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これは軽症でしょうか?重症でしょうか?

はい!こんちわKATZです!

今日のテーマは「これは軽症でしょうか?重症でしょうか?」

YouTubeチャンネルの方にコメントが寄せられました。

解りにくいのですが、質問させてください。 54歳男性、スポーツ経験なく、運動不足でした。作業のおおよそなんですが、8時間で80回以上10キロの物体を、2日間、足を、屈伸させて積み重ねました。2週間、腰が身動きできない、翌日 6月29日とふくらはぎの肉離れと、同時に、膝が攣りそうに、ふくらはぎに太いゴムがあるような、2本もあって激痛で必死に骨の角度で必死で鈍痛7月末まで、かかとをつけれず、今9月、6月と同じに膨らみ、ときには、縦隣2個、広がって膨らんだり、痛くて、かかとつけれないとか、固いしこりが有ったりします。軽傷重傷よくわかりません。返信がいいな。

これについて解説をしていきます。



目次

結論 まず受診!

症状の分析

潜在的な要因

治療と予防策

まとめ




結論 まず受診!


まず今日の結論からお話ししますね。この場合、軽症か重症かではなく、まず先に行うのは受診だということです。そんなのわかってる、仕事も忙しいし、病院に行く時間なんてねえんだって声が聞こえてきそうです。しかし、考えねばならないのは54歳という年齢と今後についてです。人生100年時代において、私たちはできるだけ多くの時間、長い期間を働いたり、動いたりできる体を保っておく必要があります。まだ信じ難いと思いますが、僕は22年間医療機関でリハビリの先生をしています。80~90代の元気な高齢者の方々と触れることが多いですが、お話を伺うと40~50代の整形外科的なイベントはその後の人生に大きく影響しているのだということがわかりました。例えば視聴者さんがこのケースにおいて大きな腰の問題や足の問題を抱えたとしましょう。そこから働く機会が減ったり、収入に影響が出る場合があります。そうなると日常生活のパターンに影響が出始めて、やがては家族関係や人間関係にも影響を及ぼすということです。たかが腰、たかが膝かもしれませんが、されど、なのです。ですから早めに整形外科にいって受診をしてと明確な診断を受けた上で、リハビリで運動療法などのアドバイスをもらってみてください。というわけで今日はこの場合に考えうることを解説して行きます。



症状の分析


今回のケースではいくつかのポイントがあると思うんですね。
・54歳男性、スポーツ経験なく、運動不足 ・いわゆる肉体労働、足の屈伸を多くする
・2日の作業で2週間腰が身動きできなくなった
・ふくらはぎの肉離れと膝が攣りそうになった
・ふくらはぎは激痛、踵をつけれない状態
・ふくらはぎに固いしこりがあるざっくりですがこんな感じですね。ではこれらの状況からどんなことが考えられるでしょうか。
私たち理学療法士は「診断」することは禁じられていますので、「可能性」の話で捉えてください。
これらの可能性の中から明確な答えを見つけるために必ず受診をしてくださいね。

・54歳男性、スポーツ経験なく、運動不足 ・いわゆる肉体労働、足の屈伸を多くする→膝関節の過剰負担や炎症が潜んでいるかもしれない
・2日の作業で2週間腰が身動きできなくなった→急性腰痛発作(いわゆるギックリ腰)や筋筋膜性腰痛(これはいわゆる腰痛)椎間板ヘルニア、椎間関節の障害などが考えられます。
・ふくらはぎの肉離れと膝が攣りそうになった→本当に肉ばなれかどうか、腰椎のトラブルはしばしば下腿(ふくらはぎ)に影響を及ぼします。
・ふくらはぎは激痛、踵をつけれない状態
・ふくらはぎに固いしこりがある
これらを少し深堀していきますね。

