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フェルナンド・カブサッキ ツアー2016 に向けて。3

連載第三回「日本には僕を待っている友達がいるんだ。」ver 3.1

2005年の、僕と山本精一さんのブエノスアイレス滞在はとても想い出深い経験になりました。

フェルナンド・カブサッキの手配で、僕らが共演したいと願っていた「アルゼンチン音響派」の最重要人物達とレコーディングとライブをする事が出来たのです。その登場人物とは、アレハンドロ・フラノフ、サンチャゴ・ヴァスケス、モノ・フォンタナ、そしてフェルナンド・カブサッキの4人。

レコーディングはブエノスアイレスの由緒ある大きなスタジオが手配されていました。そこで僕ら6人(アルゼンチン勢4人+山本さんと僕)はスタジオの中で円形を描くように、それぞれがそれぞれを見えるように内向きにセッティングします。楽器の音もそれぞれの後ろにスピーカーやアンプを置いて、お互いの音がそれぞれの場所から聞こえるように配置して、ヘッドフォンをしないでライブのように全員一緒に即興演奏をする事にしました。ほとんどのセッションは「さあ始めよう!」などという合図も無く、誰からとも無く自然に音が出て来て、誰かがそれに音を重ねるとまるで自然に湧き出て来る泉のように音が現れては繋がり、紡がれて行ってはいつしか終わる。そのタイミングだけははっきり全員で共有する事が出来るので、終わると休憩になります。その間はいろんな話や冗談が飛び交って笑いが絶えない。時にはスペイン語のジョークを説明してもらいながら(イタリア語でまくしたてるレゲエMC、という小ネタに爆笑したり)アルゼンチン名物マテ茶を飲んで、エンパナーダ(empanada)という小振りな具入りのパイをつまみます。ここは地球の裏側の言葉も違うブエノスアイレスだというのに、何故こんなにリラックスして過ごせるのだろうかと疑問に思う事すら無く時間は過ぎて行きます。そしてまた誰からともなくセッションが始まるのです。

2日間に及んだこのレコーディングセッションで特に強い印象を受けたのが、キーボードのモノ・フォンタナでした。

      モノ・フォンタナ

そもそも全員が非常に優れた演奏家/音楽家であり、ほぼ全員がマルチプレイヤーで、音を選ぶセンスやタイミングに一つの無駄も無い様に思えるアルゼンチン勢の中でも、モノは極端に音数の少ない人だった。セッションが自然発生的に始まり音が立ち上がって行く時に、モノは両手を膝に置いたままじっと聞いている。しばらくして、お!モノが動いた!と思うと、なんとそれは他のメンバーに指示というかアイディアを出して伝えるジェスチャーだったりする。アレハンドロに「歌えば?」とか、サンチャゴに「こんなテンポで」とか、そっと伝える。そしてある時、さっと鍵盤に指を置いたかと思うと溢れるように新しいアプローチを提示して必ず流れを変えてしまう。皆がそれを受け取って音楽が展開するとまた手を離し、じっと聞いている。

そんなモノの事を他のメンバーがとても尊敬している様子がはっきりと伝わって来ました。

彼は閉所が苦手なのか飛行機に乗れない、と言うのです。「だから、僕は日本に行くことが出来ない。また次もお前達がブエノスアイレスに来てくれ!」「もちろんだよ!」と、モノと交わした約束から10年が経ってしまいましたね。もちろん、約束は守るつもりです。

さて、アレハンドロ・フラノフについてもちょっと。

アレ(と、僕らは呼びます。)と会ったのはフェルナンド、ファナ・モリーナと3人での、2002年の初来日の時が初めてです。その滞在中、何度も演奏したり食事をしたり一緒に過ごす時間が有って、とにかく静かにニコニコ笑っているという印象が強く残っていました。と言うかそれに尽きるんですね。笑う、と言っても爆笑しているとか、騒々しい感じではなく、いつも微笑んでいる。もの凄くキラキラした澄んだ目でニッコリとこちらを見ている。とにかく黙って微笑みかけている、天使か妖精のような笑顔で。

