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ハワイで何がしたい?

本が好きだ。

それはそれは、好きだ。

どんな時に幸福感を感じる?と問われて真っ先に思い浮かぶのは、
本屋で良著(の予感がする本)と出会い持ち帰り、最初の一ページを開く瞬間であるし、
佳境を迎えた同書を携え通勤バスに乗り込み、栞を挟んだページをはやる気持ちを抑えて開き、前回との繋がりを確かめた瞬間だ。
子どもが早く寝てくれた夜、紅茶なんて淹れてみて静かなリビングで続きを読み始める時なんて、「あぁ幸せ」と口に出さずにはいられない。

まぁとにかく、私の生活から読書を切り離すことはできないのだ。

さて、夫との関係は極めて良好だ。

手前味噌だけど寛容で賢くて、子煩悩な夫だ。
自分のことは大抵自分でやるし、男だからとか女だからとか変な意地や偏見を持っていない(いや、持っていても見せないのかも)のも好ましい。
何より、聴き上手だ。疲れていても、私が興奮気味に話すあれこれを、丁寧に聴いてくれる。

私たちはうまくいっている。

それは間違いないんだけど、しばしば、「幸せ」のポイントが違う、と感じることがある。

それはこんな時。

新婚旅行の時だったろうか、南の島に行く準備をしてて、私が文庫本を大量にキャリーケースに詰め込んでいた。海を眺めながらビーチやらデッキやらでカクテル片手に本が読めるなんて至高の極みじゃないか。

それを、夫曰く、
「せっかくリゾート地に行くんだから泳いだり潜ったり散策したり、その地でしかできないことをしようよ。勿体無いよ」

はい、分かります。
分かりますよその理論。
高いお金を払って行くんだもん。それもハネムーンという一生に一度の奮発旅行だもん。
その地の魅力を存分に感じたいし、二人だからできることを沢山したいよね。
分かります、分かりますよ。

でもね、南の島で読書をするのはぜーんぜん「勿体無」くない!
非日常性を体全体で感じながら、とっても日常的な趣味にずっぽり浸ることこそ、究極の贅沢なの!
バスの中やリビングルームで読むのとはまた違う世界が広がるかもしれないし、いやそんなことないかもしれないけど、
とにかく、とんでもなく綺麗で優雅な場所で本を読むことが、私にとっては多幸感たっぷりな行為なのだ。

あなたがハワイでゴルフがしたい!と言うのとちょっと似てる?いや違うかな。

とにかくこういうことが私たち夫婦にはあるのだ。
世の夫婦やカップルにも似たようなことはよくあるんだろう。

大切なのは、「こういうことに幸せを感じる」ということを、自分で具体的にちゃーんと知っていることで、
知っておいてほしい相手には伝えてみることだ。

てんでその幸せ具合が理解してもらえなくたって、「そっか、幸せを感じることが違うのね」って分かっておいてもらうだけでいいのだ。

どんなにうまくいっていても、
私の幸せとあなたの幸せは違って当たり前なの。

Don't disturb!

#幸せ #読書 #自己理解 #他者理解

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