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ジーニーに導かれて

3月初旬、大学4年生のHさんがカードリーディングにいらしてくれた。

リーディング前の雑談中「何か悩み事があります?」と尋ねたら、「いえ!むしろ4月から仕事も決まって今とてもいい状態で、春からのことで何かメッセージもらえたらなあって。」ととてもにこやかだった。
「どんなお仕事なの?」と聞くと、結婚するカップルの写真を撮ったりするカメラのお仕事で、それに向けて一人暮らしも始めるのだと、『新生活楽しみ!!』という明るいエネルギーに満ちていた。


リーディングでは、まずシャーマンオラクルカードの4枚引きで、「今、手放すべきもの」「あなたの中のもう死んでいい部分」(言葉が強いけれど、本当になくしていい部分という感じ)「それらをなくしたら得られるもの」「近未来」を聞く。

最初の「手放すべきもの」にはすごくいいカード、『ライトワーカー』が出た。
天命天職を見つけて人々の光の存在になる人に出るカードなので「わあ!まだ22歳なのにすごい!」と思った。
そんな強い力のある人だから心の中にあるネガティブな部分を手放して、というメッセージだと伝えると、そんなにピンとは来ていない雰囲気だった。

1枚目「手放すべきもの」と2枚目「もう死んでいい部分」は、両方とも自分の中のいらない部分ということで繋がっているところがある。2枚目には『ゴーストダンス』のカードが出た。
あら、これが彼女に出る!?と驚いた。
このカードは家族の問題をあらわす。結婚して新しく作る家族ではなく、生まれ育った家族の方。虐待だったり暴力だったり、結構重い意味のあるカードなので滅多に出てこない。その代わり出る時は嘘みたいに当たる。
そんなカードがHさんに?特に悩みはないと言っていたけど…と思いながら
「これ、家族の呪い的なカードでね、家庭に問題があったり辛い育ち方をしたりって時に出るんだけど、何か思い当たる?」と聞くと、
「…わたし…唯一のマイナスが家族なんです…。」と硬い表情で答えてくれた。

話を伺うと、物心ついた頃からご両親の仲が悪く、毎朝2人の喧嘩の声で目が覚めるのだと言う。他にも色々とお話を聞かせてもらった。正直、その世界に22年間いて、よくこんなに可愛さもありしっかりとした女の子に育ったものだとびっくりした。すごく精神の強い子なのだろうと思う。
お友達にも話したことはなく、逆にすごく仲良し家族と思われているのだそう。
そんな誰も知らない部分をカードはズバリと言って来た。
でも、そのズバリのカードは本人が引くわけだから、Hさんの中のHさんがそこに気づいて欲しかったということだと思う。
いやはや、本当にカードって不思議だ。

「じゃあHさん、結婚願望は…?」と聞くと、途中で被せるように「ないです。」と力強く言った。
「そうだよね、そういう中で育ったら結婚に対して夢も希望もなくなるよね。」
わたしも子供の頃両親の仲が悪かったから、親を見て結婚願望をなくす気持ちは想像できる。

でもその先のカードには、浄化して新たな世界を再生する、というような明るいカードが出ていた。

洪水の後には新たな土地が再生する、と言う意味のある『水』のカード

1枚目の「心の中にあるネガティブ」というのは、きっとご両親のことだったのだろう。
一人暮らしはリーディングの12日後からだった。22年育った親元を離れ、喧嘩の声で目覚めなくて良い日々の始まり。まさに『浄化・再生』だと思う。

その後お仕事のことをカードに聞くと、カリスマ性を発揮する女性になる、というまた素敵なカードを引いていて、未来は明るいなという感じだった。養われた精神力で、きっとお仕事もメキメキ頑張っていくのだろう。

最後に「じゃあ他に何かカードに聞きたいことは?」と聞くと「10年後、わたしの隣にいるのはどんな人でしょう?」との質問だった。
あれ?結婚願望はないって力強く言っていたけど、この質問なんだ、と思いつつムーンオラクルに聞いてみた。

