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【経営者必読】不況の時にこそ準備すべき、次の一手

先日、顧客経営陣から、「コロナで仕事がない時だからこそ考えるべき、時間の使い方」というテーマで講演を頼まれました。だいぶ好評だったようなので、文章に起こしました。

不況についてのシンプルな考え方は、

 1,景気は必ず良くなる

 2,不況のサイクルはどんどん短くなっている。

図1

直近の不況であるリーマンショックは、最悪期は2年。3~5年で不況より前の水準に戻しました。コロナのインパクトが大きくても、3年もあれば以前の水準に戻ります

経営者が知るべき、不況からの脱却の仕方。それはイノベーションです。

不況というのは、難しい言い方をするなら社会秩序の再構成。

要するに、不況って、こういう話です。

   好景気のとき 1個120円で商品が売れていた

   不況のとき  同じ商品が80円でも売れない。

という話になった時、普通の商流を築いていた会社は、商品が売れなくて、倒産します。

この倒産した会社の倒産品を買い叩くことで、1個30円での販売が可能になります。これが不況が好景気へ転換する起爆剤になります。

つまり、通常の商流を築いていた会社の屍を糧に、新しい会社が勃興し、その新しい会社たちが好景気を生み出していきます。


リーマンショック直後を思い出してください。この最もたる例が、おせちでトラブルを起こしたグルーポンです。彼らの創業は、まさにリーマンショックとほぼ同じタイミングの2008年。そして、おせち問題を起こした2011年1月は、リーマンショック以前に株価の水準が戻りつつあったタイミングです。

図2

 グルーポンは、倒産品など通常の商流では実現出来ない価格で販売をするプラットフォームだった。しかし、それが景気が戻ると、倒産品が思うように集まらくなる。結果、激安を期待する消費者と通常の価格でしか販売できない店舗の間に大きな溝が生まれ、問題が表出した。倒産品でもなく、景気が戻り破格に安い商品が仕入れられない時代に戻ると、倒産品を糧にのし上がる企業が今度は倒産します。

リーマンショックの時代で、日本にも100とも200とも言われる数のグルーポンの類似サイトが立ち上がりました。

グルーポンの類似サイトのギルトは、リーマンショックと同じタイミングで急拡大します。ギルトは、最盛期は2,000億円と評価された会社ですが、2016年に250億円で身売りしたと言われています。会社の価格が急降下した背景には、トランプ政権下の絶好調のアメリカの好景気が挙げられます。景気が良くなると、良い商品は定価で売れてしまうので、激安サイトに魅力的な商品が集まらなくなります。結果、ギルトはアウトレットの会社に身売りをすることになります。アウトレットで普通に買えるものをわざわざ通販サイトで買う必要があるわけもなく、2018年には別の会社に転売されてしまいます。しかも企業価値は250億円の半分以下だったと言われています。グルーポン同様ですが、不況型の会社は不況の終わりとともにその役割を終えて市場から退場していきます。

不況型サービスと好景気型のサービスは、明らかにタイミングにより使い分けるべきです。この移行をスムーズに出来ると、ドン・キホーテやアパホテルのような巨大企業になりますが、ほとんどがトレンドの変化に乗り切れません。しかし、乗り切れませんが、サービスを変えることでトレンドの変化を乗り切ることは容易なはずです。

今のタイミングで行うべきことは、不況型サービスへの移行です。倒産品を狙った転売サイトが確実に当たる可能性が高いわけです。つまり、コロナ不況がリーマンショックの規模の不況を引き起こすなら、グルーポンは再び大ブームを起こします。当然、これは景気が悪くなった時のリスクヘッジで、景気がそれほど悪くならなければ、通常の業務を頑張ればいいわけです。

先日、スーツ屋さんの倒産による高級スーツ2万着の買取相談が私のところに舞い込んできました。ヤフオクや楽天など様々な通販サイトなどの情報を総合すると、ネットを仲介したスーツの販売量は3万着未満と推測されます。

逆にいえば、1社で実現できるスーツの売上規模は、1,500着/月もないことになります。また、ヤフオクの落札相場をみると、オンワードなど国内大手ブランドでも1着15,000円程度の値段で落札されています。ここから一気に数百着規模を売るには、スーツ上下5,000円が目安ではないかと推測しました。

逆に言えば、5,000円で売れる価格で仕入れられれば、スーツは飛ぶように売れるだろうと考えます。

このような価格帯では売りたくないという印象だったので引き下がりますが、相場の卸価格の半分程度で仕入れても、次の時代のグルーポンにはなれないわけです。

AirBnBなど民泊の部屋の投げ売りが始まっていますが、この辺りも、事業展開としては面白いのかもしれません。


面白い投げ売り情報があったら、ぜひ教えて下さい。





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