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京菓子展のデザイン案2 銘「紫の愛」 | 社長の弘道館留学

源氏物語をテーマにした京菓子展のデザイン公募。8/31の〆切で提出した第2案です。1人2つまで出せるので、数打ちゃ当たるを期待して2案目を出しました。(提出 1案目はこちら)

銘は「紫の愛」。紫の上の愛が、何があっても光源氏をやさしく包み込んでいる、というものです。

こちらの案も、途中経過を晒しておりました。

基本的な形状は、これの一番左のものを磨くことにしました。このときの銘は「母性」。光源氏がマザコンであるのでは?ということと、光源氏が紫の上に見ていたのは、母の面影ではあるので、そこをテーマにしました。

しかし、源氏物語愛好家の岸本久美子先生に取材(というかお助けを求めた)インタビューで書いたことですが、源氏物語は「愛と恋の物語ではない」実は「老いと悔いの物語」なのではないか。という解釈から、考えを巡らせました。

光源氏も作中で老いていき、苦悩を抱えていきます。そして、様々なことで悩んでいるのは分かっていても、問い詰めないのが、正妻である、紫の上の愛のスタンスです。しかし、最終的には、そのすれ違いで、紫の上もストレスを溜めていき、光源氏より先に亡くなってしまいます。

私は、教科書であるあさきゆめみしを前半で断念してしまったので、結局最後まで読めていません(笑)最初に考えていた「光源氏はマザコンである」はあくまで前半の若いときのことなのだと。老いて大人になっていく彼は、イケメン王子様ではなく、ひとりの男として苦悩を抱えていきます。そして、いろいろあっても、直接的に間接的に、大きな愛で包み込む紫の上。

そして、京菓子の実作づくりもさせてもらった上で、京菓子の材料や素材感なども実感した上で、アウトプットを改めたわけです。

そういう背景を踏まえて、初期案に比べて、真ん中の光源氏を表す黄色い餡はより大きく。紫の上の愛を示す皮の部分は、薄く透明感のある素材で包むように変更しました。

こちらも同じく、画材を(iPadアプリ&ApplePencil)Adobe Photoshop Sketch に変更したことで、思った質感を少しは表現することができました。

京菓子展は 2018年10月21日(日)- 11月4日(日) 本会場:有斐斎弘道館
特別会場:旧三井家下鴨別邸
にて開催予定です。入賞作品しか展示されない厳しい門ですので、私の作品が会場で見られるかはわかりません。しかし、今回、1ヶ月以上けっこう苦しみましたので、悔いはありません。

また、途中経過を晒したことで、たくさんのご意見もヒントも頂きましたし、他にもFacebookなどで検討中の案を上げて下さる友達も増え、一緒に取り組んでいた気持ちになれたのも嬉しい発見でした。よかったと思っています。

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