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カフェ・ベローチェ淀屋橋店 フワッとした睥睨

カフェベローチェ淀屋橋店は、土佐堀川を隔てて大阪市役所と造幣局を睥睨している。
夜が更けて2階から土佐堀川を見渡せば、侘び寂びのきいた綺麗な夜景がフワッと浮かび上がる。
モーニングからランチ果ては軽いディナーまで、ビジネス街にあってお客さんの絶えない繁盛店だ。


車のライトにスキを投げながら

御堂筋から向かってくる車の光点がフワッと眩しく美しい。
それだけでも、250円のソフトクリームを買った甲斐があるってもんだ。
やはり疲れた時は甘いものと相場が決まっている。
これは洋の東西を問わず普遍の真理ではないだろうか。
250円のソフトクリームと380円のコーヒーゼリーで迷ったが、月末近しということもありここは我慢だと、、オレの中の怪物が囁きやがった。
主人もヘタレなら怪物までヘタレだ。


通貨発行権の行方

ガラス張りの窓から左側を眺めれば、御堂筋の向こう側に大阪造幣局が枯れた桜木をともない顔を見せる。
(編集部注・前後関係から特定される場所に大阪造幣局は存在せず筆者の事実誤認と思われるあるが、著者の意思を尊重し原文ママとする)
荘厳ではあるが、どこかもの悲しげな情緒を漂わせている。
いまやキャッシュレス決済や仮想通貨というものが台頭しており、貨幣わけても硬貨というものは終焉待った無しという情勢だ。
だからという訳ではないだろうが、夜更けとその先にあるお役御免が近づいた造幣局はいまにも泣き出しそうな趣きに見える。


維新の街

大阪府ないし大阪市といえば、議会において大阪維新の会が多数派を占めて久しく、いわゆるお膝元だ。
維新の会はグローバリズムを金科玉条としている。

グローバリズムとは、
「国家の安全保障より、企業利益を優先する判断基準あるいは価値観」のことを云う。
例えば、コロナ事変の日本にあって、大阪市は全国で最も高い死亡率を記録した。
これは13個あった保健所を1つに減らしたことで、

大阪市民  →→  大阪市保健所   →→  病院
【急患待機】 【キャパオーバー】 【余剰ベッドあり】

この緊急時連絡ストリームが機能不全に陥ったことが大きな要因だ。
世に云うジェットストリームアタックである。



メディアにおける沈黙の螺旋


民主政体というものは、情報流がしっかりと確保されていて初めて機能する。
有権者が意志決定のため必要な情報を得られる、ということが必要条件となるからだ。
だがしかし、
有史以来、情報流がしっかりと確保された試しなんて一度もない。
つまり民主政体が機能する土壌が整ったことは一度たりともないんだ。


ここでは池上彰を読みすぎた読者から、

自分で書籍にあたり政治リテラシーやらなんやらを高めやがれ、という鋭利な質問が予想される。

だがどうだろうか。
人々がみんな書籍ばっか読み漁って時間を浪費している世の中、そんな世界が果たして幸せだと言えるだろうか。
確かに本を読むことは人生に彩りと潤いをもたらす。
しかし政治・経済・歴史の書籍ばかり読み漁っても、人生にもたらされる彩りと潤いには限界がある。

「愚者は己の経験に学び、賢者は歴史から学ぶ」
とはビスマルクの言だが、
政治経済歴史の過去を知り、政治経済歴史の今を俯瞰し、政治経済歴史の未来に思いを馳せる。
それは「賢者」ひまじんとやらに任せておけばいいではないか。

人生は楽しんでなんぼだ。
政治経済歴史に人生の全てを賭けるなんて馬鹿げている。

そして人生の全てを賭けなければならないほどに、この世の情報と情勢は複雑怪奇なのだ。
だから、民主政体というものは馬鹿げているんじゃないかな。



メディアにおける沈黙の螺旋

大阪では、
メディア全般が事実関係の報道を控えているように見受けられる。
見受けられると書いたのは、ワタシが兵庫県民であり部外者だというファクターが大きい。
だが、
だからこそ、よく見えるものもある。

民主政体は表向き「支配者なき支配」を標榜している。
確かに立派な理念かもしれない。
だが裏返せば「フワッとした民意を利用したペテン」とも云えそうだ。
大阪の現状を外から、かつ間近からフワッと見ている人間にはそう見えるのさ。




ベローチェ・疾風怒濤の時代

カフェベローチェのベローチェは、イタリア語で「疾風怒濤」といったニュアンスとなる。
現下の日本とりわけ大阪界隈は悪い意味で「疾風怒濤」ベローチェの時代に突入している。

後世の歴史家なりが、
民主政体を金科玉条として崇めたこの時代を果たしてどう評するのだろうか。

それはワタシにはわからない。

カフェベローチェ淀屋橋店 ソフトクリーム250円(税込)

だが、目の前にあるソフトクリームをワタシがフワッと平らげる間ぐらいは、
後世の歴史家だって維新の会だってジャッジメントを、フワッと待っていてくれるんじゃないかな。

さあて、
フワッと平らげて、フワッと阪急電車で帰るとしよう。

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