2018 お気に入りアルバム10枚

このnoteでは主にデザインについてのことを書くようにするつもりなのですが、なんだかんだ10年以上、個人的に好きなアルバム10枚を選ぶ習慣があるので、せっかくだからnoteにまとめようと思います。

とりあえず説明も手短に10位から順に紹介していきます。


10. Skinshape - Filoxiny

バンドキャンプを回遊していて見つけたアルバム。レゲエレーベルを運営している英国のウィリアム・ドレイという人のプロジェクトで、どうやら架空のサントラを作るというのをテーマにしているよう。

"架空のサントラ"好きなのに、さらにレトロソウルの空気を纏ったこれは好みにドンズバです。

"レトロソウルの空気を纏った"と書いた通り、音自体はレアグルーヴっていうとわかりやすいような、古き良きソウル・ファンク元にしたアルバムなんですけど、もちろん様々な音楽が複雑に絡み合った音楽ヲタらしい作品で、中でも特徴的なのはレゲエが好きな人らしく音像がホワホワなところです。そこが最高に心地よい。音像の滲んだレトロ・サントラ・ソウル。

全体的に歌の存在感は少なめで、めちゃめちゃ気持ちいいミニマムなインストアルバムの趣。歌が入る曲も歌は本当にオマケ程度というような扱いですし、ループの構成も、単にレアグルーヴというよりはコールドカットのようなイギリスのブレイクビーツ的な心地よさもあり、これまた好みです。

余談ですが、このアルバムがフランスのアニメ映画「ファンタスティック・プラネット」を連想させるとかなんとかレビューされていたのを見つけました。昨年のJontiのアルバムも超・大好きだったんですけど、あれもファンタスティック・プラネットを連想されると言われていたし、あの映画ちゃんとみないとなと改めて思いました。


9. Buddy - Harlan & Alondra

2018年のヒップホップは、あまりにも傑作だらけでお気に入りアルバムすべてヒップホップになるんじゃないかと思うような年でした。実際A$APもドレイクもトラヴィス・スコットもニプシー・ハッスルもメトロ・ブーミンもフラットブッシュ・ゾンビーズも好きなアルバムでどれが年間ベストでもおかしくないと思いながら、、これは特に好きでした。ポップスとしても優れていたのでいつでも聞きやすく、なんだかんだ一番聞いたラップアルバムかもです。
元々ファレルのバックアップで出てきた、歌もラップもできる人、という印象の人だったんですが、今作は今までよりコンプトン出身らしい西海岸マナーが出つつ、どの曲もシングルにできるくらい粒ぞろいになっています。

ウェッサイの明るくチルなバイブスが好きな人は特に気にいるのでは。さらに、第一印象としてポップスとしての強度が高いことが耳がいきますが、トラックがファンクな曲ばっかりなところもこだわりが伝わってきて最高。歌とラップどちらも行うスタイルと相まって、ファンクネスが溢れ出ています。客演もプロデューサーもみんな豪華なので、是非クレジットを眺めながら楽しんで欲しいし、なによりアルバム全体通して聞いたときの気持ちよさがお気に入りポイントです。
しかし2018年、、いよいよこんな売れそうなアルバムもフィジカルで出ないような年になってきたんだなぁと思いますね。。。

8. Mary Lattimore - Hundreds Of Days

今年も例年に引き続き、アンビエントやポスト・クラシカルな音楽は常にチェックしてて、それなりの数を購入していました。

癒やしを求めていたのか、今の音楽の潮流的に無視できないものだからなのかは自分でもよくわかりませんが、まぁ両方なのでしょう。そういう音楽でも候補めちゃめちゃあったんですけども、一枚選ぶのならこれかなぁという感じです。
ハープ奏者メアリー・ラティモアの2ndアルバム。このアルバムについて調べるといろいろ出てくるとは思うので、細かい内容は各自調べてもらうとして、超簡潔に概要だけ書きます。2017年、彼女はヘッドランズ・アートセンターの音楽アワードを授与され、様々な分野の15人のクリエイターと古い建物で2ヶ月間を過ごしたそうです。彼女はサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの上の丘に囲まれたレッドウッドの広々とした納屋を与えられ、そこで47弦Lyon & Healyハープを自由に弾いて制作された作品のようです。

その夏の生活の開放感が伝わってくるような、最高に爽やかなアルバム。

主役のハープもさることながら、添えるようなささやかなシンセやピアノも控えめで優しくて良いです。こういうところでポスト・クラシカルとかアンビエントのタグ付けがされるのかーと納得しつつも、タグ付けするのがもったいないくらい、特徴的で唯一無二な作品。曲のタイトルもそれぞれ詩的なので、タイトルを見てから聞くとより想像が膨らみます。