と思っていたら、後で考えたらその時のアレは英語がほとんど話せなかったのです。イエス、ノーとサンキューくらいしか解らない。だから黙って笑っているしか無かったのかと思っていたら、半分はそうで、半分は違っていたという事がこの時ブエノスアイレスに行ってわかったのでした。

2年振りに再会したアレは(2003年のファナ再来日にも同行していた)、かなり英語が話せる様に成っていました。しかも自分の国にいる訳ですしよく喋るのです。でも、あの天使のような笑顔は変わらない。どころか、その妖精っぷりが炸裂していました。

    アレハンドロ・フラノフ

スタジオで、フェルナンド、サンチャゴ、アレ、モノ、と山本さんとの、あるセッションの時。

即興でのレコーディングセッションは止まる事なく1時間にも及び、その長い1曲の全員の音の会話がようやく収束に向かっている事を感じながら、静かに静かに終っていこうとしている緊張感を皆が感じている。その時、スタジオの中で携帯電話が大きな音で鳴り出した。全員、驚きながらも演奏は止めずに、「一体、誰の電話なんだよ!」と目で追っていたら、アレが悪びれた様子も無く演奏を止めて携帯を手にして普通に電話に出たんです。しかも、「今、スタジオなんだよー。」と声を潜めるでも無く話しながらスタジオから出て行ったのでした。バターンと閉まるドアの音。もちろん、録音中です。

それでも静かに演奏は続いています。セッションは程なく終り、全員が「アレハンドロ、、、、」といった雰囲気で静まりかえっていたら、やっぱり笑顔でマテ茶かなんかを飲みながらアレは戻ってきました。

無邪気にも程が有る、と思いましたね。

モノにしてもアレハンドロにしても、全身音楽家というか、音楽そのものが人間の形に具現化して表出した人のようでした。モノはいわゆる音楽教育は一切受けていないそうです。子供の頃から身近なものをいつも叩いていて「猿(mono)」というあだ名がついた。そしてドラマーとして音楽家になった彼がある時、スタジオに落ちていたジャズピアニスト、ビル・エバンスの曲の譜面を拾って帰って、それを家でずっと眺めていたらいわゆる理論というか、コードの考え方や記譜法などの総てを理解したそうです。そうして彼は独学でピアニストになった、と。これは「天才」と尊敬されるモノの知る人ぞ知るエピソードです。おそらく、どんな楽器でも弾きこなすアレハンドロも同じように成長したのではないか、と思わせるのに疑いを挟ませない天然っぷりでした。

この時の数十時間に及ぶセッションは編集されて「BUNOS AIRES SESSION #1 CHICHIPIO」「BUENOS AIRES SESSION #2 IZUMI」という2枚のアルバムに結実します。


 「BUENOS AIRES SESSION #2 IZUMI」

そして、このメンバーに更にドラムスのフェルナンド・サマレアを加えた「アルゼンチン音響派オールスターズ」とも言うべきメンバーとのライブも行われました。ブエノスアイレスに着いてから受けた様々なメディアの取材の効果もあってか、500人くらいは余裕で入る大きな会場は満員になり、しかも地元テレビ局の中継も入っています。そこに「アルゼンチンロックの神様」チャーリー・ガルシアまで現れたので、とても緊張感のある、特別な忘れられない一日になったのです。

ちなみにライブ終了後、登場した時よりも更にご機嫌にべろべろになっていたチャーリーさんが「俺の車に乗れ。送って行ってあげよう!」と言ってくれたのですが、無事に帰れる気が全くしなかったので、丁重にお断りして山本さんと歩いてホテルまで戻りました。

2006年にはフェルナンド・カブサッキ、アレハンドロ・フラノフ、サンチャゴ・ヴァスケスの3人を日本に呼んで、山本精一さんと僕とで5人編成のバンドとなって国内ツアーを敢行します。

左から、サンチャゴ、山本精一さん、アレハンドロ、勝井、フェルナンド(2006年、浅草アートスクエアでの来日初ライブの終演後。アレハンドロをブッダに見立てて、「師匠とその弟子達」というつもりでポーズしています。)


