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「おかえり」と「ただいま」

先日、長男と彼女のKちゃん、次男の彼女Mちゃんとわたしの4人で夜ご飯を食べていた時のこと。
次男はこの日アルバイトで、帰りが23時過ぎの予定だった。

4人でワイワイしていると、21時くらいにガチャっと鍵が開く音がした。「お父さんかな?」とみんなで玄関の方を見ると、現れたのはバイト中のはずの次男だった。

その時のMちゃんが忘れられない。

隣に座っていたわたしにも伝わるくらいのパッと花が咲いたような200%の笑顔で、「おかえり〜!」とぴょんぴょんしながら嬉しそうに玄関に飛んで行った。
向かい側に座っていた長男カップルもその可愛さにびっくりしていた。

Mちゃんを喜ばせるために、「早く帰る」等のLINEをせずのサプライズ帰宅だった。


残念な話だけれど、世の大半の妻たちは、夫の連絡もなしの予定より早い帰宅を喜ばないだろう。
わたしの結婚時代3分の2くらいはそうだった。
「おかえり〜」と言いながら「あ〜あ、帰って来ちゃった」と思っていた。書いていて本当に当時の自分が嫌だなひどいな美しくないなと思うけれど、その頃は本当にそんな毎日だった。そうなってしまったのにはそれなりの理由が積み重なってのことだから、仕方がないのだけれど。

だから、帰って来たのをこんなに喜んでもらえる次男はなんて幸せ者なんだと思ったし、わたしも息子をこんなに大事にしてもらえて幸せな母だなあと思った。
Mちゃんに、ありがとうと心から思う。

自分の汚さに嫌気がさしたわたしは9年前に離婚した。
3年前からやっと1人の部屋を借り、今はそこに最愛の恋人が「ただいま〜」と会いに来る。

はじめてこの人と「ただいま」「おかえり」のやり取りをした時、ああ、「おかえり」という言葉は本当は「帰って来てくれて嬉しい!待ってたよ!」という気持ちで言う、すごく素敵な美しい言葉だったんだ!と気づいた。


同じ「おかえり」という言葉を発していても、こんなにも違うものかとびっくりした。今までの「おかえり」は一体なんだったのだろう。マニュアルのように、なんの感情もなく言っていた。


そして恋人も、笑顔で本当の「おかえり」という言葉で迎えられている今、すごく幸せな気持ちだろうなと思う。

…とここまで書いた後に、わたしの方が帰りが遅くなるから先に家に入って待っていてね、という機会があった。
初めて彼が待つ家に帰る!!
朝からものすごくワクワクドキドキして、ウキウキが止まらなかった。帰り、西荻窪駅から家までの道はニヤニヤが隠せず、完璧にアヤシイ女だった笑。
ピンポンすると、彼が「おかえり」と迎えてくれた。
きゃー!!何これ〜〜〜〜!!!と大興奮した!
嬉しくて「ただいま!」を3回言った!

「おかえり」は美しい言葉だと思っていたけれど、「ただいま」もこんなにも楽しくて幸せな言葉だったのかと、47歳にして初めて知った。
彼もきっとこんな気持ちで「ただいま」を言っていたんだなと思った。

「ただいま」と「おかえり」。
たった4文字の言葉がこんなに幸せな言葉だったと知ることができて嬉しい。

これからはずっと、美しくて幸せな「おかえり」「ただいま」を、幾つになってもあの日のMちゃんのように可愛いく言って生きていきたい。

▼おまけ
はじめて恋人に「おかえり」を言いたかったけれど言えなかった日の漫画😂(当時43歳)

餃子を包みながらひとり妄想中
こんな漫画を記念に描いて彼に送りつけるわたし


こちらの記事がお役に立てたら幸いです!