アコースティックな音をメインに構成されているのに、ちょいちょいループミュージックのような振る舞いをするところが良いですね。アコースティックでドラマティックなループミュージックって、幻想的でめちゃめちゃに美しい。

BGMとして聞くのもいいけど、たまには外界をシャットアウトしてこういう音楽を聞くだけの時間を2019年は作っていきたいです。


7. Fatima - And Yet It’s All Love

Mndsgn製トラックにソウルフルな歌声が乗る一曲目聞いた瞬間から、なにやらただのネオソウルじゃない予感は感じ取りつつ、自分でも中々良さが言語化出来ずにいた作品。スウェーデン出身でロンドンで活動するシンガー「ファティマ」の2ndです。

2018年は、本当に長かった冬の時代を経て、王道のR&Bの良作がバンバン出てきてR&B好きとしては嬉しい限りでした。R&Bだけでもマセーゴとかロイド(ジャケは2018年ワースト)とかジャクイースとか特に好きだったけど、、、ここはあえて一聴したときの印象が一番良かったこのアルバムを選びたいです。

このアルバムのどこが好きかというと、アルバムとしての構成がすごくしっかりしてるところと、何より主役のボーカルにしっかりとピントがあってるところ。トラックもいろいろと変化しながらファティマの歌声も毎回違う表情を見せてくれるので、飽きることなく最後まで聞けるアルバムです。

トラックなんてネオソウルとしては必要最低限くらいなんじゃないかと思うシンプルで、ヨーロッパのクラブシーン発のネオソウルらしい、不思議なミニマリズムによるささやかな新鮮味があります。もちろんそれは主役の歌声があればこそなので、そのバランスが唯一無二で良いのです。

シンセの打ち込みがミニマム過ぎてチープに感じるような前半も、UKのクラブミュージックシーンが90年代のR&Bやヒップホップのトラックを意識したような感じで良いなと思いつつ、ロックマルシアーノとの「Take It All」以降のメロウネスがもう超絶に好きで、悶絶でした。

「So Rite」のベースも最高ですね!


6. Sunset Rollercoaster - Cassa Nova 半熟王子

ここ数年日本のシティポップも本格的に世界で流行しており、日本のミュージシャンからの影響を公言する人も増えている状況なので、2018年はさほど意識せずとも、そのような海外製シティポップをよく耳にしたように思います。

このシティポップブームにおいて、なぜか国内のシティポップへの興味が急速に薄れていたり、ブーム自体にはそこまで熱くなっていない自分ですが、元々は中学校の三年間は小田和正の「Looking Back 2」のみを聞いていたような人間ですので、シティポップ、、、、というよりAORには本来とても弱いです。
そこにこの落日飛車ことSunset Rollercoasterという台湾のバンドのメロウなアルバムは超響きました。このバンドを表す場合、AORがアジアン・オリエンテッド・ロックと呼ばれてるけど、もはや最初から頭のAはアジアンだったんじゃないかと思えてきますね。結構マジで。

このSunset Rollercoasterの音楽は、(本来の意味の)AORはもちろん、チルウェイブ以降(という言葉の懐かしさよ!)のシンセ・ポップも連想させつつ、角松敏生の成分を足したような音楽です。雑に言えばサイケなロックでシンセにフォークでソウルです。このカオスな表現がまとまってクオリティ高く具現化している!!と思ったけど、AORの名盤ってどれもそういうめちゃくちゃな融合を高い次元でさらっと風通しのいいポップにしてきてますよね。そういう名盤の仲間入りをしちゃうようなアルバム。

割とどのCDを聞いても最近の流行だとか、誰からの影響だとか、そういうことを考えてしまう自分が、一切の脈絡を無視してこの音楽のことしか考えたくなくなるような貴重で大事なアルバムでした。シティ・ポップブームを忘れて聞けてしまうほど最高なシティポップ!!!

