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カネから時間へ! 北浜モーニングの仁義なき戦い

6時半?モーニングが6時半からだって??
そんな早くからニーズあんの???誰が来るんだ???
北浜??北浜ってあの大阪証券取引所のある北浜???

なんでそんな早くからカフェがやってんだ??????


フレッシュマンの諸君には是非とも、是が非でも聞いて欲しい話しがある。

フレッシュマンとはこれまた旧態依然とした表現アンシャンレジームであり、使ってる側すらも面映いフレーズが飛び出した。
この旧態依然とした表現アンシャンレジームというのが本記事のテーマになっており、読み進めてもらえればフレッシュマンの謎も氷解するはずだ。

さて、
今朝は大阪・北浜で繰り広げられているモーニングの時間前倒し合戦を例にとり、カネから時間へと新たなステージに突入したビジネスフューズを紹介していこう。
最終的には「飲食店のサブスクリプション化」へと議論は行き着くのでその流れを見て欲しい。

廉売合戦の果てに


おりからの原材料価格高騰により飲食店は軒並み苦しい経営を強いられている。
当然、モーニングからディナーまで長く暖簾を開けているカフェや喫茶店もその類にもれない。
顧客取り込みをはかるため値下げをしようにも、もはや原材料価格の高騰がそれを許さない。
そこで、果てしのない廉売つまりは安売合戦は愚策だとカフェ経営陣は判断し始めたのだ。
こうしていまモーニングカフェがとっている策が「開店時間の前倒し」である。



カネから時間へと戦いの舞台がシフト

大阪に北浜というビジネス街がある。
大阪証券取引所があることでよく知られている場所だ。
この北浜界隈にある主だったおもだったカフェの開店時刻を調べてみた。

Caffe Luca 北浜店      7時半〜
ドトール北浜店        7時15分〜
新北浜            7時〜
上島珈琲店 大阪証券取引所店 7時〜
コメダ珈琲店 北浜南店    7時〜
カフェ・ベローチェ 淀屋橋店 7時〜〜23時
モスバーガー 北浜店     6時30分〜
サンマルクカフェ 大阪北浜店 6時30分〜

このように6時30分開始のモーニングカフェすらも現れている。
モーニングといえば一昔前まで7時30分スタートが相場だった。
それがいつの間にか7時開始となりいまや6時30分の戦いへと静かに、だが確実に移行しつつあるのだ。

ちなみにカフェ・ベローチェ淀屋橋店は7時開始で23時までやっている頑張り屋さんであるからして、特別に閉店時刻まで載せておいた。
土佐堀川を一望できる夜景が綺麗なので、疲れた時などにオススメである。
特に5月病が気になるフレッシュマンの諸君には、命の洗濯のために訪れてほしい。


ここでも窓際で死にかけているのがきっと多分ワタシだからね。

さて話を本筋に戻そう。



時間前倒しで顧客を取り込め!


もはや安売りで利鞘を抜くのは限界。
であるならばどうすれば良いか??
早い時間に店を開いて顧客を囲い込んでしまえば良い。


この論法に従って、北浜のモーニングカフェでは開店の前倒し合戦が行われているのだ。


「速さ」から「早さ」へのパラダイムシフト

安い、速い、美味いをスローガンに掲げたのはかつての吉野家だった。
ここでポイントなのは、「速い」がお客さんの注文から着丼までの「速さ」であったということ。
いま飲食店が着目しているのは「速さ」ではなく「早さ」なのだ。
「より早く」店を開けてお客さんを囲い込んでしまう。
速さではなく、早さが現在進行形でビジネスにおける要諦となっている。


「より安く」から「より早く」へのパラダイムシフト

もう一つのパラダイムシフトは「より安く」から「より早く」への変遷だ。

これは読者の皆さんも実感があると思うのだが、ここ5年ほどでモノコトの価格が下げ止まりして上昇トレンドに転じている。
これはロシア方面の騒乱というファクターも確かにあるが、それ以外に「もはや安売り合戦では誰も勝者たり得ない」という業界コンセンサスがあるからだ。

