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インターネット通販の最前線と観光業

久々に、お芋屋さんの仕事の話を書きます。

気がつくと、売上もだいぶあがり毎週末、新商品だけのサツマイモの消費量が50kgまで増えてきました。

商品開発を頑張っている事だけでなく、花見などの季節需要の拡大ということも要因としては大きいかと思います。


まず、私の事業の目標から定義していきたいと思います。

最終的なゴールは、ガトーフェスタハラダや杉養蜂園のような集客とリピートの事業モデルを確立し、全国の観光地で展開する店舗網を構築することです。

では、ガトーフェスタハラダとはどのようなお店でしょうか。

ガトーフェスタハラダという名前は知らない方も居るかと思いますが、このフランス国旗と同じグラデーションのパックを見たことは多いかと思います。売上190億円。お菓子メーカーの大巨人です。

高級ラスクのブームは、20年近く前に発生しました。ブームはだいぶ前に去っており、、先日同じ高級路線のラスクを販売する山形のシベールが、会社更生法を申請したことが話題になりました。

引用:財テクLIFE.com

そんな向かい風の中でも、成長しているまさに怪物的な会社です。彼らの事業モデルは非常に秀逸で、新規客をデパートの催事で捕まえ、通販でリピートしていただくというモデルを確立しています。

ラスクという商品特性上、原価率が低く、デパートという販路に対し、他の商品よりもお金を落としやすいため、ブームに関係なく集客口を確保出来るので新規客が継続的に流入すること、リピーターがストックしていくために売上が伸びているようです。

このような集客とリピートのモデルを構築することは、年商10億円を超える規模を目指す上では必要なのではないかと考えています。

観光業でいうと、杉養蜂園という会社が急拡大をしています。店舗数60店舗、売上48億円。商材ははちみつ関連の商品になります。こちらは店舗は主に観光地にあり、そこで新規客を捕まえ、リピートに誘導しているというモデルのようです。

伊豆に行った時に、伊東、伊豆、熱海と主要駅に同じような店舗があったので、調べたら通販の巨大企業だったということに気が付きました。店頭で蜂蜜がけのソフトクリームを販売し、集客を行い、果汁入りはちみつやマヌカハニー(高級はちみつ)などの販売に誘導するというモデルのようです。この業態が強い理由は、客単価が異様に高いため、客数が少なくなっても事業として継続、維持出来ることです。

以前の観光地は、客数が多く、さらに客単価も高かったんです。旅行で観光地に行ったら、お土産を2万でも3万円でも買うお客さんが1日2~3人は普通に居たんです。それが現在はほとんど居なくなってしまいました。不景気というのもあるのだと思うのですが、交通網の発達でお土産をプレゼントするという分化自体が失われてきています。この変化により、既存の土産物屋は絶滅の危機にあります。1箱あたりの値段は大体同じ。違いがパッケージだけというような雑な商売が難しくなってきています。客数の減少、客単価の減少という市況に対し、杉養蜂園は地場産品的なイメージ付けで、お土産ではなく日用品を高値で売り=高客単価、さらにリピーターを生み出しているようです。

観光地というのは、家族経営のパパママストアが多く、巨大資本の草刈場としては非常に適した場所ではないかと思っています。

パパママストアという状態は、意外といろいろなエリアで見ることが出来ます。ピーク時の売上は118億円を誇った横浜中華街の名店聘珍楼が、2017年に倒産しました。聘珍楼を潰したのは、誰か。私は、その要因を、不況とインターネット通販だと考えています。

横浜中華街にも、バブル以降、客単価の減少と客数の減少というどこの観光地も陥った状況になっていたはずです。そこに追い打ちをかけたのが、インターネット通販ではないかと考えております。

「俺のイタリアン」などを運営する俺の株式会社は、飲食店の収益は厨房スタッフの稼働率にあることを証明しました。今までは、厨房スタッフはお客様が来店しなければ厨房スタッフは稼働できないので、改善余地のないものだと考えられてきました。しかし、俺のイタリアンは、極限まで値段を下げて、圧倒的な稼働率で利益を生み出すことに成功しました。

同じ事に気が付いたのが、中華街の成長株である皇朝や王府井ではないかと思われます。彼らは、商品の製造は工場が担い、簡易的なセントラルキッチンモデルを採用していると考えられます。商品は店頭でバイキングとして提供され、さらに通販で販売されます。どちらも圧倒的な販売力に裏付けされた安値攻勢を仕掛けています。結果、普通の飲食店では追随できない状況になってしまいました。

仮に通販を展開していない中華街の店舗が追随するとしたら、経営者か従業員の給料を下げるという選択肢以外は採用できないのではないでしょうか。この工場の稼働率を引き上げるためのインターネット通販展開というのは、大手牛丼チェーンも追随するほどポピュラーな戦略になってきています。

単純にヒット商品が出た。それが場外ホームランで経営を拡大できる時代ではなくなってきています。






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