そして、サンチャゴ・バスケスについても、ちょっと。

本当に素晴らしいプレイヤーです。音色の選び方のセンス、ここぞというタイミングで絶妙なアプローチで入って来る判断と瞬発力、それを支えるテクニックと知識。彼はかなり裕福な家で育ったらしくて、アメリカの音楽大学で音楽理論を学んだというインテリです。しかも、かなりのハンサム・ガイ。クールな2枚目、と思っていたんですが、来日するまでは。

2006年に来日したその初日にみんなで一緒に食事をしました。おおーっ!遂に来たかーっ!!!元気だったか?などと近況を尋ね合い、さあ、飯喰いに行こうと歩き出したら、後ろからそれは聞えて来た。

「ッゲッゲッゲ ポワーン ポワーン クワッ クワッ ッゲッゲッゲ ダガデガダガガ ダガダ ポッポ ンポッポ」

アレとサンティがユニゾンで大声で歌っている。

勝「なにそれは?」

カブ「彼らのニューソングだそうだ。」

クールな2枚目の、、、ニューソングがこれか、、、。

お店について、飲み物が来て、サンティが言いました。

「ボンサーイ」

全員「カンパーイだろっ!!」

というお茶目な面も有りますが、現在は2006年から始めた「la bomba de tiempo」というパーカッションアンサンブルが大ブレイク。押しも押されぬ大スターになっているようです。

   サンチャゴ・ヴァスケス



ツアー最終日にはROVOと合流して、そのライブを録音して発売に向けて動き出します。そして、2007年に「ROVO with Alejandro Franov + Fernando Kabusacki + Santiogo Vasques / LIVE at 東京キネマ倶楽部 7/7 2006」を発売しました。

「ROVO with Alejandro Franov + Fernando Kabusacki + Santiogo Vasques / LIVE at 東京キネマ倶楽部 7/7 2006」


ここまでの5年くらいの時間は止まらずに走り抜けている様な感覚でした。

しかし、そうこうしているうちに、本国アルゼンチンでの彼らの音楽活動の評価に変化が出て来ます。

ファナ・モリーナは来日を機に日本でブレイク。それからは様々な所から声がかかり、いろいろな人達との共演の機会に恵まれていきます。更に日本の次にはアメリカ~ヨーロッパでも大きく注目されて、遂に本国でも大きな評価を受けるようになりました。

サンチャゴ・ヴァスケスは自身の企画したパーカッションアンサンブルのグループのライブが大ブレイク、毎週行われるそのイベント「la bomba de tiempo」には毎回2000~3000人もの人が集まるようになっていきます。

カブサッキは「アルゼンチンロックの神様」チャーリーガルシアのバンドでギターを弾いたり、以前から続けている無声映画に即興演奏でサウンドトラックを付けるというプログラムが高く評価されて、彼のドキュメンタリーなども制作されるようになりました。

僕はといえば、ROVOで国内や、アメリカ〜ヨーロッパのツアーなどしながらも、フェルナンド、アレハンドロ、サンチャゴ、山本さん、僕での5人編成のバンドで、北米~南米~ヨーロッパ~日本というツアーを企画しようとしますが皆が忙しくなった事も有り、なかなか実現に近づけずに少し時間が経ってしまいます。(ちなみに、この計画もまだあきらめてはいません。)その間もカブサッキとはずっと連絡を取り合っていて、なかなか実現しないバンド編成のツアー企画とは別に、久しぶりに一人で日本に行き日本の音楽家とセッションしたいという彼の強い希望で、2011年に久しぶりの日本ツアーを一緒に企画します。予定は4月。久しぶりのカブサッキ来日に日本各地の音楽家やオーガナイザーのみなさんがとても協力してくれて、かなり長い期間のツアーを組む事が出来ました。

