片方の手浴でも反対側の手が潤う!
はじめに
このマガジンでは、現場で活躍している看護師の方々に向けて、研究論文を紹介します。看護師がいきいきと輝いてい看護を提供するために、私ができること。微力ながらお手伝いいたします。
1,「手」から始まる『看護師 ikiikiプロジェクト』
私は、「看護」という職業しか経験がありません。
動機も「生涯に渡ってできる仕事」だと思ったからです。でも、看護師になって10年くらいして、やっと看護職について良かったと思うようになりました。
看護師になって20年過ぎた頃から、もっと看護師がいきいきと看護実践するために私にできることが無いか と考えるようになりました。
『看護師 ikiikiプロジェクト』
そこで私が、以前から注目しているのは看護師の「手」です。
看護師の「手」は、
患者の熱や血圧、脈拍などを測るフィジカルアセスメントの場面、点滴や創傷の処置などの治療の場面、シャンプーやおむつ交換、食事介助など日常生活の援助の場面、苦しい検査や手術などの苦しく辛い気持ちを緩和できるよう患者さんの身体を支えたりさすったりする場面など、
看護技術を提供する際に必要不可欠なアイテムであると言えます。
そして看護師が「白衣の天使」になるためには、
看護師の「手」の効用を看護師自らが理解しておく必要があるのでは無いでしょうか。
私は、それに気づき、実践できている看護師にしか見えない「看護の景色」があると思っています。
そして、その「看護の景色」が見えている看護師は、必ずいきいきと素敵に美しく輝いていいます!
ここまで、看護師の「手」の効果について述べてきましたが、看護師の「手」の効用に関する研究は、次回以降に紹介します。
初回は、患者さんの片側の「手」を手浴するだけで両手がポカポカになりスベスベに潤ったという興味深い研究を紹介します。
看護師の皆様、とっても簡単な技なので、是非読んで実践してみてください。
2,論文紹介:「片側手浴による皮膚保湿効果」
3,この研究の結論
42℃・10分間の片側手浴は、体温調節機構の発動により、対側前腕の皮膚表面温の上昇、つまり皮膚血管の拡張・皮膚血流量の増加を生じさせ、角質細胞間及び汗腺への水分供給を行なうことにより、角層水分量増加をもたらしたと解釈された。
つまり、片方の手浴(42℃・10分)でも、反対側の手の血増加と保湿効果があったということです。これは、生理学的に副交感神経が優位になったということなので、リラックス効果もあったと思います。(研究の評価項目にはなっていませんでしたが。。。)
たった、片側の手浴だけで
マッサージや保湿剤を塗ったりしなくても、血行促進と保湿が60分間持続したというのも興味深いです。
更に興味を引いたのは、サウナや43℃以上の温熱刺激ではこの効果が発揮されないと示唆されたことでした。
おわりに
「看護師 ikiikiプロジェクト」の投稿では、看護実践で役立つ論文を紹介します。科学的根拠が必要な看護現場において、看護師の皆様に役立つ情報を提供していきます。
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