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『ワーク・ルールズ ! 』 を読んで構造化面接への理解を深めた

『ワーク・ルールズ ! 』読めてなかったので、ようやく読んだ。

読んだキッカケ

社内 Slack で、構造化面接というキーワードを何度か目にし、調べていたところ、re:Work (Google の働き方に関する様々な論考がまとめられたサイト)にたどり着いた。

すると、友人のタダケンさんから、『ワーク・ルールズ ! 』にも構造化面接について載っているという情報を教えてもらったので即ポチした。

で、読んだ。

『ワーク・ルールズ ! 』とは

めちゃくちゃ良い本だった。Google の人事制度設計に関するありとあらゆる観点が、まとめられていて、非常に参考になる。

1章 創業者になろう
2章 文化は戦略を食う
3章 レイク・ウォビゴンの幻想
4章 最高の人材を探す方法
5章 直感を信じてはいけない
6章 避難所の運営は避難所に任せる
7章 誰もが嫌う業績評価と、グーグルがやろうと決めたこと
8章 トップとボトムに注目しようーー二つのテール
9章 学習する組織を築こう
10章 報酬は不公平でいい
11章 タダ(ほぼタダ)ほどステキなものはない
12章 ナッジ/選択の背中を押す
13章 人生は最高のときばかりじゃない
14章 あなたにも明日からできること
人事オタクのためのあとがき

構造化面接はなぜ有用か

せっかくなので、構造化面接について理解したことをここに整理しておく。(構造化面接に限らず、本書に書かれてある面接や採用に関する言及はすべて参考になった。)


構造化面接に関しては、「5章 直感を信じてはいけない」の中の「科学の世紀が答えの方向性を示す」という節で触れられている。この節は、一本の論文の紹介からはじまる。1998年に公開された「面接時の評価から職務能力をいかに予測できるか」について記された論文だ。

「The Validity and Utility of Selection Methods in Personnel Psychology」


この研究では、よく行われている非構造的採用面接が職務能力の予測に不向きであることが述べられている。一方、効果の高いテストとして、「ワークサンプルテスト」「一般認識能力テスト」「構造的面接」が挙げられている。


『ワーク・ルールズ ! 』では、この3つの中でも「構造的面接」が特に「公正な」面接方法である、と紹介されている。


「ワークサンプルテスト」は、以下2つの理由によって、実施難易度が高い。

・実際の職務能力は、他人との協調など様々なスキルに左右される

・ふさわしいワークサンプルテストがあまり存在しない

※もちろん、これはワークサンプルテストが使えないという意味では全くなく、ワークサンプルテストを準備しやすい職種によっては、実施することが望ましいことが本書でも述べられている。


「一般認識能力テスト」では、特定人種を差別する可能性がある問題について指摘されていた。

「Stereotype Threat and Women's Math Performance」


一方、「構造的面接」は、「一般認識能力テスト」に並ぶ精度を持ち、なおかつ、最も公正な面接方法であると受け止められることが分かったそうだ。

では、構造化面接とは一体なんだろうか。


構造化面接とは

構造化面接は大分すると、行動面接状況面接に分かれる。

行動面接は、「過去の自分の成果について説明すること」で、状況面接は、「仕事に関する仮想的な状況における回答を求めること」だ。


「・・・したときのことを述べてください」が、行動面接。

「もし、・・・だったらどう行動しますか」が、状況面接。


また、これらの質問に対する回答を評価するための明確な基準を予め準備しておく。

つまり、事前に、質問や回答の評価基準を準備する必要がある。また、この一連の手順をまとめ、面接者には、その手順を守らせる必要もある。


『ワーク・ルールズ ! 』では、このように準備が非常にたいへんな点が、構造化面接が多くの企業で実施されていない理由の一つではないかと指摘している。


本書では、他にも面接や採用に関する有用な情報が多数まとめられており、人事担当者は必読の一冊ではないか、と思った。

・面接の回数は、何回がベスト?
・問うべき質問をどう選ぶか?
・採用か、教育か

おすすめでした。ぜひ。


ちなみに、『How Google Works 』もGoogle がどうやってつくられているかを理解するにあたり、非常に有用な一冊でおすすめです。


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