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映画『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』

12/29、ヨガの先生からお誘いをもらって、映画『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』を観に行った。

「ユカちゃんこれ観に行かない?」と先生から送ってもらった映画の紹介ページを見て、これは面白そう!と思って行ったのだけれど、予想を遥かに超える素晴らしさだった。


「地球の医者」「ナウシカのよう」と言われる、人間よりも自然に従うちょっと変わった造園家の矢野智徳さんのドキュメント。

冒頭の、弱ったガジュマルのシーンから心を掴まれた。

『カニやセミも、生態系の連鎖にマイナスが起きてくることを改善していっている健気な存在』

『自然は完璧ではなく、生き物たちそれぞれが「まあこのくらいならいいか〜」とリスクを背負いながら生きている』

『奴隷のように自然が虐げられている世界。分厚いコンクリートで地面を固めて、植物は最後にアクセサリーのようにあてがわれている』

ハッとする言葉がたくさんあった。

矢野さんは弱った土地、植物を再生するときに、土に穴を開けて土地に水や空気の抜ける道をつくる。

水や空気が抜けていない、ぎゅっと硬くなってネズミ色で、ドブのような匂いの有毒ガスが発生する土をグライ土壌というのだそう。
その土の表面に小さなスコップでざくざくっと筋をつけると、そこに水が湧いて細い流れができる。最初は濁っていた水がだんだんと透明になり、水の量も増えていく。
それはグライ土壌の中に閉じこもっていた空気や水が動き始めたサインで、そうするとその周りの淀んでいた空気にも風が通り、不思議なことに蝶などの虫たちがすかさず寄ってくる。そして草たちが発芽していく。

地中に詰まった澱んだ空気が抜けて水の抜け道ができれば、空気の通りがよくなって周りの環境が改善していく。
これが矢野さんの大地の再生の基本の考え方なのだけれど、ああ、人間も全く同じだよなと思った。
人間も植物も同じだ、というのは、春からお花を育てるようになって感じていた。

お花をもらってもすぐに枯らすわたしだったので、植物を育てるのが下手なのだとずっと思っていたし、気持ちはすごく嬉しいのだけど、お花をもらっても、ああお花か〜また枯らしちゃうな〜…とちょっと迷惑にすら思っていた…(ひどい!今までお花をくれていた方達ごめんなさい!)

でも春から恋人が会いに来るたびにお花を買ってきてくれるようになり、強制的に(笑)お花を育てる生活になった。これは2022年を代表する大きな変化だった。
お花との生活が始まって、ああお花も人間も同じなんだと思うようになった。
よそのお家のお花を見ても、すごく大事にされているのか放っておかれているのかはすぐわかる。綺麗に整ったお家のお花はキラキラしているけれど、雑草が生えた欠けた植木鉢でおざなりに置かれているようなお花は寂しげだ。
整体師の友人が「愛情のある手で触ってもらえている人かそうでないかは見てすぐにわかる。」といつも言っているのだけれど、植物も全く同じだと思った。
その整体師の仲良しの植木職人さんも、人間も自然なんだというお話をよくされている。

うちのベランダの愛する植物たち。


水脈は人間で言えば血管。水が通っていないということは血が通っていないということ。
今の地球は血が通わず、まともな呼吸ができていない状態。
最近の豪雨災害は本当に「天災」なのか?
わたしがなんとなく感じる世の中の気持ちの悪さ、おかしいなと思うこと、もっと原因は根本的なことでしょうと思っているのだけれど、それが全てスッと「そう、ここ!」と思えた。

そしてグライ土壌を見たときに、ああこれは数年前までの自分だ、と思って涙が溢れた。
以前のわたしはしっかりと呼吸ができていなくて、血も通っていなかったのだと思う。
自分に合わない場所にいるということはこういうことなのだと、グライ土壌を見て思った。
元気で明るく過ごしていたつもりだったけれど、今思うと身体にものすごく負担をかける暮らしだった。そして心にも。

グライ土壌のような場所にいたわたしは、断捨離をして物をとことん減らし、その場所を出た。大事なものだけしか置かれていない、宝物のような部屋を持った。
カードリーディングと出会い、心の中のいらないものも捨てていった。
それはグライ土壌になっている自分に、一生懸命に空気穴を開け、水脈を掘り起こしていた作業だったのだ。

映画の中で、息を引き返した植物たちから新芽が生えたり美しく花を咲かせているのを見て、これは逆に今のわたしだと思ってまた泣けた。
恋人と一緒にいると、ただそれだけでものすごく元気になるし細胞がキラキラしている気がすると思っていたけれど、そうか、わたしは身体の全てで深呼吸をしているのだとわかった。
人間も植物も同じだから、生き生きと血が通い細胞が活性化し、そして人生がいい風になっていくのだなと、全てがストンと腑に落ちた。



今年はカードリーディングやお片付けを仕事にし始めたのだけれど、お片付けを始めた人はまず表情が変わるし、ずっと続いていた膝痛がその日に治ってしまったり、確実に何か良い変化が起こる。
家に溜め込んでいる物は、その人の風通しを悪くしているものなのだと思う。
カードリーディングも、その人の心の奥底に眠る本当の自分を見つける作業だとわたしは思っていて、本当の自分の望みを見つけるということもまた、心の余分なものを捨てていく作業だ。
必要のない物や感情を捨てることで、その人に風が通り血が通い、生き生きとしてくる。

わたしも、生態系の連鎖にマイナスが起こっていることを察知して改善しているカニやセミと同じで、すごく小さな存在であっても、わたしの才能・特技であるカードやお片付け、チアダンス、絵を通して、1人でも多く、誰かの心や身体の風通しを良くしたい。そうして世界を改善して行きたいと、本気で思っている。

今年花を通して感じたこと、そしてこれからわたしが人生をかけてやっていきたいと思っていることが全て詰まったような、答え合わせのような映画だった。
「ユカちゃんなら何か感じてくれる気がして」と誘ってくれた先生はいつもこうした不思議なきっかけをくれるのだけれど、これはわたしが先生を大好きだから起こっているのだろうと思う。
先生にはヨガやダンスを習っている訳だけれど、わたしはヨガやダンスをしながら深呼吸をしているのだ。

人間は生き物。人は自然の一部。
2022年の最後にこの映画を観られて本当に良かった。

映画の帰りに先生がプレゼントしてくれたお花🌼


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