分であると私は考えています。起業経験者の視点からも、何よりも大事な視点だと思っています。
新しいコトを起こそうとする力
「新しいコトを起こす」と聞くと、とても難しく聞こえるかもしれません。でも、よく考えてみれば私たち人間の成長は新しい挑戦の連続です。言語の取得や歩くことすら、以前は大きな挑戦だったはずです。
「起業家精神」「アントレプレナーシップ」という言葉そのものが難しい印象を与えてしまっていたり、起業している人たちが専売特許のように使用していることで勝手に距離感が生まれていますが、私からみれば「新しいコトを起こす」という視点でみれば、皆さんはすでに取得済みです。
リスクを恐れずに行動する力
この視点についても、私たちは生まれた瞬間はリスクだらけです。他の動物のように一定の成長を遂げた状態で生まれてくるわけではなく、限りなく他者(家族)の支援を必要とする状態で人間は生まれます。
「リスクとは何か」を学び、リスクに対する恐怖(失敗)を経験することが成長である一方で、難しいことに対する行動のスピードは少しずつ遅れていきます。思考(選択肢)が増えるからです。また、外的な動機づけによってメリットを先に考えてしまうことも行動力が衰える要因かもしれません。
あえて「行動力が衰える」と書きましたが、私自身は人間は先天的に起業家精神に必要な要素をいくつか備えて生まれてきていると思っています。繰り返しになりますが、「起業」という手段がとても難しい印象を与えているだけで、子どもにとっても起業家精神は実はもっと身近な存在なのです。
システム(循環)を生み出す力
この視点だけは後天的な要素ですが、実はこの視点が私たちに今、最も必要な観点であると私は考えています。SDGs(持続的な開発目標)も、まさにこの視点を象徴的に表現しています。
最近のスタートアップを見ていると、新しい(面白い)アイデアを称賛する傾向が強いと感じていますが、あらゆる側面から循環してこそ、初めて「仕組み」として定着します。これは特に起業家にとっては大きな課題です。
最近ではビジネスプランコンテストも「アクセラレーションプログラム」という伴走制度が設けるなど仕組みに対するサポートも増えていますが、まだまだこの視点の専門教育は不足している印象です。
これは地球規模だけではなく、組織や団体にも必要な視点です。自分たちのサービスがどんな役割を担っているのか考えることはとても大切です。個人も一緒です。その役割が明確であればあるほど、自己肯定感も高まりやすいと考えます。
「起業家精神」をもっと身近に
私がこの記事を書こうと思ったのは、この言葉やイメージが、もっといろんな人々に身近な存在になってほしいと考えているからです。それは結果として、スタートアップそのものを増やすことに繋がるかもしれません。
記事にも書いた通り、必要な構成要素のいくつかは先天的に生まれ持っていると考えていて、経験学習によってその影を潜めているだけです。つまり、新しい経験学習さえすれば、起業家精神はもっと身近に感じるはずです。
身近に感じるための方法としては、もっと「日常が挑戦である」という認識を持つことが大切です。1日として同じ日はありません。つまり、予想不可能な毎日を過ごしているわけです。何かしらの挑戦が、私やあなたの日常を支えています。もの認識や世界観が、起業家は少し大きいだけです。
私は毎日のように日記(厳密には日報)を書いていますが、それは自分自身の挑戦や気付きを記録するために書いています。その刷り込みを継続することで、自分の起業家精神を養っているのも言えるので、ぜひ皆さんにもオススメしたいと思います。
「挑戦」の機会提供
最後にお知らせですが、私の経営する合同会社ハピオブでは、インターシップや副業(複業)ができる環境を整え、多くの人が自分と向き合う、新しいコトに挑戦する機会を提供しています。高校生もいれば、社会人もいます。
あまり挑戦してこなかった人にとっては、挑戦は非常にリスクを感じがちですが、「仲間」がいれば、その不安も幾分か軽減されます。私たちの事業は「教育支援」ですので、いろんな学びが満載です。
もしも興味がある人がいれば、私のTwitterからダイレクトメッセージをいただけると幸いです。ご連絡をお待ちしています。
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