しかし、直前の2011年3/11 東日本大震災が起きてしまいます。

カブサッキの家族、彼の周りの友人達は全員日本へ行くことを止めたそうです。「今、日本に行くなんてクレイジーだ!」と。それはそうでしょうね。当然の反応です。

しかし彼はこう言ったそうです。


「日本には僕を待っている友達がいるんだ。だから僕は日本に行く。」


そして、2011年4月に彼はやって来ました。久しぶりのカブサッキのこのツアーは大盛況になり、翌年以降も再び連続して来日するようになり、今年のツアーを迎えます。


続く

勝井祐二


フェルナンド・カブサッキの来日ツアースケジュールはここで。↓

http://kabusacki.blogspot.jp/


フェルナンド・カブサッキ ツアー2016 スケジュール

4/7 名古屋 TOKUZO

PIKA × 勝井祐二 × 大友良英/SUN・RA・NEW リリースツアー × フェルナンド・カブサッキ ジャパンツアー

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)PIKA(Guitar Vocal and Drums) 大友良英(Guitar) 勝井祐二(Violin)

open 18:30 start 19:30start 前売り¥3000 当日¥3500

予約 : 052-733-3709

http://www.tokuzo.com/schedule/2016/04/07/


4/8 大阪 伽奈泥庵

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)山本精一(Guitar)、勝井祐二(Violin)

open 18:30 start 19:30start 前売り¥3000 当日¥3500

予約 : 06-6764-6483

http://kanadian.org/


4/9 京都 アバンギルド

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)山本精一(Guitar)、勝井祐二(Violin) senoo ricky(D)

w / 数えきれない

open 18:30 start 19:30start 前売り¥3000 当日¥3500

予約 : 075-212-1125

http://www.urbanguild.net/top.html


4/10 神戸塩屋 旧グッゲンハイム邸

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)山本精一(Guitar)、勝井祐二(Violin)、Haco(Voice,electronics)、森本アリ(electronics,etc)

open 18:30 start 19:30start 前売り¥3000 当日¥3500

予約 : 078-220-3924

http://www.nedogu.com/


4/11 滋賀近江八幡 酒游館

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)ソロ

open 19:00 start 19:30 前売り¥2500 当日¥3000(Drink付)

予約 : 0748-32-2054

http://www.shuyukan.com/sakedelic/index.html


4/13 元住吉POWERS2

FERNANDO KABUSACKI and Friends Super Session #1

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)松下マサナオ(Drums from Yasei Collective)ナカコー(Guitar,etc)ナスノミツル(Bass)勝井祐二(Violin)内田直之(Mix)

open 18:00 start 20:00 前売り¥3000 当日¥3500

予約 : 044-455-0007 powers_two@ybb.ne.jp

http://www.realmusicjapan.com/%E2%98%85fernando-kabusacki-and-friends-super-session%E2%98%85/

4/14 元住吉POWERS2

FERNANDO KABUSACKI and Friends Super Session #2

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)沼澤尚(Drums)大野由美子(Bass from buffalo daughter)シュガー吉永(Guitar from buffalo daughter)勝井祐二(Violin)内田直之(Mix)

open 18:00 start 20:00 前売り¥3000 当日¥3500

予約 : 044-455-0007 powers_two@ybb.ne.jp

http://www.realmusicjapan.com/%E2%98%85fernando-kabusacki-and-friends-super-session%E2%98%85/


4/16 札幌 PROVO

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)+勝井祐二(Violin) デュオ

w / 臼井ミトン(Vocal,Guitar,Keyboard) with 中條卓(Bass)+沼澤尚(Drums)

open 18:30 start 19:00 3000円+1Drink

予約 : yossy.fes@gmail.com

http://provo.jp/about/


4/17 新宿Pit inn

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)七尾旅人(Vocal,Guitar,etc) 勝井祐二(Violin)

open 19:30 start 20:00 ¥3000+税(1DRINK付)

予約 : 03-3354-2024

http://www.pit-inn.com/index_j.php


4/18 下北沢440

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)沼澤尚(Drums) ナカコー(Guitar,etc) U-zhaan(Tabla) 勝井祐二(Violin)

open 19:00 start 19:30 前売り¥3000 当日¥3500 (1order別)

info 03-3422-9440

http://www.club251.co.jp/440/

4/19 下北沢440

フェルナンド・カブサッキ(Guitar) with KOMA(劫魔)