爽やかながらめちゃめちゃいい音と最高のグルーヴに何もかも忘れます。

一応このアルバム、ジャケ右上辺りに顔のあるCassa Nova 半熟王子という人物の9編の愛にまつわるストーリーが展開されるものらしいです。自分もそれは昨日知ったので、きっと知らなくても楽しめると思います。お試しあれ。


5. Felbm - Tape1 / Tape2

ついに12月にSpotifyの有料会員になってしまい、サブスク配信での音楽鑑賞に手を染めてしまった2018年、、、いよいよ音楽好きの間でもフィジカルを買う人が少なくなってきており、自分もフィジカルを買うことも今後減っていくんだろうな、、、と実感しています。
でもこのアルバムみたいに、ジャケが好きなものは絶対にフィジカルで買っていくので今後もアナログ・レコード及びCDは無くならないでほしいところですね。。。。

ロンドンの再発レーベルSoundwayからリリースされた今作は、オランダのEelco Topperによるプロジェクトで、元々データでリリースされていたピンク色のTape1と緑色のTape2をアナログ・レコードのA面B面に引っ付けたLP。

基本的にピアノやジャズドラムやシンセの音を中心にした美しいメロディーの音数少ない素朴な作品で、ジャケットのミニマムな風景がのようなイラストがしっくりくるシンプルさの作品です。ジャンルは分類しにくいですが、大雑把に分類すると自分は流麗なビートテープかあるいなイージーリスニングのように聞いていました。

トラックメイカーが打ち込み的なループ感を気持ち抑えてメロディを大事にして作られたビートテープのようにも聞こえますが、そこら辺にあるビートテープみたいな聞き飽きたような落とし所を目指さず、ビートテープとフュージョンの間を行くような感覚を持っているところがこのアルバムの良いところです。

音の傾向もTape1とTape2で別れてて、雑に印象を説明するとTape1はジャズよりの音の多いイージーリスニングのような感じで、Tape2は映画のサントラのような曲やポスト・クラシカル的な曲が多く、A面とB面がほどよく切り替わるところも最高です。全体的に体温が低いところが表現し難いほど良く、このアルバムこそが自分にとってのチルアウト・オブ・ザ・イヤーでした。

自分はアルバム通してチック・コリアのReturn To Foreverのように聞いていましたが、今考えると今年日本でも大ブレイクしたトム・ミッシュとかが好きな人は特に気に入ってくれるんじゃないかなーと思われます。オススメ!


4. Chancha Via Circuit - Bienaventauranza

今こうやって2018年のお気に入りアルバムを紹介していますが、2017年の自分のお気に入りアルバム第1位は、もうぶっちぎりでチン・ベルナンデスのRECOMECARでした。ブラジル音楽です。

その少し前から南米含むラテン音楽への興味は持っていたところに、昨年のあのアルバムで一気に火がついて、2018年は毎月定期的にラテン音楽をチェックするようになってきたところです。中でもこのアルバムでいよいよクンビアへの興味が爆発しております。

アルゼンチンのデジタルクンビアDJ、チャンチャ・ヴィア・スィルクイートのアルバムを聴くのは今作が初めてだったんですが、トライバルなクラブミュージックでとても良いです。 伸びやかな打楽器の音の気持ちよさも、ラテン音楽らしい明るさも、打ち込みが生音のように処理されて響くところも、今聴きたい音楽はまさにこれ! といった感じでした。ジャンルとか完全に飛び越えて、純粋に超好きです。

しかしこのアルバムの好きなところを思い返してみて、本当に2018年だからこそ、バレアリックやダンスホールを経過した耳だからこそすんなり入ってきたようなところもあるため、本当に今自分がクンビアに入門するのにぴったりなアルバムだったように思います。同じくクンビアに入門したい人には激しくオススメします。自分は2018年このアルバムに出会えて幸福でした。

特に好きなのはアルゼンチンの天才女性トラックメイカー、カリーマとの共作「Kawa Kawa」です。音が気持ちよすぎませんか?? これ

ちなみにタイトルのビエナベントゥランサ(Bienaventuranza)は「至福」という意味らしいです。このアルバムにピッタリなタイトルです。

3. The O'MY'S - Tomorrow

結構前から活動しているみたいですが、全然知らなくて完全な不意打ちでした。2013年ごろから活動していたシカゴのソウルバンドらしく、チャンス・ザ・ラッパーが参加した8曲目の「Idea」がとても良くて即買いしたアルバム。よくよく調べるとこのアルバム以前からもチャンス・ザ・ラッパーやダニー・トランペット(a.k.a. ニコ・シーガル)やノーネームと交流があるようで、過去作もクレジットだけで中々に興味が湧くようなものばかり。今作にもニコシーガルは三曲に参加し、sabaも5曲目の「Puddle」でラップしてます。知らないところからこんな素晴らしいソウルバンドが出てきちゃうし、シカゴのR&B/ヒップホップのコミュニティって本当何年経っても全然把握しきれてないなーと再確認です。反省してちゃんと調べます。

ボーカル&ギターのメイシオ・ヘイムスと、バックボーカル&キーボードのニック・ヘネシーがバンドの中心人物らしく、音もギター、キーボードとホーンを中心に、ゴスペルから影響を受けたようたセイブ・マネーらしいしっとりしたシカゴ・ソウルを34分の短い時間で濃密に聴かせてくれます。

もはやチャンス周辺のソウルバンドってだけで視聴もしないで買うくらいあの辺りの音楽が好きな自分ですが、いざ聞いてみると主役の歌声がマクスウェルを彷彿とさせるファルセットでこれまた良いです。R&Bの良作だらけだった2018年だったけど、個人的な好みではこれが一番好きです。

あー もう日本にセイブマネーごと来て、セイブマネーフェスをやってほしいな!! 全員のライブがみたい!


