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就活(転職)の面接で、やらない方がいいこと「◯選」

「◯選」シリーズとは?

「◯選」シリーズとは、常に内容をアップデートし続けるノートです。
紹介する情報が増えることもあれば、減ることも、内容が変わることもあります。

「◯選」に一度「5」という数字を入れてしまうと、そのまま更新しないような気がしてしまいました。
でも、情報って常にアップデートしていないと、古い情報、ちょっと今は考えが変わってしまった意見まで載せてしまう、と思いました。

であれば、最初から数字は入れずに「◯選」としてしまおう!ということで、「◯選」シリーズにしました。
なので、常に「最新版」の情報がここには載っている、と考えてもらえればと思います。

面接では「やらない方がいいこと」なのに、不思議とみんな「やっていること」が多い

さて、では本題の「面接でやってはいけないこと」を紹介していきます。
中には「今まで正解だと思われていたこと」も含まれていますので、自分の頭で考え、時には試しながら、取捨選択してもらえればと思っています。

①自己紹介が「出身大学」と「名前」だけ

ほとんどの面接において、出だしは「自己紹介」から始まるのではないでしょうか?
面接の序盤で自己紹介をする際、緊張もあり、できるだけ早くコミュニケーションにおける自分のターンを終わらせたいという気持ちは痛いほどわかります。

しかし、自己紹介が「◯◯大学から参りました☓☓です。本日はよろしくお願いいたします。」では、味気ないし、自分の情報が相手にほとんど伝わりませんよね?
「出身大学」や「氏名」であれば、履歴書に書いてあるし、改めて説明しなくても良いのです。

特に新卒採用における面接官は、過密スケジュールで面接が繰り返し入っていて、正直飽きてるし、疲れてもいます。
履歴書に書いていないことや、会話の糸口になるようなネタを自己紹介時に提供してあげることで、「おや?こいつは他の就活生とは違うな」と思ってもらいましょう。

「そんなこと言われても、何話せばいいかわからんよ」という声も聞こえてくるので、具体的にいくつか自己紹介で使えるネタをご紹介します。

<自己紹介に追加して使えるネタ>
・「出身地」と「出身地の好きなところ」(例:鹿児島出身⇒源泉数が日本第二位であること、そして自分が温泉好きであること)
・就職活動における「仕事選びの条件」(例:20代で市場価値を上げたいと思っている⇒市場価値が上がる成長機会が豊富、市場ニーズに沿った事業群がある)
・「趣味」と「それに纏わるエピソード」(例:映画鑑賞⇒ボヘミアン・ラプソディを観て、人生は一度きりということを再認識し、悔いの残らない人生にするためにも自分らしい就職を目指している)

自己紹介では、役立つ能力や経験も話した方が良いとありますが、あまりにてんこ盛りで話しても面接官は覚えていません。
しかも、アピール材料は履歴書や職務経歴書に記載していますしね。

要するに、他の就活生があまり自己紹介で言わないことが大事。
履歴書からでは伝わらない、自分という人間の価値観や情報を面接の冒頭から伝えれば、他の就活生との違いを出しつつ、話が弾むはず。

②「御社に貢献したい」という、謎の志望動機

志望動機でよく「御社に貢献したい」という回答を耳にします。
色々な就活サイトでも「貢献したい」ことは伝えるべきとアドバイスされています。

しかし、これは個人差もあるかもしれませんが、私は「貢献したい」というアピールは「イケてない」と思っています。

確かに、企業のWebサイトや企業説明会を聞いて、企業理念や事業内容に魅力を感じ、本音から「貢献したい」と思うことはゼロではないでしょう。
他にも、自分の人生を変えるような出来事が、その企業との間にあったのかもしれない。

しかし、大抵のケースで「御社に貢献したい」はただのリップサービスであって、本心から言っていないケースがほとんどだと思っています。
だって、今日始めて会った赤の他人に「あなた(の会社)のために貢献したい」と言われたら、大抵のケースは「いや、嘘でしょ…」と思いますもん。

もし、会社や事業に対して「貢献したい」とアピールしたいのであれば、次のこと(特に自分にとってのメリット)を事前に整理し、相手にちゃんと説明できるようにしておきましょう。

<わざとらしくない「貢献したい」アピールのために(例:医療システム)>
・どのような点に魅力を感じたのか?(例:今後ニーズが高まる医療業界において、業務を効率化し、ミスを減らすことに繋がる商材は社会的に価値が高いと感じたから)
・何が自分のメリットと関連するのか?(例:医療業界であれば、将来的にもニーズは拡大するため、この業界での専門性を身につければ、自身の市場価値も高まると考えるため

・どのように貢献したいと思っているのか?(
例:自身の長所である「相手の理解度に合わせた説明スタイル」を活かして、顧客の利用満足度を高め、継続率を高い水準で維持したいと考えている

③自己PRのエピソードが「タイトルありき」

面接において、志望動機と並ぶ悩みの種が「自己PR」でしょう。
多くの就活生から「自分にはアピールできるほどのエピソードがない」「人に自慢できる長所がない」と相談を受けます。

困った就活生は、Googleで「自己PR 事例」とか「自己PR 書き方」と検索して、「アルバイトリーダー」や「サークルの〇〇担当」といった「タイトルもの」に収まりがちです。
ただ、これだと他の就活生と重複するエピソードとなってしまうことが非常に多い。