KOMA are 勝井祐二(Violin) U-zhaan(Tabla) 益子樹(Synthsizer,Guitar) 千住宗臣(Drums)

open 19:00 start 19:30 前売り¥3000 当日¥3500 (1order別)

info 03-3422-9440

http://www.club251.co.jp/440/


4/22 吉祥寺キチム

『カブサッキ と パンダ と あそぼ!』

~ 一人とか二人とか全員とか、音とか絵とかアルゼンチンワインとか ~

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)原田郁子(Vocal .Piano)テニスコーツ(さや Vocal.Keyboard 植野隆司 Guitar,Vocal.Drawing)パンダ(chorus)

open 18:30 / start 19:30

料金 3500円+500円(1drink)

予約メール : yoyaku1@kichimu.la

http://www.kichimu.la/file/kabusacki.htm


4/23 千駄木Bar Isshee 

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)+内橋和久(Guitar)デュオ

open 19:30 start 20:00 投げ銭制(別途チャージ ¥500 + 1order )

予約 : barisshee@keh.biglobe.ne.jp

http://www.bloc.jp/barisshee/


4/24 下北沢440 ランチライブ

フェルナンド・カブサッキ(Guitar)+勝井祐二(Violin) デュオ

open 12:30 start 13:30  ¥2000+1 order

info 03-3422-9440

http://www.club251.co.jp/440/



フェルナンド・カブサッキ プロフィール

フェルナンド・カブサッキ(Fernando Kabusacki、1965年 - )は、アルゼンチン、ロサリオ出身の“アルゼンチン音響派”を代表するギタリスト。1965年、アルゼンチン・ロサリオ生まれ。5歳の時に手にした2弦ギターをきっかけにギターを始める。10代でパンクと出会い、バンドを結成。1988年に渡英し、キング・クリムゾンのロバート・フリップ創設のワークショップへの参加。リーグ・オブ・クラフティ・ギタリスツ(LCG)の一員としてフリップの世界ツアーにも度々帯同した。1991年より、ブエノスアイレスのフィルム・アーカイヴと共同で、無声映画のサウンドトラックを即興演奏する不定形のプロジェクト、ナショナル・フィルム・チェンバー・オーケストラを立ち上げる。1992年、LCGの主要メンバーのエルナン・ヌニェスとスティーヴ・ボールとともに、ベルリンでロス・ガウチョス・アレマネス(以下LGA)を結成。断続的に活動を継続している。LGA以外でも活発に活動。1995年からフォルクローレ・シンガー、リリアナ・エレーロのバンドでギタリストを務める。1998年には初のソロ・アルバム『Houses I』を発表。この頃からアレハンドロ・フラノフ、ファナ・モリーナ、モノ・フォンタナらと頻繁に共演を重ね、お互いの作品に参加するようになる。

2002年には、ファナ・モリーナのサポート・ギターとして初来日も果たした。関連作品も次々に紹介され、「アルゼンチン音響派」の最重要人物として一躍注目を集める。これをきっかけに日本の様々なアーティストとの交流を深め、山本精一や勝井祐二をはじめ、大友良英、原田郁子、バッファロー・ドーター、UAらと積極的にコラボレーション、共演を行なっている。

1998年から2011年の『LUCK』まで、多数のソロ・アルバム、コラボレーション・アルバムを発表。また、長短編映画やアニメーションのための作曲も多数行っている。

アルバム

• Kabusacki | Houses I (1998年)

• Kabusacki | The Planet... and its beings (2000年)

• Kabusacki III | Luz de Oro de Chiporrita (2002年)

• Kabusacki 4.5 | Together (2003年)

• Kirie: Kabusacki Tokyo Session (2004年)

• Kabusacki 6.1 | La Maravilla (2005年)

• Kabusacki 7 & 8 | The Flower & The Radio (2006年)

• Kabusacki 9.0 | ND Live (2008年)

• Kabusacki 10 | Luck (2010年)

• Kabusacki 11 | The Champion (2014年)