2. Kodak Black - Dying To Life

今年このアルバム10枚を選ぶにあたっての分母はだいたい533枚くらいです。これでも一番聴いてた時期の1/3くらいではあるんですが、こんだけ聴いてると時々「これってなんのために聴いてるんだっけ?」とか自問自答するときがあります。

結局答えとしてはなんだかんだで「新鮮なものを求めて」だと思うんですけど、流石に10年以上こんなに聞きまくる生活をしていると、中々新鮮な音楽にも出会えなくなってくるわけで、、、このベストアルバムを選ぶのも年々難しさを感じています。

そんな中、今年のヒップホップで一番新鮮だったのは自分にとってはコダック・ブラックのこの作品でした。まだ21歳ながら、犯罪と刑務所生活を繰り返して人生を達観したような歌詞はドレイクも絶賛していますが、歌詞は俺が語ってもしょうがないので各自調べてもらうとして、そもそもこのアルバム音だけとっても、歌唱としてのラップだけとってもかなり好きです。

なんというか、どう聴いてもラップアルバムなのに、ラッパーだけが出せるラフなR&Bアルバムのように聞けるところが自分のお気に入りポイントです。

上手いの下手なのかよくわからない、リル・ウェインに影響を受けたようなヨレたラップをする人なんですが、そもそも声がかなり特徴的で、もはやラップしなくても声がするだけで存在感のあるようなラッパーです。その上中々に歌心のある人で、ラッパーらしい独特の歌唱方法でちょいちょい歌ってくれるのがかなり良いです。トラックも殆どはトラップ以降の独特のメロディアスさを持っていて、本人のスタイルに合わせて、歌心を引き出すようなものが多くて、本当によくぞこの方向性で一枚まとめてくれたというか、、、リリースそのものに感謝するしか無いです。。。

これ、なんとかフィジカルで出してくれないかなー、、、フィジカルリリース待ってます。。


1. Mac Miller - Swimming

聴いたときに、もう2018年の一位はこれ以外考えられないな、と思いました。

結果的に遺作になってしまった、マック・ミラーの最新作。

死んでしまったからとか一切抜きにおすすめ度一位です。歌もラップもトラックメイクも生演奏もソウルもファンクもインディー・ロックもジャズも全部同列で混ぜながら新しいポップスを作れる人ですが、前作あたりからその完成度がいよいよ高まってきていての、今作Swimming。歌声が響くイントロだけで傑作の予感がします。

聴きやすさも気持ちよさもさることながら、なにより自分の気分にピッタリハマったという表現が正しいでしょうか。歌声とチープなシンセの音色(が何故か自分のここ数年のトレンド)が印象的な前半も、後半で顔を見せる実験的なトラックメイクも全部最高。実験的なトラックしててもメロウな快楽を維持しているので、嫌いになれるわけがないです。

特にディム・ファンクとサンダーキャットが絡んだ3曲目「What's The Use?」は最高ですね。クレジットだけで聞く前から良いに決まってるってわかるけど!!

中ジャケで何故かピアノの鍵盤の上に寿司が乗ってるのも意味わからなくて最高。もう何から何まで完璧にツボなアルバムでした。

結構歌ってくれるし、ラップ嫌いな人でも全然聴けるアルバムだと思うので、全人類に聴いてほしい作品です。どう聴いても傑作。


P.S. 元恋人のアリアナ・グランデの「Thank U,Next」でもマック・ミラーに言及してて、号泣必死です。合わせて聴いて欲しい。




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KAWAIDA

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コメント1件

Mary Lattimore - Hundreds Of Daysが素晴らしいと思いました。

クラシックとポップミュージックをクロスオーバーさせる風潮は昨今の音楽シーンでありますが、

クラシックな楽器でそのままオリジナルなポップミュージックをループとして成立させるって、案外ありそうでなかった発想かも、と思ったり。
デジタルミュージックやハウス系の、ループ系の電子音を、ヒーリング的にアナログでループさせる。みたいな、癒されてそのままとろけそうです。
素敵すぎる楽曲。私も楽器を演奏しますが、大いに参考になりそうです。
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