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【書評】ネットで勝つ情報リテラシー

本書は「情報」を扱う者が読んでおくべき基本的な書籍です。基本なので、情報を扱う初心者だけでなく上級者にとっても、ベースを確認するためにときどき読み返してみる価値がある内容となっています。

学術書というよりは、啓蒙書の類になりますが、「情報」の本質やその扱い方を具体的な例を交えながら、わかりやすく説明しています。また、リテラシーについて書かれたものですから、専門家よりはむしろ一般の方が、情報にどのように向き合い、それを扱っていくかを知るというのが本書の本来のねらいです。

私の関わっているスポーツ界では、情報とデータの違いや、知識や知恵との関係性などを理解しないまま「アナリスト」や「情報戦略スタッフ」のようなポジションで働かざるを得ない人もいます。また、スポーツニュースやスポーツ紙など、「スポーツ」と名がつく専門のメディアがあるくらい、スポーツに関する情報が世の中にあふれる中で、それらをどのように扱っていけばよいのかを知る機会はほとんどありません。そんな中で、本書は貴重な知識を提供してくれます。

本書は二部構成になっていて、第一部では「情報の正体」について書かれています。第二部では情報を発信することで炎上に対処したり、積極的に自らのポジションを確立していく方法などが書かれています。

私には、第一部の内容がすごく参考になり、「なるほど、こうやって説明すれば、情報の本質を理解してもらえるのだな」ということがよくわかりました。情報の本質を知ることで、その情報を使って正しく判断する基準を持つことができるようになります。まだ発売されたばかりの本ですので、詳しくは書きません。興味を持たれた方は、ぜひ本書をお読みください。

著者は、グリーという会社のCSR担当者として、企業や学校でネットリテラシーを高めるための仕事をされている方です。なので、第二部については、かなり具体的な事例を交えながら、ネットで謂われのない災厄に襲われたときの対処法や、窮地を転じて自分の評価をより高めるための対処法などが紹介されています。現代人としては、いざというときに備えて、知っておくべき知識かもしれません。

繰り返しになりますが、とくに第一部の内容は、情報を扱う者にとっては非常に基本的かつ重要な内容が書かれています。授業などで積極的に紹介していきたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。ご意見、ご感想をコメント欄にいただけるとうれしいです。

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