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17歳の私、南雲先生に出会う

高校3年生の夏、進路をガラリと変えました。

それまで私は社会科の先生になろうと思っていました。なぜなら中学校の社会の先生が好きだったからです。

先生に気に入られるために中学時代は猛勉強していましたが、でももともと歴史も地理もぜーんぜん興味はなくただ先生が好きだっただけ。高校生になったらもちろんその先生はいない訳で、だから全く勉強しないで毎日カラオケに行ってばかりいました。

進学校だったのでみんなちゃんと塾に行ったり受験勉強をしている中、私は行きたい大学も特になく、社会の先生になるって思っていたけど、さすがにその道はないなとようやく高校3年の夏に気がつくという…。みんなはもうラストスパート!みたいな時にフラフラしていた訳です。当時の私すごい(笑)

そこで改めて

私何やってるんだろう?私は何がしたいんだ?何が好きなんだっけ?

と考えて、「絵だ!」と思いました。

絵は子供の頃からずっと好きで、小学校の頃は漫画を描いてクラスの女子に回して読んでもらっていたり、中学の時は好きな漫画家さんやイラストレーターの絵を真似したり、先生方に頼まれて文集の表紙やプリント類のカットを描いたり。高校生になっても勉強はしなかったけど、絵は毎日何かしら描いていたと思います。

「絵だ!」と気がついて、まずは進路=大学、という頭しかなかったので美大を探しました。でも美大にはデッサンなど特有の試験があるのですね。全くやったことがないしもう高3の夏だし、といって浪人してまで美大に行きたい訳じゃないし、何か違うなあ…とモヤモヤ、そんな中「専門学校」と言う存在を知りました。

資料を集めまくり、試験がなく入れるところをいくつか選び、いざ学校説明会へ!最初に行ったのが東京デザイナー学院でした。

ワクワクドキドキしながら1人で行った説明会では、なんだか猛烈に陽気な先生がお話してくださって、その中で、「あるコンペで受かったのは、足元に生えている雑草を絵に描いた人だった」みたいな話があって、

うわうわ〜〜〜〜!!と17歳の私は猛烈に感動して(うろ覚えすぎなのですが本当に感動的で素敵なお話だったのです)ここだ!!ここしかない!!!そしてこの先生にまた会いたい!!!と、他の学校は見にも行かず、もう直感と勢いで決めました。

その猛烈に陽気な先生が南雲先生でした。

いつもニコニコしてふざけていて、南雲先生=マチコ、なくらい奥様マチコさんのお話を絶対にする学院の名物先生で、そしてまたそのマチコさんのお話がかわいくて!

入学式やオリエンテーションで先生のお話を聞くたびに、わ〜やっぱりこの先生好きー!!と思いつつも、1年生の時は先生の授業はなくて、たまに会えたら話しかける!くらいだったのですが、2年生になってついに憧れの南雲ゼミを受けることができました。

先生には技法も色々教えていただいたけど、そういうことよりも面白くて変な話の方が印象深く、若い頃まだ貧乏教師だったのにお嬢様育ちのマチコさんが家を買っちゃって、それを払うために必死に頑張って今の僕がある、とか、無理やり演技で明るい人間を演じていたら本当に明るくなっちゃった、とか。先生のそういう話がすごくためになって、私の一部になっている気がします。

そして先生との会話で一番強烈だったのは、当時付き合っていた同じ学院の人を先生も知っていて「ユカね、彼と結婚しても別れるよ。ユカが嫌になるんだよ。」と言われたこと。その時は仲良しだったので「ええっ!なんてこと言うんですか!」ともちろん反発しました。でもそれ、当たったんです。

先生にそう言われたことはずっと覚えていたので、別れた時に「先生の予言、本当になりましたよー!」と報告に行ったら「でしょう?職員室の先生たちみんな言ってたよ。」って!

えええ〜!!って思ったけれど、いや、確かにもし今私が先生をしていて2人の作品を見たら同じことを言うだろうなと思いました。作品て色々が出るものですよね。。


先生とは卒業以来その報告で会ったのと、毎年年賀の挨拶でカレンダーと新刊を送るくらいなのですが、ここ数日先生のことを考えていて連絡しようかなと思っていたら今朝先生からメールをいただいて猛烈にびっくりしました。嬉しいテレパシーです♪

成長を報告していたい、今の私の大きなきっかけをくれた大事な先生なのです。

南雲先生、今はデジハリ大学で先生をされています。生徒さん羨ましいな〜ますます楽しい授業なんだろうなあ!「劇団デジハリ堂」という活動もされているのですよ。いつまでもパワフルな先生です。


何も目標がなくカラオケばかりしていた高校の3年間はあまり記憶がないのだけれど、南雲先生と出会ってからの専門学校の2年間は、課題もたくさんあって徹夜の日々ではあったけれど、やりたい勉強だから辛いと思うことはなく、本当に充実していて楽しかったし、今へ続いているし、高校3年のあの夏、しっかりと自分が本当に好きなことに進路を変更してよかったなあと、あの時の自分偉いぞ!と思います。

こちらの記事がお役に立てたら幸いです!