Hさんは皆既月食のカードを引いた

『誰かのした行為を許すことであなたは前に進めます』というメッセージがあり、これもまたご両親のことかなと感じた。
「なんだかまたご両親のことっぽくない?よっぽど強い影響があるんだろうね。」と言うと、
「メッセージを聞いていてふと思ったんですけど、わたし今、素敵だなあと思う年上の女性が3人いて、それが不思議なんですけど、その方達にはすごく仲良しの旦那様がいるっていうのを後から知るんです。必ず後から知るので、またこのパターン!?って思うんです。」というエピソードを教えてくれた。

この共通点に「また!?」と気づいているHさんがすごい。こういうくり返すパターンや、記憶に残る事や言葉、何か引っかかる物事というのは必ず意味のあることだと思う。
リーディング前の雑談にキーワードが隠れている、ということが多々あるのだけれど、春からのお仕事が結婚するカップルの写真を撮ったりするカメラマンだというのも、改めて不思議で面白いなと思った。
「結婚願望はない」と力強く言うHさんは、春からたくさんの最強に幸せな状態の男女に毎日触れ、その姿をカメラに収めていくわけだ。

男女、恋愛、結婚。それが同性であろうとどんな関係であろうと、友情でも親子でも、人が人を大切に想う気持ちは美しいし、それは自分もまわりも幸せにすると思う。

仲の悪い親の元で育ったわたしは、彼女とは逆で「幸せな結婚」に憧れ、Hさんの歳、22歳で結婚した。でも結婚生活は理想とはかけ離れたものになった。そうしたら心がやさぐれ、大事にしていたその夢すら忘れてしまった。

でもそのあと運命の相手と思える人と出会い、隠すところなく100%の自分でいられて、それを受け入れてもらえる幸せや、本当に愛し愛されるということの美しさや力を初めて感じることができて、大事な夢も思い出し、もう一度叶えたいという気持ちにもなれた。
今、わたしの細胞は最高にきらめいていると思える。1人でももちろん楽しいけれど、愛する人といると自分の力が何倍にもなるのがわかる。
愛し愛されるということは、わたしが相手によって活かされ、相手もわたしによって活かされていることだと知った。相手を愛することで自分のこともさらに愛せるのだと思う。
だから、Hさんが素敵だと思う3人の女性たちもきっとそういう感じなのではないかなと、Hさんが惹きつけられるような最強のきらめきを放っているのだろうなと、会っていなくてもわかる。

多分、Hさんの中にいるHさんの魂はそれを伝えたくて、幸せな結婚をしている女性たちと出会わせているのではないかと思った。
仲の悪いご両親のもとで育ち、結婚に夢を持てないで来たかもしれないけれど、本当に愛し合う男女が一緒にいるということは美しいのだと。
そして、結婚の悪い面も体験し、そこから愛を取り戻して美しさに気づいたわたしに会いに来てくれているというのも面白い。

魂というのはアラジンのジーニーのようなもので、みんなの中にそれぞれのジーニーが住んでいるとわたしは思う。
そしてシンクロニシティはジーニーからのサイン。
Hさんはきっとジーニーに導かれ、この話をするためにわたしに会いに来てくれたのだろう。


これからカメラマンとして働いていくHさん。
親元を離れて軽やかに一人暮らしを始め、幸せなカップルたちを毎日写真に撮る日々は彼女にどんな変化をもたらすのだろう!
いつかわたしがチャーミーグリーン夫婦になれる日が来たら、彼女に記念写真を撮ってもらいたいなあと思う。

10年後、Hさんの隣には美しい愛を心から感じられる人がいますように。

ありがたいことにHさんは、わたしが挿絵を担当していた『リトル・ジーニー』という本のファンで、子供の頃大好きで読んでくれていたそう。リトル・ジーニーがわたしとHさんを繋げてくれたわけだ!ありがとうジーニー✨


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