コラボレーション・アルバム

• La National Film Chamber Orchestra plays Murnau´s Faust Live Kabusacki, Mono Fontana, Mussa Phelps and Ale Franov (2002年)

• Mar Azul Nuria Martínez / Fernando Kabusacki / Valdo Delgado (2002年)

• Musik From the Red Hills Nisenson-Kabusacki-Dawidowicz (2002年)

• Live at Kanadean Kabusacki, Yamamoto, Takashi Kojima and Yoshitake Expe (2004年)

• The 10 Oxherding Pictures Kabusacki, Kei, Dub Marronics & Yoshitake Expe (2005年)

• Chichipío Kabusacki, Franov, Katsui, Yamamoto, Fontana, Vázquez (2005年)

• Izumi Kabusacki, Franov, Katsui, Yamamoto, Fontana, Vázquez (2006年)

• Live at Kinema Club Tokyo Rovo + Fernando Kabusacki + Santiago Vazquez + Ale Franov (2008年)

• Commendatore Los Gauchos Alemanes (2008年)

• Al limiti del mondo Fernando Kabusacki and Fernando Samalea (2011年)

• PHON vol.1- Improvised Session 2011.05.01 Fernando Kabusacki and Otomo Yoshihide (2011年)

Fernando Kabusacki (Rosario, Argentina, 1965) plays electric, synthesized and acoustic guitars and currently lives in Buenos Aires. He is one of the most innovative guitarists in Argentina's new music and rock scene.

Kabusacki recorded and played with musicians from different backgrounds such as Charly Garcia, María Gabriela Epumer, Juana Molina, Marina Fages, The Orchestra of Crafty Guitarists, Vernon Reid, Francisco Bochaton, Flopa, Liliana Herrero, ATirador Laser, Fernando Samalea, Maria Eva Albistur, Nikada, Migue Garcia, The Electric Gauchos, Mono Fontana, Robert Fripp & The League of Crafty Guitarists, El Tronador, Nahuel Briones, Roger McGuinn, Mussa Phelps, Hermeto Pascoal, Axel Krygier, Maxi Trusso, Santiago Vazquez, Alejandro Franov, Roxana Amed, Juan Ravioli, La Congreso World Templation and many others. In Japan he shared the stage with musicians like Seiichi Yamamoto, Yuji Katsui, Buffalo Daughter, Saicobaba, Haco, Kei, China, Yae, Yoshimi, Miu Sakamoto, Jyoji Sawada, Tenniscoats, Yoshitake Expe, Otomo Yoshihide, Dub Marronics, Pika, Miho Hatori, Nanao Tavito, Kazuhisa Uchihashi, Kido Natsuki, Yasuhiro Yoshigaki among others.

Kabusacki is one of the founder members of Los Gauchos Alemanes, a guitar trio that toured extensively through Europe, United States and South America with british guitarist Robert Fripp.

Kabusacki performs playing music for silent films with La National Film Chamber Orchestra (currently residing at Museo de Arte Latinoamericano de Buenos Aires, Malba) and composed several original soundtracks for animations, short films and movies collaborating with directors like Pablo Rodriguez Jauregui, Julia Solomonoff, Lucia Cedron, Ernesto Livon Grossman and Jorge Caterbona.

Kabusacki released 9 CDs as a solo artist: Houses I, The Planet and its beings, Luz de Oro de Chiporrita, Together, La Maravilla, The Flower and the Radio (relased in Argentina and Japan), ND Live, Luck and The Champion (relased in Argentina and Japan). In Japan 6 collaborative records have been released: The Planet Transport, The Ten Oxherding Pictures, Kirie (Kabusacki Tokyo Session), Chichipio, Izumi (produced in collaboration with Yuji Katsui and Seiichi Yamamoto) and "Live at Kinema Club Tokyo" (Rovo + Franov/ Kabusacki/ Vazquez).

Currently plays, tours and records with Kabusacki Band, Sumo x Pettinato, Robert Fripp & The Orchestra of Crafty Guitarists, Marina Fages, Fernando Samalea, Rayos y Centellas and La National Film Chamber Orchestra.