潜在的な要因


上記の分析をもう少し深堀しましょう。まず運動不足ということから関節の柔軟性に低下が考えられます。膝の屈伸を行うには膝だけではなく股関節や足関節の柔軟性も必要になってくることが想像できると思うんですね。その上で、関節が固いとどうなるかってお話。腰椎はそれほど大きな可動性を持つ関節ではありません。腰椎自体は屈伸はしますが、回旋することには長けていない傾向があります。すなわち、それほど大きな可動性を持たない、あるいは屈伸だけは大きく動く傾向があるので、足関節や膝・股関節が固いことによって「過剰に動かねばならない状態」に移行するんですね。これが「腰に負担をかける」っていうことです。また54歳の年齢で考慮しますと、血管系も変化をしていることがあります。人間ドックで血液データの指摘はなかったでしょうか?血糖値やコレステロール、動脈硬化があれば自然と身体はタイトになっていきます。つまり単純に関節や筋肉が固いんだよなで済ませずに、身体の内部から考慮していく必要があるんですね。症状から考えていわゆる「ぎっくり腰」のような印象がありますが、ふくらはぎに症状を訴えていることから腰椎椎間板ヘルニアの可能性も示唆されます。腰椎から出ている神経の影響を受ければ、その神経が支配する筋肉は筋力低下を起こすことになり、知らず知らずのうちに「最近膝折れがするんだ」というような症状を訴える方もいます。いずれにしてもこのケースの場合は「重症か軽症か」ではなく、オペの適用ではない限りは受診した上での運動療法が有効なのではと思われます。過去に腰痛と思って受診をした患者さんが、その後に癌の初発であったことがありました。あれを患者さんがいうように腰痛と捉えて自分が治療していたらと思うとゾッとします。手術が必要なのかどうかは医師が判断しますので、ここで絶望的になるのではなく、やはり整形外科にいって、その原因がなんなのか、何が潜んでいるのかを明確にしましょう


治療と予防策


では整形外科にて受診をして、その後の話をしますね。診断が整形外科的な要因で、手術は必要ないと判断された場合、おそらく「運動療法」つまりリハビリを進められると思うんですね。その場合は理学療法士のアドバイスに従って継続して行ってください。地域の小さな診療所やクリニックであればリハビリは電気を当てるだけってところもあります。その場合も踏まえていくつかの予防策を紹介しますので参考までにしてください。

  • 症状が強い時は安静にすること:できれば寝具や枕をチェックしたい、あまりにも長期に使用している寝具は柔らかすぎて腰や頚部に過剰な負担を及ぼしていることがあります。また膝の変形(O脚やX脚)があれば靴底も変形します。靴底が変形すればその上の関節にも影響を及ぼしますので、自分の使用しているものがあまりにも長期化していないかどうかも観察してみてください。

  • 温めるとどうなるか試してみる:症状が出てから時間が経過しているので、急性期というよりは慢性期、関節の硬さや動きずらさ、血流が滞っている場合は温めるのが有効な場合があります。

  • 仕事前のウオーミングアップの習慣を身につける

  • 仕事後、就寝前のクールダウンの習慣を身につける

ではウオーミングアップやクールダウン、どのようにしたら良いのでしょうか。

まず関節の硬さをチェックする方法をお伝えします。いずれもそのままウオーミングアップやクールダウンに適用できますので参考にしてみてください。ウオーミングアップの場合はあまり勢いをつけずにゆっくりとその動作を行なってください、クールダウンの際はじっくりと関節運動をして深呼吸をしながらリラックスするようにしてみてください。

  • SLRテスト(Straight Leg Raising)大腿後面のタイトネスチェック

  • FFD(Finger Floor Distance)大腿後面のタイトネスチェック

  • Kempテスト:腰椎神経根のテストです。

  • Patrikテスト:陽性であれば仙腸関節炎が疑われます。

  • トーマステスト:陽性であれば股関節周囲の可動域制限や腸脛筋のタイトネス

  • エリーテスト:太もも前面のテスト

  • HBD:Heel butock distance お尻と踵の距離をチェック

また今回はふくらはぎの攣りを訴えておられました。腰椎に影響があれば下腿に神経症状が出ることがあります。上記の内容に関して図を貼り付けようと思ったのですが著作権と引用の問題があるので、動画の方で解説をさせてただきます。



まとめ


はい、まとめです。今回は症状に関して、まずは一度受診だということを改めてメッセージとしてお伝えさせてください。やはりここで議論していても、本当のところは医師の診断なくしてはわからないものなのです。可能性や疑いに関しては解説することはできますが、これらの知見から根本的な原因を明確にして、解決の糸口を発見していただければと思います。今日もお読みくださってありがとうございました。

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