一筋の追い風_note用

京菓子展のデザイン案1 銘「一筋の追い風」 | 社長の弘道館留学

源氏物語をテーマにした京菓子展のデザイン公募。8/31が〆切でしたが、無事にギリギリで提出を致しました。コンペですので、審査中に、完全な最終案を公開するのは不適切かと思い、最終の一歩手前の案を晒します。

銘は「一筋の追い風」

京菓子展のデザインめちゃ悩んでまして私の途中経過をお見せします |弘道館留学 でお見せしたのとテーマは同じ。須磨に流されて途方に暮れている光源氏の前に、海の向こうから、明石入道が小さな舟を漕いで、くる場面を絵にしたものです。

明石入道は、自分の娘を光源氏の妻にしたいと、嵐の中、意を決して舟を出します。そうすると不思議なほど海が凪ぎ、一筋の追い風に導かれるように光源氏の住まう須磨の家の前へ到着したというのです。

方や光源氏は、京都から追われ、須磨で隠遁の身(まだ若い時期です)紫の上という最愛の妻を京都に残しつつ、途方に暮れる毎日を送っており、救いの手を待っています。

そんなふたりの「男の想い」が出会わせた奇跡を、ひとつのかたちにしたかったのです。源氏物語の前半を読んで、なかなか女性には感情移入しにくい。そこで男と男の「意思」に目を向けました。

デザイン部門は、菓子の材料は職人さんにおまかせできます。可能かどうかは別として、青い部分は、深くかつ透明感のある寒天。白い部分も寒天なのか粟羊羹なのかこのあたりはわかりません。そして風や舟は希望に満ちあふれる様で「金箔」で表現してもらいたいと想っています。

この発想の初期案は下記でした。これに比べればだいぶブラッシュアップできたかとは思います。でも、まだまだひねりが足りないというか、そうとうストレートにしかできませんでした。もっと情緒とか色気を表現したかったです。そんな一朝一夕にはできませんね。当たり前。でも、和歌や物語をかたちにしていく、という、京菓子のプロセスを実践教育として、学ばせていただき、この弘道館留学のひとつの成果になったと思います。

そうそう、京菓子デザイン途中経過2:母性 で、課題にしていた画材(iPadアプリ)なのですが、Adobe Photoshop Sketch を導入しましたら、画材の再現度があがり、さらにApple Pencilの傾き検知も活用できたので、非常によろしい感じでした。このアプリ、しばらく使ってみようと思います。

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