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パズルを解くように連結キャッシュ・フロー計算書を作成する

いよいよ連結キャッシュ・フロー計算書(以下、連結CF)について書いていきたいと思います。できるだけコンパクトに書きたいので詳細説明は端折ってしまいますが、うまくイメージが届け、と思い書いていきます。


1.結/YUIにおける連結CFの作成・表示方法

まず、結/YUIの連結CFは「簡便法」で作成し、営業活動の表示方法は「間接法」となります。

作成基準では、「連結キャッシュ・フロー計算書の作成に当たっては、連結会社相互間のキャッシュ・フローは相殺消去しなければならない。」とし、各連結会社の「キャッシュ・フロー計算書」を連結すること(原則法)を想定しているが、簡便的に、連結損益計算書並びに連結貸借対照表の期首残高と期末残高の増減額の分析及びその他の情報から作成することも認められる。

出典:連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針第47項

間接法とは、税金等調整前当期純利益に、非資金損益項目、営業活動に係る資産及び負債の増減並びに「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目を加減算して「営業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する方法をいう。

出典:連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針第12項

また、「連結CF仕訳」を計上して作成する方法ではなく、Excel連結でよくある以下のような形で作成します。(海外子会社がある場合の為替換算調整勘定の増減分析も自動で行われ連結CFWS上に自動転記されます)
個人的には、連結CF仕訳を作成する方法よりも、このような形で作成した方がチェックする側としても分かりやすいなと思ったりしています。

結/YUIにおける連結CF作成方法(イメージ図)

2.パズルを解くように作る

上記の通り、結/YUIでは簡便法×間接法で、各連結科目の増減額を連結CFワークシート上にマッピングして連結CFを作成していきますが、この作成方法はまさにパズルを解いているような感覚で作成することができます。

  • 例①:売掛金の期首残高と期末残高の増減額

    • →縦軸:資産負債の増減額

    • →CF科目:売上債権の増減額

  • 例②:有形固定資産の場合は増減内容ごとに、

    • 取得

      • →縦軸:有形固定資産(取得)

      • →CF科目:有形固定資産取得による支出

    • 除却

      • →縦軸:固定資産(除却)

      • →CF科目:固定資産除却損

    • 売却

      • →縦軸:有形固定資産(売却)

      • →CF科目:有形固定資産売却による収入

    • ・・・(減損、減価償却、建仮振替、、、)

このように、増減額を特定の「縦軸」、特定の「CF科目」に割り振る作業で作成可能です。(結/YUIでは縦軸については「CF増減種別」として自由に設定可能です)

CahtGPT作の、連結CFの作成はパズルを解くみたい、の画像

3.ピースの当てはめは結/YUIが自動転記。これで連結CFの自動作成が可能?

上述した売掛金であれば、増減額を縦軸「資産負債の増減額」、CF科目「売上債権の増減額」とすることについては決まっています。また、有形固定資産の増減内容に応じた内容についても同様です。このような既に決まっている動きについては結/YUIが一括で自動で当てはめてくれます(事前に「CFマッピング」という設定が必要)。なお、新規連結や連結除外があった場合はその分調整が必要ですが、結/YUIではその調整も行ってくれます。

(以下、CFマッピングのヘルプページです)

このように、結/YUIにおいて増減額に応じた動きを事前に設定すれば連結CFが自動で作成できる!と言いたいところですが、ピースがうまくはまるような形になっていることが超重要で、そうなっていない場合は自動作成は当然ですができません

4.当てはめやすいピースにするために、単体勘定科目から整理すべし

連結CFの作成をパズルに例えましたが、実際のパズルと違って連結CFはパズルのピースを自分で作る必要があります。そのため、スムーズにパズルを完成させるために単体の勘定科目から整理する必要があります。

例えば、未払金の増減を単純に営業活動の「未払金の増減額」に入れていいでしょうか。未払金の中には有形固定資産や無形固定資産の取得に係る未払金があるかもしれませんので、その分は営業活動の「未払金の増減額」には入れず、「有形(無形)固定資産の取得による支出」にて調整が必要です。この調整を結/YUIのCFマッピングを利用して自動調整するためには、勘定科目単位で事前に分けておく(具体的には「設備未払金(有形)」等の科目に分ける)必要があります。

具体的な分け方としては、単体の勘定科目から分けていただくのが一番ですが、変えるのが難しい場合は、結/YUIに試算表を同期したあとに、個別修正仕訳で振り替えることも可能です。どのような方法で当てはめやすいピースにするかは各社の状況に応じてとはなりますが、いずれにしても連結精算表の時点でCF調整がしやすい科目体系になっていることが、連結CFというパズルを効率的に解くポイントになります。

(以下、単体科目体系の留意点のまとめです)

5.その他機能

その他の機能としてチェック機能がありますが、これはまた改めて連結CFについて深掘りした記事(又はチェック機能に特化した記事)を書く際に載せていきたいと思います。パズルを解いたと思っても実は無理やり当てはめていた、ということが分かるようなチェック機能です。

6.まとめ

細かい説明は割愛させていただき、ちょっと専門的な内容が多くなってしまいましたが、、いかがでしたでしょうか。
連結CFについては苦手意識を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、ハマるとこれほど面白いものはありません。また、連結CFを作成しているときに連結精算表の間違いを見つけることも多々あるため、法定で求められているタイミングでのみ作成するのではなく、可能なタイミングで作成していただくと、単体科目の整理、いざ本番で作成する際の練習にもつながりますので、ぜひこの機会にこの面白い「連結CF」に向き合っていただければと思います。


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