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【2019年版】タイの個人輸入ビジネスの最新状況

こんにちは。

仕事でタイにいってきたので、タイと日本の間の個人輸入をちょっとかじってみたので、それをまとめさせていただければと思います。

1,個人事業の輸入事業のはじまり

個人の輸入ビジネスというのは、古くは戦後の高級ブランドバックの並行輸入に始まり、大きなビジネスになってきている。

私の直接関わったところでいえば、初期のインターネット通販。

初期のアパレル屋さんたちは、ロサンゼルスの問屋街に行き、リーバイスのデニムのパンツ(ジーパン)を仕入れ、ヤフオクで販売していたらしい。

 -アメ横での      売価8,000円

 -ヤフオクの落札相場5,000円

▼個人輸入の収支

-アメリカでの購入単価は20~25ドル。

※スーツケースには、50本のジーンズが入る。

-スーツケースの飛行機への追加持ち込みは、2万円の追加費用。

ジーンズの輸入業は、ほぼノーリスクで確実に利益に化ける手堅い事業だった。

この個人のお小遣い稼ぎの延長線にあった個人輸入業は、気がつくと、ジーンズの人気の低落や事業者の流入もあり、1本辺りの売価が3,000円前後まで落ち込み、市場が崩壊した。

ロサンゼルスの繊維問屋街の後に台頭したのが、ロサンゼルスのプレミアムアウトレットからの仕入れだ。未だに、BUYMAなどでは仕入れている人が多いかもしれないが、あちらのプレミアムアウトレットは日本と比較にならないほど安い。私の知り合いは、プレミアムアウトレットで仕入れた商品をヤフオクで販売しただけで、月収が200万円(売上でなく利益)を超えたというほどの盛況ぶりだった。未だにロキシタンの並行輸入業者は、ロサンゼルスのプレミアムアウトレットで仕入れをしているのではないではないか。

この後、ダウニーの輸入戦争が様々な商社の間で起きるが、個人事業者は、ダイエット系のサプリ、ED系の薬、筋肉関係のプロテインなどなど、小さい市場で細々と生き残っているというのが、いわゆる個人の輸入ビジネスについての変遷かなと思います。


2,タイと日本の間の輸入事業

楽天市場で働いていた時に、よく雑貨屋さんを開きたいという相談を受けた。女性はとにかく雑貨屋さんが好きらしい。女性から、タイ雑貨を扱いたいという相談をよく受けた。

往々にして、この手の雑貨屋さんは失敗する。「雑貨」というカテゴリーは、個人の嗜好が強く出るため、店主と似た嗜好を持つお客さんに出会うのが難しい。一方で、そのお客さんを探すためのコストを価格に転嫁するのは非常に困難だ。

たとえば、おしゃれなキャンドルが欲しいとする。そのキャンドルの形や香りはどうなのか。「どうしても欲しい」とならない限り購入にはつながらない。だから、顧客の探索コストは高いが、価格に転嫁できないため、事業構造的に破綻している。

一方で、たとえば「サカゼン」のように、体の大きい人専門の洋服屋さんというニッチな商売は、お客を探すコストは高いが、一方で、お店を見つけてもらえれば、買ってもらえる可能性は高い。しかも、競合が少ないため、リピート率も高く探索コストを吸収しやすい。

雑貨好き女子を吸引して大成功しているのは、年商非公開(公開時の年商は85億円)お茶を販売しているルピシアあたりだろうか。

さて、話はだいぶ脇にそれましたが、タイ雑貨を扱いたい女性にはよく遭遇した。そして、その多くが失敗をしていた。なぜ、多くの女性がタイ雑貨を販売したがったのかということがよくわかるタイ旅行でした。


この辺りが女性たちがタイの雑貨屋をやりたがった理由かと思います。

1,ロサンゼルスと比べると、距離が近いため、タイ=バンコクへの渡航者は非常に多く、日本陣の渡航先ランキングで5位。

2,物価が安く、仕入れ販売するイメージが付きやすい。

ただ、日本人がタイ雑貨屋をやりたがるものの、タイ人女性がタイ雑貨屋をやりたがる例を聞いたことはありませんでした。日本在住のタイ人の女性たちは、雑貨屋ではなく、主にマッサージ屋さんを開いていたのではないでしょうか。

ただ、最近、このトレンドが明らかに変調が見えてきました。日本に住むタイ人女性たちが熱帯魚屋さんをオープンし始めるようになってきました。


なぜ、タイで熱帯魚かといえば、安く熱帯魚が仕入れることが出来る体と思います。

 1,東南アジアでの熱帯魚飼育はヒーターが不要

 2,人件費が安い

以前からタイのお隣であるインドネシアは、アロワナの一大産地として有名でした。現在、タイは経済成長もあり、熱帯魚の国内消費が活発になってきたこともあり、熱帯魚生産/消費が拡大しているのかもしれません。

タイにはチャックチャットマーケットという世界最大の市場があります。その一角はペットを専門に販売する区画があります。その区画の中に熱帯魚を売る専門店街があるのですが、熱帯魚の専門店だけでも、少なく見積もっても数十軒はありました。

この熱帯魚の市場に行って驚きました。日本で15,000円程度で販売している魚(ジャイアントベタという熱帯魚)が1,000円程度で販売されていました。これが日本に住むタイ人女性たちが熱帯魚を売る理由なのでしょう。

※店頭で販売されている売価が15,000円。ヤフオク等だと死んでも保証が受けられないなどの理由から、もっと安い値段で流通しています。

写真にある100というのは100バーツ=350円相当。この魚も日本の熱帯魚屋の店頭価格は3,000円相当か。

日本国内の熱帯魚の相場とタイの熱帯魚の相場に大きな違いがあることにタイ人が気付き、一気に市場大しているというところかもしれません。
ただ、日本の流通価格という観点から考えると、在庫リスク死亡リスクを踏まえると、仕入れ価格の3倍は妥当な金額だと思われます。そのため、原価350円で売っている熱帯魚を商社が仕入れ、商社が日本の熱帯魚屋に販売するので、価格が現地価格の9倍になるのは妥当なところかなと思われます。

ただ、このブームが異様なところはリアルタイムで市場が動いているところです。私がタイに居た2週間前のタイミングで、このタイプの熱帯魚が5,000円を超える値段でヤフーオークションで落札されていました。、その落札から2週間後。同種の魚を出品する人が急増し、5人が出品をしています。そのため、落札価格は急速に落ち込み、現在3,500円になっています。なお、この魚の原価は100バーツ=約350円。


このことから2つの事がわかります。

○需要が少ないため価格が不安定

○高値落札情報を元にリアルタイムに発注を行う業者が複数人存在

※タイから日本への輸入には宅配便で3日程度必要です。

なお、私も400バーツ=1,500円程度で購入した熱帯魚をヤフオクで5,000円で落札されています。死亡や売れ残りのリスクを考えると、少し金額が低い気もしますが、お小遣い稼ぎとしては十分な金額かと思います。

なお、こちらは専門店というより路上販売。先程のタイの世界最大の市場チャップチャットマーケットのペットの区画にありました。

ベタという魚を専門に販売していましたが、1匹あたり10バーツ=35円相当で販売していました。この中で、厳選した魚に6,000円の値段がつきました。

恐らく、日本に住むタイ人が熱帯魚の養殖場から仕入れる値段は10バーツ程度の値段なのでしょう。これは非常に儲かる商売です。

今後、タイ人が営む熱帯魚屋さんがどんどん増えてきそうな予感しかしません。






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