だが、
だからといって飲食業界が競争を放棄した訳ではない。

安さによる競争ではなく、早さによる競争の火蓋が切って落とされているのだ。



量から質への転嫁による発展


水は液体状態においては温度に比例してその容積を膨張させていく。
温められれば温められるほど、水という液体は容積を増していくのだ。

だがしかし、
100℃を超えた刹那にその原理原則は崩壊する。
水という液体は、
100℃を超えると超えた部位から宙空に「水蒸気」となって雲散霧消していくのだ。
ここに100℃までの膨張比例法則は跡形もなく崩れ去る。
「水」から「水蒸気」へと、「量から質」へと「変わるものが変わった」のだ。

状態が変わったのではなく、
法則そのものが変わったのだ。

温度に比例して容積が増えていくという状態が変わったのではなく、
「温度に比例して容積が増えていく」という法則が崩壊し、
「水蒸気という気体は・・・」という新たな法則に相転移したのだ。

これをパラダイムシフトという。

このパラダイムシフトについてより深く学びたい人には、
田坂広志著「使える 弁証法」という書籍がお勧めである。

ちなみに、
、、、、、、、、、、、、「水蒸気という気体は・・・」という新たな法則に相転移したのだ。、、、、、、、、、

この文節における「・・・」の部分は、
これからの人々すなわちフレッシュマンが解明していかなければならない法則である。
戦いは新たなフェーズに突入したのだからね。


さて話しをカフェのモーニング時刻前倒し合戦に戻そう。



飲食店のパラダイムシフト

最初はなにごとも量において戦いがなされる。
ところが量の戦いが飽和点に達すると、「質の戦い」へとステージが相転移するのだ。

   加熱     加熱    加熱
 液体の水    ⇨         気体の水蒸気    
 量の戦い   飽和点   質の戦い
         ↕️
(もうこれ以上温度を増しても容積は増えない)


   値下げ  値下げ   値下げ?
5年前の飲食店  ⇨        現在進行形の飲食店
 価格の戦い  飽和点  時間の早さの戦い
         ↕️
(もうこれ以上、価格競争をしても利鞘は抜けない)


上図のように、
いまや飲食店わけてもモーニングカフェでは、量(価格)の戦いから早さ(開店時刻)の戦いへとパラダイムシフトがなされている。


カネから時間へとビジネスフェーズは新たなステージに突入したということだ。



飲食店のサブスクリプション化


ではこの開店時刻の前倒し合戦とそれにともなう顧客の囲い込み合戦。
これらの行き着く先にはいったい何があるのだろうか?

それは飲食店の定額課金化すなわちサブスクリクション化だ。
開店時刻の前倒しによる顧客の囲い込み合戦は、究極的に「定額課金モデル」サブスクリプションに到達する。
それがどのような経路を具体的にだどるかは解らないが、その潮流はもう止まらないはずだ。



まとめと祝辞そして宣戦布告

さてそれでは纏めに入ろう。

今朝は大阪の北浜で繰り広げられているモーニングカフェの開店時刻前倒し合戦を枕に、ビジネスフェーズが「カネから時間」へと移ろっていることを述べた。

この「カネから時間」への移ろいの中で二つの大きなパラダイムシフトが起こっている。


① 「速さ」から「早さ」へのパラダイムシフト
② 「より安く」から「より早く」へのパラダイムシフト



さらにこのパラダイムシフトはあらゆる方面へと「サブスクリプション化」を拡大させることになる。
今春から社会に出たフレッシュマンは特に、この2つ+αを念頭に置いて戦ったらいいのではないだろうか。
なぜなら新たなビジネスフェーズという物語の主人公は貴方達なのだから。

健闘を祈る。


ありがとう。
またいつかどこかで、逢いましょう。

淀屋橋から大阪駅前方面の夜景

2024年4月24日(水)
カフェベローチェ淀屋橋店にて、
土佐堀川の夜景を眺めながら綴る。

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