自己PRのエピソードは、一見すごくなさそうでも、自分が最も詳細まで話せる実体験を話した方がいいと、「ゲスの極み乙女。の休日課長さん」も言っています。


この意見には、私も激しく同意します。
その上で、次の切り口も加味して、自己PRをパワーアップしていきましょう。

<自己PRの「魅力」を高める切り口>
・どんな課題があったのか?(自然と見つかったものでもいいし、自分から探してみつけたものでもいい)
・その課題を解決するためにどんな創意工夫をしたのか?(驚愕の凄技だけでなく、ありきたりの方法でもいい)
・成果が出るまでどのようなプロセスを辿ったのか?(PDCAサイクルほどきれいじゃなくてもいい)
・もし、自分で希望して行動したこと、担当した役割であれば、なぜ希望したのか?(自分の価値観が伝わるような理由だといい)

エピソードなんて、正直何でもいいと思うんです。
面接官も何十人、何百人といった自己PRを聞いているわけですから、「エピソードの凄さも大事だけど、その人が自身の経験をちゃんと理解して話しているのか」と思っています。

少なくとも私は、面接の際に自己PRのエピソードを聞いた後に上記のような切り口で深掘りする質問をして、ちゃんと答えられないと「本当に自分で経験したことなのかな?」と疑ってしまいます。

④面接だからといって、完全に態度が「お客さん」

面接という場は、日常では経験しない雰囲気もあり、緊張するのは当然です。
特に新卒就活の場合、面接の経験もほとんどなく、一発勝負なので、特に緊張を避けられない状況があります。

だからといって、面接に訪れた「お客さん」のように振る舞ってはいけません。
「お客さん」のように振る舞うとはどういうことかというと、「相手が話すのを待つ」という、受け身の姿勢を取ってしまうことです。

「面接なんだから、相手が質問したことに答えるのは当たり前だろ」という意見もありそうですが、そこに落とし穴があるんです。

面接は、採用の合否を決めるため、「情報(志望動機、自己PR等)」だけではなく「コミュニケーション能力」も見ています。
ここで言う「コミュニケーション能力」とは、「スキル」だけではなく、コミュニケーションに対する「意識(スタンス)」も含まれています。

受け身のコミュニケーションスタンスではなく、主体的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢を示している人の方が評価は当然高くなります。
もちろん、一人よがりに話せ、ということではありません。

相手の質問にはきちんと回答しながらも、いっしょになって「話しやすい雰囲気」をつくるように働きかける、ということです。
「お客さん(観客)」ではなく「参加者」として、面接に臨む姿勢が重要です。

<話しやすい場をつくるために>
・自分からも話題を切り出す。(例:面接官の質問⇒回答⇒「ちなみに、◯◯ってどうなんですかね?」)
・相手がどんな話なら乗ってくるかを想像して、逆質問の際に話を振ってみる。
・相手のテンポに合わせて話す。(ゆっくりならゆっくり、早口なら早口)

⑤「同業で受けているのは御社だけ」という不自然な嘘

面接の場で「うち以外に同業他社は受けてないの?」と質問された際に、「はい、御社だけ受けています!」と答えてしまう人がいる。
これはほとんどのケースで、嘘だと思われます。

就活の方針が決まっていて、その方針に沿って企業を受けているのであれば、同業他社を受けないのは逆に不自然ではないでしょうか?
なので、他社を受けている状況は認めつつ(実際に受けているのであれば)、同業他社との違いを説明した方が得策だと言えます。

この場合の「違い(差別化ポイント)」はあまりに見当はずれでない限り、何でもいいんです。
嘘みたいですが、「何を言うか?」よりも「どのように言うか?」が重要です。

<同業他社との違い(差別化ポイント)の言い方>
・基本的に、同業他社に対しても入社を希望していることは伝える。(自身の仕事選びの条件、軸に沿っていることを強調しつつ)
・とは言え、同業他社と比較して、その企業の志望度が最も高いことは事実であるとアピールは忘れずに。
・その上で、その企業が採用サイトや企業説明会で話していた「推しポイント」を違いとして挙げる。

この時ポイントになるのは、一つではなく複数の「違い(差別化ポイント)」を挙げるという点。
一つだけ挙げてしまうと、「それだけじゃねぇ…」と面接官もあまり納得してくれません。
できれば、「違い(差別化ポイント)」は最低3つは欲しいところ。(※人間は3つの理由があると、納得して選択する傾向があるため)

本当に同業他社を受けていない場合は、正直に伝えてもいいですが、それはそれで行き当たりばったりで就活をしている印象を持たれてしまいがち。
その場合は、何かしらの就活軸を示し、「その軸に沿って御社を受けているので、同業他社は受けていません」と同業他社を受けていない理由を説明する必要はあるでしょう。

⑥「自分が知りたいこと」ばかりの逆質問

面接の最後に「逆質問」という、面接を受ける側から面接官に対して質問する時間がある。
この時、「質問が全くない」というのがアピール上、良くないことだというのは皆さんご存知だろう。

ただ、意外と忘れがちなのが、「どのような質問をするのがいいのか?」ということだ。

<逆質問でのおすすめの視点>
・面接官が「話したいこと」を引き出すような質問(例:社内から見た時に御社が他社との)

20代を中心にキャリアサポートをかれこれ10年くらいやっています。「キャリア」だけでなく、その人の「人生」という視点で、いっしょに考えられたらと思っています。仕事/キャリア/就活/転職あたりのテーマでnote書きます。