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マンションのダン襖を本襖に替えますプロジェクト!~襖の中身~

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やっとやっと、新記事に辿り着きました。こちらが山下表具店・塚田さんにいただいたお写真になります。画面越しにも木の匂いがしてきそうなこの、組子骨に張られる紙。何気にこっちも良さそうな紙だなあ。

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良質の反故(ほぐ:昔の古い大福帳、本、手紙など)を昔は裏にして再利用していたが、今は市販のものもあるらしい。はてさてコレはどっちでしょう(怖くて聞けない)。

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このように同じ大きさに切っておく。

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な、なんか勿体無いような……しかしこうしておくと、襖は保存器にも成り得る。なんたって和紙は呼吸しますから。本襖ならではの空間によって、温度湿度も一定に保たれますから。

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一枚一枚重ねつつ丁寧に貼っていく。「蓑掛け」「蓑貼り」というらしい。

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糊が框だけで、全面についていないのがミソ。

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いったい何枚貼っているのだろう…おそろしや。しかもきっちり縦横揃って美しい。

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その上から更にこれ。「蓑押さえ」というらしい。ここまでで下張りは完成、「建て合わせ」(サイズ合わせ)にいらしていただいたのはこの段階。今までの画像がすべてが、襖紙を取替えでもしないかぎり外からでは絶対見えないところですわよ奥様。

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えっもうこれだけでも良くない?こういう壁とか仕切りとかよくない?

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「建て合わせ」のあとは寸法に合わせて角を落とし、下張り段差を調整する「耳梳き」を行う。その上にまた「袋張り」して「上浮け張り」して、やっとたどり着く「上張り」。それから縁を打って引き手をつけて、完成!

すごい、すごすぎる。なんて贅沢なんだ本襖。

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完成してからもう一か月以上が経過しましたが、軽くて開け閉めが楽になったのと、何より部屋が快適!空気が違う感じ。一階ゆえに匂いや湿気がこもりがちだったのですが、かなり解消されたような。もちろん、見た目のすっきり効果が一番なのでしょうが、工程を一部だけでも説明付で見たことは大きいと思う。あんなに層があればそれは盛大に呼吸しますわ。日々部屋の空気を吸ってはいて、年月をかけてその空間に馴染んでいくのでしょう。

本襖は、多くの職人が積み上げてきた経験と知識と技術で出来ていて、かかる時間と手間のひとつひとつには確固たる根拠がある。かつての日本家屋の殆どが、この技術の粋ともいえる襖を設えていたというのは、かなり凄い話なのではないでしょうか。

昨今のコロナ騒ぎで学校や公共施設が閉まり、会社はテレワークに走る。働き方のみならず、「家」というものの在り方もこれで急速に認識が変わっていくかもしれません。何しろいざとなったら籠城しないといけない場所だということを皆が思い知りましたからね……出来るだけ快適に過ごす努力をしつつ、この国難を乗り切りたいものです。

本襖製作:山下表具店 塚田孝司

越前和紙手漉き襖紙制作:株式会社長田製紙所 長田和也




「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。