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新学期だからこそ いじめを見過ごさないで!

3学期が始まりました。
小中学生が寒い中、白い息を吐きながら登校していく笑顔を見ると、なんだかとても嬉しくなります。
縁があったら、近い将来、彼らとこの地域を活性化させる活動ができる、と勝手に想像したりしています。

新学期なので気になっているのが学校現場の「子供の居場所」です。
学校における子供達の安心できる居場所は、彼ら自身には作れません。
きちんとした配慮に基づく「環境づくり」が必要です。

NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事で評論家の荻上チキ氏は著書『いじめを生む教室』で、いじめを科学的に分析されています。
この本は日本中の教育現場に携わる人と、子どもを持つ親に読んでほしいとさえ思います。(忙しい方は24ページ「いじめは増やすことができるか」というショッキングな見出しから36ページまでだけでも!)

『いじめ対策というのは、「発生したいじめに対応する」「いじめをしないように教育する」ばかりが全てではありません。「いじめが起きにくい環境を作る」「人をいじめに追いやる背景を取り除く」「何がいじめ対策に有効なのかを検証する」など、様々な対策が必要になります。単純化すれば、いじめ対策は「予防→早期発見→早期対応→検証」のサイクルで回す必要があると言えるでしょう』(同書P26)

また、いじめ探偵として話題を読んだ阿部泰尚(あべ・ひろたか)氏の活動にも注目すべきです。教育委員会や教員が踏み込めないようないじめ現場まで、子供達を助けるために奔走していらっしゃいます。

 阿部 泰尚氏:特定非営利活動法人ユース・ガーディアン代表理事 
       T.I.U.総合探偵社代表   

特に、現場を悩ますことが多いのが加害者側の反応です。プレジデントオンラインの記事を参考に御覧ください。
『その場で反省し、謝罪をする親子もいたが、遊びだったと一切反省をしない子、子供のやることに親が出てくるのは間違いだと、抗議することそのものに反論した親もいた。そのくせ、自分が同じ目にあうことは嫌だとも主張する。こうした子や親と話していると、未成年に強要して違法行為をさせたり、女性を脅してアダルトビデオに出演させるようなアウトローと、なんら変わらない思考回路の持ち主だということがわかる。そんな加害者とのぶつかり合いを経て、被害者は自らの常識や許容範囲を超えた、到底受け入れられないような別次元の考えを持つ人物の存在に気づくのだ。

ところが、クラス主義で団体行動を基礎とする学校社会では、このような危険な人物がいても、いじめの被害者は彼らと同じ空間で、表面上は仲間として過ごす事を強要される。法律上は、未成年の犯罪行為は刑法犯としては裁かれることはない。だが、いじめの加害者のしていることは犯罪行為と何ら変わらないのであり、被害を受けた者の心身の痛みは、法の定めとは無関係に、犯罪被害を受けた者と同じなのである。
それが、被害者が子どもだからという理由で、容易に癒やされたり回復したりするものだと考えていいのか。答えは否である。』
(下記リンク記事より抜粋)

実は、皆さんお気づきのことと思いますが、
いじめは当てずっぽうで議論されることが多く、そのために解決から遠ざかった案件も無数にあると私は思っております。
具体的には「今の教育が悪くなったせいだ」「道徳教育が行き届いていない」や「戦後民主主義教育の失敗の結果」などという意見です。

確かに。就職難の時代が過去にあって、その悪影響から経験の浅い教員が増えているのも事実でしょうが、かわりに今の若い先生方は非常に勉強熱心で、教え方や子供達への接し方も丁寧です。あらためて今の小中学校に入り直して、もう一度きちんと勉強したいと思っています。
(私が受けてきた「できないのはお前が悪い」だとか「わからないなら質問なんかするんじゃない」だとか、よく調べもしないで自分の贔屓の子どもの意見しか聞かずに「お前のせいでクラス全員が困っている。みんなの前で土下座して謝れ」などという、恐ろしい教員はもう絶滅しているでしょう)

いじめは戦前からあったと聞きます。今の教育のせいにしてはいけません。
そもそも他者のせいにしていては何事も進展しません。
また、「子供の頃にいじめに関わっていたから、大人になって無神経なハラスメントを平気で行う」という意見にもうなずけます。自分は悪くない、と思っていたまま、大人になったのでしょう。被害を受ける相手※の気持ちになることができないのです。
※被害妄想的になんでも○○ハラにしてしまう方のことは、別の機会に書きたいと思います。

現場では本当に様々な事が起きています。それらを想定外だったなどと言うことが絶対にないように、
★子供達の安心できる居場所を作ること。
★いじめの傾向を決して見逃さないこと。

この点をしっかりと我々大人が決心して、子供達の成長を見守っていきましょう。

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参考に。
阿部氏はいじめの勉強会を開いていらっしゃいます。
少人数ですが、マスコミが語らない(報道できない)現場の生々しい様子も直接阿部氏から伺えます。(私も第1回から参加しています。)

関心のある方はぜひご一緒しましょう。


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